5話 村
駄文やぁ
「初めましてリアムです。泊めてもらってありがとうございます」
リアムの目の前には恰幅のいい中年位の女性がいた
「そんなにかしこまらなくていいのよぉ〜、元気なって良かったわ〜」
と言うとおばさんは急に抱きついて来た
「おばさん…少し痛いです…」
「あらあら、ごめんなさいね」
おばさんは笑いながら手を離してくれた
「自己紹介が遅れちゃったわね、ステラよ
よろしくねリアムちゃん♡」
このノリにも慣れなきゃいけないようだ
「さぁお腹もすいたでしょ 朝ごはんにしましょ♡」
そう言ってステラさんは台所に向かい豆と野菜がゴロゴロ入った赤いスープとパンを持ってきてくれた
「スープが赤い?」
「あら?ミネストローネよ?食べたことない?」
「はい、食事にはあまり興味がなかったので」
そのことを聞くと少し困ったような顔をした
「それじゃあ今食べて見ましょう♡クシェルちゃんもこっちに来なさい♡」
と言うと台所から同じ食事を持ってきた
「ありがとうステラさん」
「私は先に食べちゃったから2人でゆっくり食べてなさい♡」
ステラは手を小さく振りながら台所に戻って行った
水が流れる音が聞こえるので洗い物をしているのだろう
こんなことを考えているうちにお腹の虫が声を上げる
「ふふっ」
クシェルはリアムの腹の虫の音を聞くとクスリと笑いがでた。リアムは少し恥ずかしくなり腹の虫を沈めることに集中する。
「…」
これ…食べれるのかな…
こんなにスープ見たことないな…
とりあえずスプーンで一掬してみよう
(赤いな…)
少し躊躇いながらも木のスプーンで口の中に運ぶ、すると
リアム「!!」
美味しい…
スプーンがすごいスピードで進んでいく
その様子を見たクシェルが微笑む
5分後にはパンとスープをあっという間に平らげてしまった
「そう言えばまだあの時の仲間に会ってないだろ」
「仲間?」
「ほらエルフの里で助けた村人達だ」
そうだ僕らはあの人たちに運ばれてこの村まで来たんだ
「後であいつらに挨拶しておけ、おまえのこと随分と心配していたぞ」
「そうか…それは迷惑かけちゃったな」
後でお礼を言わないと
「あら、もう食べちゃたの?」
洗い物を終えたステラさんが台所から顔を覗かせてきた
「はい、とても美味しかったです」
「そう、なら良かったわ♡」
満足気な顔をしたステラさんはお皿を下げてくれた
「自分で洗います」
流石に泊まらせてもらってる身でそこまでお世話になる訳には行かない
「ダメよ、あなたはけが人なんだからゆっくりしてなさい♡」
本人にそう言われてしまうと何も言い返せなくなる
「では少し外に出かけてもいいですか?」
ここはどんなとこか見る必要があるからね
「あらァ大丈夫?ケガしてるんだから無理しちゃダメよ♡夕方までには帰ってね♡」
はい、と言いリアムは玄関のドアノブに手をかける
木製のドアを開けたその先は壮大な景色が広がっていた
雪を被った標高3000mはあろう山々が村を囲むように連なり
石造りの建物が所々に点在している
奥にはトウモロコシやじゃがいもと思われる作物が植えられている
戦争を感じさせないとてものどかな村だった
「この村は山脈の中に位置している村で東側の連中もここには来れないんだ」
後を着いてきたクシェルが説明してくれる
「てか僕東側の装備ってどこに行ったんだろう」
「川に流されたんじゃないか?」
まぁ今となってはなくても困るようなものではないが
「とりあえず助けたヤツらに会いに行きな顔を見せてやれ」
とりあえず僕は丘の上の家にいると聞きそこには足を運ぶことにした
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