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始まりにして最強のチートプレイヤー  作者: 石川 萩秋
チート最強
30/30

悲劇

勝利で得たチップを換金してマリーオサンズ・ベイを後にして王宮に向かった。


「……ご案内致します」


王宮に到着するとメイドが案内してくれた。いつも自分がメイドに案内されると思うと


ほんと現実の俺と変わりすぎて戻った時大丈夫だか……。


メイドは接客室用寝室に向かっている。何だろう? いつもはいないような人が結構い


る。現実で言うと検察官や報道陣みたいな人?


「どこに行くんだ?」


「誰なのですか? この人たちは」


「…………」


初めて王宮に入るミナは色々なところを見ているが俺達は何か違和感を覚えるだけだっ


た。メイドは声をかけても返事をしてくれなかった。


カチャ、ある部屋の前で止まり扉が開かれた。


「どうぞ中へ」


毎度は今までにない弱弱しい声で俺達にそういった。


「うそだろ……」


「きゃ!」


「なに?」


そこには横に倒れて誰かにいろいろ調べられているクーベがいた……隣には治癒しもい


た。俺が顔を向けると首を横に振った。


「先ほどメイドがこの部屋に伺ったそうです。そしたら倒れられていたとのことでこち


らに連絡が来ました」


「助かった。4人だけにして頂くことは可能なのか?」


「こちらが確認したいことは全て終わりましたので」


「ありがとう」


部屋にいた人は全員出ていった。あまりのことに死んでしまっているのはわかりきって


いることなのに……近くに行き声をかけてしまう。俺よりエリシアの目から出る涙を見


るのが辛、いクーベのこともつらいが辛いのに。誰だよお犯人は、犯人はよ! 見つけ


たら必ず敵を討ってやる!


俺はなぜだかクーベの端末にメッセージや着信を入れている。返事がないのはわかって


いても……あぁああああああああああああああああ!


「ねえ? か、快君これって」


「ん?」


エリシアが俺に向けって差し出してきたのは白い封筒だった。この世界で紙に言葉を書


くなんてめったにないのに何だろうか? エリシアは丁寧に中身を出した。


「快斗、エリシアへ」


それはとてもきれいな字で書かれていた。クーベ本人の名前があり、送り先は俺たちだ


った。


本当に黙っていてすまなかった。

君たちと最後の会話花になるのだろうか……今はまだ分からない、それもいつだろうか、どこでだろうか。だがその時は、その時は……必ず笑いでも、失笑でもよいから何か君たちと思い出を作りたい。


泣いたのだろうか? 神の一部が濡れた形跡がある。


クーベ、最後はちゃんと笑いを取ってだぞ! 言葉は交わしていないがエリシアも同じ


ことを恐らく思っているであろう。


君たちとでって「世界」とゆう素晴らしいものを見せてもらったよ。食事、町、景色、感情とかな。俺は所詮「開拓者」「神」から授けて頂いた偽りの命だからな。

なぜこんなものを書いたのか、それはな……ある噂があったからなんだ。

「神の下っ端は所詮使い捨てカイロみたいなもの。オワタになったら排除する。作り物が感情なんて持つ必要はないからな」

よくわからない言葉もあったが君たちに救ってもらって気づく事が出来たんだ。本当に君たちと過ごした時間は楽しかったよ。

自分勝手だが最後に一つわがままを聞いてくれないか?


「  いいよな? エリシア」


「うん……それを望むなら」


クーベとの試練で授かった魔法〈アテイン ネバン〉を端末で確認する。


 アテイン ネバン   (成仏・浄化魔法)


これはかっこの中に書いてある通り様々なものを成仏、浄化することができる魔法だ。


「あの――ごめんなさい」


ミナは話しかけてきたのだが俺たちが同時に振り向いたせいで良くないことをしてしま


ったかのように下を向いてしまった。いいんだよ喋って、クーベだって悲しい顔を見な


がら成仏されるより、明るい顔を最後和みたいだろうし。


「ミナ、言いたいこと言えよ」


「いいの?」


「気分が重いことはここにいる全員が望まないと思うしね」


「ありがとう! この人は知り合いなの?」


「少ない時間しか一緒に過ごせなかったけどな」


「固いきずなで結ばれた仲間だったんだよ」


今はこれぐらい話しておけばよいのだろう……詳しい話はまたすれば。


ミナも両手を合わせてくれている。


クーベ。本当に短い時間だったな。でも、楽しかったよ! 二人の力を試すこともでき


た……本当にありがとう、そして感謝してる。


「それじゃやるぞ」


「――うん」


「元気でな……『アテイン ネバン』」


静まり返っている空間に魔法の名前が響き渡り、白い光に一瞬包まれた。


 俺たちはフォードにあってこの街を後にした。静かだったが帰ったら何もなかったか


のようにしようと約束をした。



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