カジノ無双
そういって渡されたのは端末より一回り小さい機械。俺はそれを機会に差し込む。する
と、画面に無限にもありそうな職業一覧が表示されその中から気になるのをいくつも選
択する。
ピッ、ピッ。端末にデータが転送される……恐る恐る確認する。
「見るね!」
S―賭博師 起業家 冒険者 開発者 スパイ 暗殺者
A―レンタル彼氏 お叱り代行 兄弟代行 謝罪代行 料理人代行
「ぶはぁ。なにこれ、あはぁああ。あ~、快君の辺趣味」
「興味本意で試しただけだぞ!」
と言いながらも自分でも意外と驚ている。昔、塾の先生が新しいことを体験してみたい
な。と言っていてその内容が○○代行だったのを思い出して試しただけなのだが……。
「ははは。あー面白い」
「大丈夫かよ……」
どうすればここまでツボれるのか。たまにおかしくなるエリシアである。さすがに回り
もドン引きしてしまう。
「なあ? そうゆうエリシアはどうなんだ?」
「私……? 一番下はDだよ。ほら」
S―冒険者 護衛 騎士 歌手 泥棒 賭博師 (他省略)
A―ヘアリスト デザイナー イラストレーター 暗殺者 料理人 モデル ピアニ
スト 指揮官 ギタニスト メイド
流石だ。女子らしい職業ヘアリスト、モデルとか。他のは泥棒とか暗殺者等々気になる
のはたくさんあるのだが、今度エリシアの歌声を聞くことで良しとしよう。
「ボーっとしてどうした?」
「適合率が全部A以上に上がってるの」
「もしかしたら試練が関係しているのかもな」
「そんなことありえますか?」
「ないとは言えないだろう……」
壊れた後は適合率の上昇でぼーっとしていた。
「ん……?」
見間違いだろうか。端末を閉じるときのエリシアの情報が見えたような……確かレベル
は300で止まってたはずだよな?
「賭博師はお二人ともSランカーであるのか、流石だの」
「君たち含めて600人ぐらいだろう」
「少ないね」
600という数字は少ないのか? これで多かったら強い人がうじゃうじゃいるだけだ
しな。この中で「始まりにして最強のSランカー賭博師」なんてできるなら名を刻みた
いものだ。
「それではゆっくりしてくるがよい」
「楽しませてもらう」
「行ってきます」
エリシアもあの笑顔で返事する。
俺たちは王宮上お後にした。
「でっけぇ……」
「高すぎ!」
王宮の空飛ぶリムジンでカジノの屋上に来た俺たちは、到着早々この建物のでかさに驚
いていた。この国に来たよ気にも王双ビル群は目にしたけど一味違う。まるで、マリー
ナベイ・サンズのようなカジの施設。
「さあ、行くか」
「うん! 楽しみ~」
屋上の歩道を歩きエレベーターに向かった。
Sランカーの資格を持つ者だけが足を踏み入れることの出来る空間、321階層以上の
部屋の最上層
349階を押す。
『349機に到着いたしました』
無機質な機械アナウンスが流れる。エレベーターの扉が開き目の前には日焼けなのか黒
くて、マッチョでを極めたかのような人が黒スーツ、黒サングラスを装着して仁王立ち
している。カジノ全体が厳しいのか? や。Sランカーの層が厳しいのか……?
「ようこそ。マリーオサンズ・ベイへ……おや? 見慣れない顔だね。噂の新米プレイ
ヤーさんかね?」
「「はい」」
思わず硬直した状態で返事をしてしまった。人は見た目で判断してはいけないとはまさ
にこのことだ。見た目と違い優しい声でソードア○ト・オンラインのキ○トのような声
だったのだ。あまりのギャップに固まったし、追いかけられても恐怖を感じない気がす
る。
「まあ、怖がらないで」
「す、すまん」
「あぁ? なんだ? 俺を見て怖がってんのかぁああああ!」
「すまぁああああああん」
「ひぃ!」
「ごめんごめん。冗談だよ、冗談」
やっぱこいつこぇえええええええええええええええええええええええええええええええ
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ。
「それより私たちは有名なのですか?」
「カジノには独自のネットワークが存在するのですが大抵ランクを上げてきてここにた
いていの人は来ますからね」
エリシアは納得したようだ。それにしてもこのエリシアの冷静さをすぐ取り戻すのは俺
も見習わなければならないよな。
男の指示に従って登録をしフロア絵の扉をくぐった。
「広……」
「うるさすぎワロタ」
確かに、ゲーセンですらコインの出る音、機械音、叫び声、銃声音がうるさいのに比べ
物にならんぐらいさらにうるさい。あれ……? 犬のかっこ、メイドのかっこ、ウサギ
のかっこをしたひと? こんなかっこした人は町にもいたけどコスプレイヤーが多いの
か?
「新米さんだね。初めましてミナって読んで!」
「こんにちは……快人だ」
「私はエリシア。よろしくです」
俺たちに話しかけてきたのは俺と身長が同じくらいで、やせ型、パリコレにありそうな
ファッションセンスをしている女の人だ。
「勝負しない?」
「初めてなんで……それでも良ければ」
「「いいの!」」
エリシアまでみなとタイミングが合って驚いている。なんかその反応は嫌な予感しかし
ないけど、俺たちなら何も問題ないよな。
対戦するにあたり安心できるようにとステータスを見せてくれた。
体力 30
筋力 10
魔力 20
知力 30
耐力 10
敏捷 10
幸運 50
凶運 0
「なにこれ?」
「それよりステータス低すぎねえか!」
「海斗君??? ステータスは普通だよね?」
「怪君疲れてるの?」
「ああ……ごめん」
ありがとう、エリシア。ナイスフォローだ。そうだ、考えてみれば俺たちはイレギュラ
ーであって終えが普通なのだ。これぐらいの値は普通で100行く人すらそういるわけ
じゃないのだ。エリシアのおかげで助けが無かったら、俺はどんな目で見られていたの
だろうか……。
「エリシアちゃんが言ったのはこの運慶のことだよね?」
「あ、はい!」
「これは〈ニューステータス〉というスキルの効果だよ。賭博師で所持してない人は少
ないかな」
それを聞いて俺も納得した。ランカーチェックしてからカジノに来るもののカジノに限
らず自分の恋愛運、運、変態度など見てみたいのはわかるかもしれない。ものによって
はモチベーションにつながるものもあるだろう。
「話するのもいいんだけどポーカーできる?」
「「はい」」
「そっかぁ」
「苦手だったりします?」
「いやねぇ……むしろ得意だから申し訳なくて」
えーと、なんかすごいむかつっくのは俺だけなのだろうか?
皆さんが友達という人をもう2人ほど呼んで席に着いた。
「このゲームのディーラーを務めさせていただきます辰野です」
「オリジナルルール適用(二人のみ)を希望します」
その旨を皆さんが言ったときプレイ屋に確認がとられた(特に俺に)。
それは俺とミナだけが二人の間でのかけだった。そのかけたものは二人のうち順位が高
かったほうに渡される
俺はディーラーの指示に従い〈宝物庫〉を渡した。
「ではお預かりいたします」
「それ、価値なさそうじゃない?」
「ノープロブレム」
お~、お目が低い! そう言ったのは皆が連れてきた一人‘キルア‘だ。こんなところ
では言えないが国一つ動かせるほどの価値は持っているだろう。
「皆様は何を?」
「総ポイントで」
「 本当美よろしいのですか?」
なんだ? ディーラーの変な間と瑠璃、キルアはとても驚いている様子でミナのほうも
見ていた。何だろう? 本当に嫌な予感しかしないのだが……。
ディーラーから手札が配られゲームは始まった。
1回目 一位 ミナ 二位 快人 三位 エリシア 四位 キルア
2回目 一位 ミナ 二位 キルア 三位 瑠璃 四位 エリシア
3回目 一位 キルア 二位 瑠璃 三位 快人 四位 エリシア
4回目 一位 快人 二位 エリシア 三位 ミナ 四位 瑠璃
5回目 一位 エリシア 二位 快人 三位 瑠璃 四位 キルア
6回目 一位 快人 二位 エリシア 三位 ミナ 四位 瑠璃
7回目 一位 快人 二位 エリシア 三位 ミナ 四位 瑠璃
8回目 一位 エリシア 二位 快人 三位 瑠璃 四位 キルア
9回目 一位 快人 二位 エリシア 三位 ミナ 四位 瑠璃
10回目 一位 快人 二位 エリシア 三位 ミナ 四位 瑠璃
11回目 一位 エリシア 二位 快人 三位 キルア 四位 ミナ
12回目 一位 快人 二位 エリシア 三位 ミナ 四位 瑠璃
――数時間後――
ラストゲーム中盤。再遺書は空気などに飲み込まれてしまい俺らは順位を落としてしま
っていた。だが4回目以降からは俺たちの無双が始まった。
俺の番が来てカードを引く……キタぁああああああああ!




