見えてくる真相
事の発端は半年前。彼女はこの世界に危機が迫っていることを予知した。危機を阻止しようとした。だが、戦うとなれば国が相手。この世界で1番の占い師(未来予知&未来予測・予言・を持っているもの)に占ってもらった結果、半年後に一ノ瀨 快斗という少年が来る。そしてその少年がすべてのカギとなるだろう。と言っていたそうだ。
「話は分かった。だがその話を簡単に賛同してあげることも出来ない。だから、スキルの取得方法を教えてくれ」
事実確認するなら、自分で〈占い師〉を職業として取得してしまえばよいのだ。
*天才、俺。そんなこと思いつくなんて学年トップの成績の持ち主だわ。
「待ってましたよ~! スキルを習得する方法は3つ。
1 他プレイヤーにスキルを直接見せてもらい、ポイント軽減して取得する。
2 ギルドでポイントを払い習得する。
3 勝手に見た誰かのスキルをポイント払って習得する。〈改行〉……だよ!〈改行〉 今回は1人すでに呼んでおいたのだよ~。ミーシャ、すごいでしょぉ~。って言っても、占い師から1度だけもらえる助言なんだけどね。えへへ」
話が早くて助かる。事実を確かめるためにも。彼は、川内というらしい。ミーシャに言われたとおりにする。俺は、彼の手に自分の手を数秒のせた。すると、端末に取得可能スキルに〈未来予知〉と、更に〈予言〉、〈逃走〉、更には〈潜伏〉までもがあった。どうやら此処に来るまでのどこかで、誰かが使っていたのだろう。ついでにその2つも含め、ポイントを支払い取得した。さっき言っていたように、直接教わったほうがポイント軽減されている。
「川内といったな。今回は助かった、お礼を言わせてもらう。それと金は俺が払うからなんか頼むといいよ」
「君は優しいんだね。その気持ちに甘えさせてもらうよ。俺は強欲でね」
その言葉の通り、朝食からギャ○曽根のように食ってた。もちろん金額はえらく弾んでくれたが。
*でも、俺は平気だぜ。スタートからお金持ちだからな。もしや、彼はそれを知っていて……。俺の金を減らしたいのか! 何の目的だ? って、思い込み酷い、俺。
取得したのは良いのだが……それは、2つだけ。
「ミーシャ。〈未来予測〉は無かったんだが」
「え~っと、それは私が持てるよ。なんであの人が持ってなかったかは、すぐわかるよ」〈改行〉俺はさっきと同じことをした。だが今回は「S判定」と出た。
「スキルはポイントさえ払えばだれでも取得できるわけじゃないんだよぉ~。快君みたいに適合率が高ければいいんだけどねぇ」
そんなことをドヤ顔で言ってくる彼女はとてもかわいいんだよなぁ──そんなことを簡単に思っちゃいけないんだった。彼女に読心術があるからね。
話を戻すと、これでスキル欄に〈占い師〉が追加された。その結果からも彼女が嘘ついていないことが分かった……って、言っている場合じゃないじゃぁぁぁぁん。ゲーム内で楽しむのを目的で来たのに本当に厄介ごとに巻き込まれている、この流れは。
「なあ、俺はこの状況から抜けえ出せないんだよな……」
「そうだよ~。快君はこれからミーシャと一緒に暮らすのだよぉ。だから私、さっきまで住んでた家、売り払ってきちゃったんだよ。ねえ、快君きーてる~?」
「はぁ……。聞いてるよ。これだから俺らは一緒に行動してく? だから家も売り払っちゃったと」
「理解いいね~。もしかして、超絶美少女のこの私を置いていくか考えてたりわしないよね~?」
もちろんだよ。って、まてよ。でも、異世界の危機って事は、もしかしたらこの世界が無くなる? でも、ゲームだよな。だとしたら、ログイン中の奴らはどうなる。俺は、異世界でゲームを続けられなくなるということか、既に! どちらにせよ、異世界の危機は俺が回避するしかないんだよな? だとしたら……待てよ。何れにしてもこの世界にいることになるなら、自称超絶美少女のミーシャと一緒に生活して、旅をして、同じ屋根の下で一緒に共同○業をして、……デュフフ。
そして勇者になれるのか!
*馬鹿なのかなぁ? 俺。可愛いから少し許してるけど、俺シスコンだぜぇ~~。
「快君。今、変なこと想像してなかった? しかも、この可憐な心の持ち主のミーシャちゃんを傷つけるようなこと」
「何も想像してないよ。気のせいじゃない」
「あっ。嘘ついたね。超絶変態君。超絶美少女の私に参っちゃっているのは分かるけど、変態さんには興味がないんで。それに、私に嘘つくなんて無理だよ~。全部見抜いちゃってるからね~」
「ぐふッ……」
もちろん、唸りを上げたのは俺である。
カウンターの上を商品が飛び。
窓からは強い日差しが当たる。
本当に一瞬だが、時が止まったような気がした。なぜなのか……。俺には分からない。
*俺の妄想の酷さは次元を超えているようです。でも、ブラッ○ジャックを呼ぶべきと思わないでください。確かに腕はすごいけど、ドラ○もんのほうが高性能ですよ。
「快君。私はこの後どうすればいいのかな~。放っておくの?」
「自分で選んだ道だろ。お前なら分かっていると思うけど、俺は自分の為にこの世界を守る。いや、救うなのか……。どちらにしろ、俺は一度ログオフする。好きにしてろ」
と言った。
俺は端末を取り出し、メニューからログオフを押した。なぜだ……。ログオフができない。そんな理由をを考えることもなく理由は明らかになった。それも、少なくとも周辺の人には聞こえる音量で。
『一ノ瀨 快斗様のログオフを却下します。正確には何者かの干渉によって拒否されています。対処方法はありません。一通りのゲームが終了し、この国が残っていれば操作可能になります。……干渉した〈介入者〉を名乗る人物からメッセージが届きました。表示します』