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ふと出た思い付きをあなたに  作者: 悠長な旅人
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夏休み、ラストスパート

朝っぱらから咎める声に「後でやるよ」と、やる気なし。

最後に詰める作戦と、自信満々唱えてさ。

母はため息混じりに、部屋から出て行った。「おやつ無しね」と呟いて。

仕方ないからちょっとだけ、課題やろうと

腰上げたときに、聞こえたんだ左から。


僕は囁きに、負けたんだ『世界が君を待ってるよ』って。


課題、おやつなんてどうでもいい、何週間も過ごしてしまおう。

夢のような電脳の世界で。さあやろうか、世界救済。

セミの命つきるまで。長い長い冒険を。


案の定、金切り声が真っ昼間から響く僕の家。

家族に邪魔されようともさ、僕は世界を救うんだ。

もう、右耳からは『やめよう』なんて聞こえない。

焦りなんて吹き飛ばせ。何もかも全部怖くない。


『目を逸らさないで』


電脳の世界に危機が訪れた、魔王の手により太陽が消え去った。

白紙の課題こんにちは。目に飛び込むのは、そらし続けた現実さん。

何処にも逃げられなくて、敵のレベルはカンストで、アイテムさえも使えない。

残りのライフは赤色で、セミの命はあと三日。


こうなると分かっていた、怒られるって知っていた。

でも止めたんだ『明日から本気出す』からさって。

セミの命はあと一日、こっちの世界も救わなきゃ。

さあ始めよう、世界救済を。


バーッと課題表を広げ、優先事項を決めていく。

あれは一番、これは二番、それは三番と段々と。

コントローラー響かない、書き進める音、時計の音とセミの叫びがこもる部屋。

タイムリミットはあと少し、死に物狂いでやり遂げろ。

制限時間、レベル制限ありの最難関クエストを。


現実を見たときには


悪魔の囁きは、聞こえなくなっていた。


みなさんは宿題、課題最後にやるタイプでしたか、最初に終わらすタイプでしたか? 自分は毎年バラバラでした。


ちなみに悪魔は左から囁くらしいです。


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