第六話【接触!幼女】
幼女って素晴らしい! 見るだけで心を癒してくれる! 正しく俺たちのオアシスだ!
──そんなオアシスが、俺の目の前にいる。
「二人とも、大丈夫?」
幼女は寝ぼけ眼をこすりながらこちらに近寄ってくる。うるうるとした瞳。今にも泣きそうな高い声。ぴょんぴょんと跳ねるツインテール……。どれをとっても最高だ。神だ。本当の女神も近くにいるが、比べ物にならない。幼女最高!!!! 神様ありがとう!!! 俺は思わず土下座しそうになるのをこらえて幼女に笑いかけた。
「あ、ああ。大丈夫だよ。ちょっとお話してるだけだから……」
ヤバイ。こうして幼女を見るとホントにヤバイ。無防備だし穢れがないしいい匂いもする……。正直に言おう。今すぐに抱きしめたい。柔肌に触れたい。絶対に温かい。でも、俺のイエスロリータノータッチという信条を守らねば、た、耐えねばならんのだ。紳士で居続けなければ殺される! 主に同志たちに! 俺は必死にTシャツの裾を握り耐える。
「……?」
やめてくれ。その純粋な瞳でこっちを見ないでくれ。十数年間幼女との関わりが無かったのだ。そんな中で理性と本能が衝突したら間違いなく事故る。頼むからこっちにとてて、とか可愛らしい足音を立てながらこっちに来ないでくれ。なでなでしたくなる。
「お兄さん、本当に大丈夫? なんだかお顔が青色になってるよ……?」
もうやめてください、その可愛いお顔で覗き込んで来ないでください。俺の理性がダムのごとく決壊してしまいます。やめてください……。レティが「犯罪者予備軍め……」と言わんばかりの冷ややかな視線をこちらに向けてくる。俺はあまりにも辛い現実から目を背けるように顔を手で覆いつつ何度も頷いた。幼女は大好きだが、この状況は物凄く嫌だ。
「えぇ、えぇ。こちらの愚み……いや、お兄さんは大丈夫だから、お店でお父さんたちの手伝いをしてくれないかな?」
レティからフォローが入る。あまりにも惨めな俺を助けようとしてくれたのか、それとも妹を守ろうとしたのかは分からないが、とにかく助かった。すごく睨まれてはいるが、とても助かった。後で金を巻き上げられそうではあるけど、是非もない。死なないだけマシだと思う。
「そ、そうなの? わかった! お手伝いしてくるね~」
幼女の声が聞こえたのちに「ぱたぱた」という忙しない足音が耳に届く。恐らく幼女は下の階へと降りていったのだろう。先程レティが彼女にお願いした通りにお店の手伝いに行ったのかもしれない。いい子だ。
(ふぅ……とりあえず信条は守られたはずだ)
俺は顔から手をゆっくりと離してレティの方に向き直る。彼女は何か言いたげな顔をしていたが、「……朝ごはん食べましょうか」と一言だけ残し下の階に降りていった。あの幼女は多分レティの妹なのだろう、だとしたら先程の言葉は嘘で見守りにいった、とも言える。
──とりあえず、落ち着いた。
深く息をつき額に浮かんだ汗を拭う。いくら十数年間小さい子との関わりがないとは言えど、接触しただけでこんなになるとは予想外だった。不本意だが、非常に疲れた。……何もしていないのに一働きしたような気分だ。そのせいなのかやけに腹の虫が鳴く。確かに腹が減ったな。ここはレティの言葉に甘えて朝食を食べるべきなのかもしれない……。
俺は食欲に体を委ねて下の階へと足を運んだ。
何という暴走回……
小さい子は私も大好きです。