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プロローグ
初投稿になります。
お手柔らかによろしくお願いします。
(僕は負けたのか…)
戦いの衝撃による脳震盪で意識が飛んでいたようだ。
だが纏はまだ着いている。戦える。
「あんたに恨みがある訳じゃないが、世の中のためだ。ここで死んでいただきたい。」
大男が僕に背を向けてそう言う。
「待…て…」
「話にならん。これが最高の盾なんぞ笑わせてくれる。」
実際、背を向けても問題がないと思われるほどの格の違いを見せつけられた。
今残る力を振り絞って飛び込んでも軽く返り討ちに合うだろう。
「何のためにお前を迎え入れたと思っているの!!この無能が!!!」
「てめえ!こんな大事なところで力を発揮できないなんて」
僕にとてつもない罵声が飛んでくる。
でも当然だ。護衛対象をろくに守れないこの体たらくなんだから。
「…すみ…」
言いかけた途端、この人たちを守る必要は本当にあったんだろうかという疑念が頭を過ぎ、急速に体から剥がれていく纏と共に、僕の意識も消えていった。