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虚ろのロトル  作者: 干物人間
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今だけは望郷と呼べず

 人集(ひとだか)り。人族(じんぞく)の都であるアカイアの名物といえば数多くの露店が立ち並ぶ市場だ。しかし、群れがなされたのは柵のような木々に囲まれた広場であり、気の利いたものなどなにひとつないただの草原であった。だからこそ選ばれたと言うべきか、集いの原因は場所などではなく、たった2人の人物であった。


「よぉ、…なにが鳥人族最強クラスだ…不完全燃焼どころの話じゃねぇぜ…」

「お前もノリ気だっただろ。僕だって拍子抜けしたんだ。だからお前を殴る」

「はっ、気持ちわりぃほどに奇遇じゃねぇか!やろう…」


 爆音が響く。竜人のグラームの顔から煙が吹き出した。空気を伝わせた魔力でグラームの唾液を分解して水素を作り出したところに着火。早い話が小規模の水素爆発だ。頬からは肉が千切れ、顎は垂れ下がり、喉は焼けていた。


「脳みそまで筋肉のくせに随分(ずいぶん)行儀(ぎょうぎ)がいいな」


 不意打ちでの重症を与えたロトルは悪びれもなく啖呵を切る。


「っ……っっ……」


 ぶら下がった顎とは相対的に視線は天を仰ぐグラーム。途端、猛然と前傾し、勢いに任せて下顎を上顎にぶつけた時には全ての傷が完治していた。グラームは前傾した勢いのまま地面を蹴り突進を始める。


「殺すっ!!」


 この2人の対決はここ、アカイアの土地では半ば名物となっていた。始めは大騒ぎとなったものだが何度もこうした喧嘩を重ねていくうちに見物客が集まるようになったわけだ。2人が同時刻に家から飛び出しては無言でこの広場まで向かうことがあったなら、それが合図となり得る。当然喧嘩の規模は喧嘩とは呼べず、それこそ小さな戦争のようなものなのだ。


 開幕前から相手の頭を吹き飛ばすなど正気ではない。が、しかし、市民も多少刺激に飢えていたと言うべきだろうか。普段は大人しい彼らも、賭け事が始まり、物騒な声援までも飛び交う。


 地を蹴ったグラームは一息でロトルまで詰め寄った。その勢いは衰えない。元より足を止めての打ち合いというのはグラームの本分ではないのである。巨体を活かした突進はまともに受け止めればただでは済まず、後方への回避も留まることを知らない突進の前では無意味だ。ここまで肉迫されてしまえば横への回避など腕を広げればそれで事足りるだろう。であれば必然逃げ道は上に限定される。しかしながら、ロトルはさも当然のように前に出た。自殺行為としか思えないその行動に誰もが目を伏せ息を呑む。


「よっ…」


 真っ向から突撃したロトルは小柄な身体を活かしてグラームの(ふところ)へと潜りこみ、気の抜けるような掛け声で上に押し上げた。


 空中で力を加えられたグラームはバランスを崩し反転するが、もう半回転を自ら加えることで見事に着地…した矢先には次の突進へと移っていた。半身(はんみ)の体勢から突き出していた左手を外に振るう。得意のダッキングで躱したロトルは続いてくるであろう右腕での本命に備える。


 案の定回転を活かしたままの右拳から無駄のないショートアッパーが放たれた。ショートアッパーとは本来的確に脳震盪(のうしんとう)を発生させるための技であるが、その常識はこの竜人には通用しない。全てが一撃必殺であることに加え巨体ゆえのリーチも相俟(あいま)って、生半可な受けでは対処しきれないのである。


「ォオオ!」


 獣の雄叫(おたけ)びと表現するには充分な気勢で放たれたアッパーは全力で後ろに飛び退いたロトルのバックステップで空振りに終わった。とはいえショートアッパーは最小の動きで繰り出す技だ。まだ余力が残されている。つかの間、なんとグラームは今現在軸足となっている左脚のみで加速。体勢を立て直したばかりのロトルに足の裏で蹴りを見舞う。流石のロトルもこれに回避という手段は取れず、足場もままなっていない現状でグラームと力比べをするわけにはいかなかった。すぐさま両腕を交差し、脚から力を抜き去る。故意(こい)に浮かせた身体は派手な低空飛行をすることとなった。


 容赦のない蹴りが炸裂し小柄な身体が10m程吹き飛ぶ。二転、三転、最終的に五回転したところでロトルは回転の勢いに合わせて跳ね起きた。ダメージは少ないが恐ろしいのはここからだ。前方、既にグラームの姿はない。巨体に見合わぬ瞬間加速は一度視線を外せば致命的な結果を生む。ロトルは弾け飛ばされた時から集中して用意しておいた魔法を発動する。


「あぁっっっ!!!!」


 普段の少年からは考えられない大声量。見物人たちも(たま)らず両の手で耳を覆った。鍛えられた肉体は発声という点においても常人のそれとは一線を画す。この叫びの本質は索敵のためのもの。以前使用した大気から情報を取り入れるものとは異なり、発した音波の領域で空間把握を行う魔法だ。発動から効果を得られるまでの時間が短いため瞬間的な情報しか得られないが、一対一の戦闘においてはその一瞬の効力を当てにしなければならない。


 広がった音波は瞬間的に周囲の空間を捉え、情報をロトルに伝達した。


「上…!」


 見上げた先には太陽を背にする大柄な影。珍しいことに魔法を使用してきたらしい。余程始めの挨拶が気に入ったようだ。打撃における最も基本的な魔法である強化と増幅。グラームは怪力無双とも呼べる壮絶なまでの膂力でそれらを必要とはしてこなかったが、使えないわけではない。魔法を使ったグラームと、同じく魔法を使ったロトルとでは魔法技量を上回るロトルでさえ力勝負には敵わない。増幅の魔法というものが乗数だとすれば、まっさらな状態での打撃威力は被乗数だ。彼の場合その被乗数があまりにも桁外れ。加えてグラームは──


「消し飛べ!」


──魔法が下手ではない。


 立て直したばかりの体ではどうにも回避行動を取れそうにもなかった。鍛えられた身体に一級品の魔法で身体能力を底上げしてもロトルの身体は人族の子供に過ぎないのだ。引力魔法での回避はギリギリ間に合わない。渾身の一撃で打ち合えば間違いなく身体が壊れるだろう。かと言って素手での防御に徹すれば最悪、いや、高確率で死ぬ。であれば少々気に食わないが魔法に頼る他なかった。


「僕は拒絶する者。斥力(せきりょく)障壁(しょうへき)展開」


 二小節の空想術式詠唱。かなり短い部類であるがロトルが詠唱を必要とするケースは多くない。


 空想術式とは術式──魔法式、命令式とも呼ばれる──を脳内で編み出し、魔法として発露し易いようイマジネーションで魔法の発動そのものを補強するというテクニックのひとつである。そのため例え同じ魔法であれ使い手によって詠唱文句に違いが出ることが多く、母国の言葉であったり、それ自体は感覚的で無意味な言葉であったりする。


 芸達者であるロトルが詠唱を必要としたのはそれが最速での発動であったことと、少しでも効果を増幅させるためだった。


 見計らった跳躍で迫りくるグラームが本気の一撃を振り下ろす。本来魔力そのもので編まれた盾を障壁と呼ぶが、この斥力障壁はその名の通り斥力、即ち反発する力を付与された障壁だ。どれだけ強力な一撃であろうとも届かなければ意味はない。しかし、流石と言うべきかグラームの拳は障壁に届いた。間違いなく減衰したであろう右ストレートとも呼べぬ振り下ろしは尚も馬鹿げた力で盾を叩き潰そうとする。


「…っむ!?」


 純粋な魔力である障壁はただでさえ大きな魔力を消費するが加えて斥力を発生させたままそれを維持し続ける必要がある。


 とはいえ物理攻撃とは瞬発的な力に過ぎない。グラームも無理矢理に押し込んだが、長いようで短い拮抗状態はグラームが弾かれる形で終わりを迎えた。


 互いに一度距離を置いて睨み合う。そうして、同時に凶悪な笑みを浮かべた。見物人達も手に汗握る展開から一転、ひやりとした悪寒が走る。


 この2人の共通点である、自らの強さを自覚するという悦び。強い敵と戦うのが目的ではなく、強い相手でなければそれを肌で感じられない。一歩間違えばどちらかが死にかねないような攻防の中で、スリルにも似た自己満足感にただ酔いしれた。


 先に動き出したのはロトルだ。いつも無感動な彼は決して大人しい訳では無い。こと戦闘における気性はさながら猛犬のそれだ。攻め込む動作を掴みずらい湾曲した軌道で不規則に駆ける。様子を窺う竜人は全神経でその姿を捉えていた。


 急なブレーキから恐るべき転換速度で横っ飛びのステップ。足を止めて少年は攻撃の構えを取るも竜人は一切惑わされることなく太い腕を薙ぐ。ロトルもまた一筋縄ではいかない。素早いステップでさえもフェイク。攻撃に転じると思わせた構えは新たな発進の予備動作に過ぎなかった。ロトルは手首をスナッピング。大気を圧縮させたものに発火させ3つの火炎球が、猛然と突き進むグラームの顔に着弾した。


 当然この竜人に対してこれほどに小規模な魔法は通用しない。せいぜい目くらまし程度が関の山であり、そもそもの目的がそのために使用されたのだ。


 ()(くぐ)るようにして身体を入れ替えるその時、器用に腰を捻ったロトルが素早い回し蹴りを見舞う。硬い鱗に覆われた上に分厚い筋肉が敷きつめられた背中ではあるが生物における背面から肺への一撃というのは間違いなく有効打足り得る。虚をついた上で目くらましまでした蹴りは確実に背中を捉えると思われたが振り回された尻尾に阻まれてしまった。


 竜人の感覚器というものは当然視覚だけではない。嗅覚、聴覚に至るまで人族を遥かに凌駕し、後頭部付近から生えた2本の角は触角としての働きも持つようで周囲の小さな機微に対し敏感に反応する。


 攻防は再び仕切り直し。どうして攻めようかと考えていたその時


「おぉまえたちーーーーー!!!」


 凄まじい怒号が響いた。この声は間違いなくマミズだ。これまた毎度のことだが、こうしてマミズからの叱責を受けることで、2人の喧嘩は中途半端に幕を閉じる。


「まじぃな」

「……ここまでだな」


 顎元の汗を拭う。幸い2人とも仕事でのフラストレーションはやや不完全ながらある程度解消され、冷静な判断能力を取り戻していたため方向性が決まってからは早かった。


「いっつも、いっっっつも仕事を増やしてーーーーー!!!」

「「逃げるぞ!!」」




 ※※※




「あ…」

「あ?」


 ロトルが何かを思い出したように零した。


「グラ…、今日は3月の何日だ…?」


 傍目に見ても焦っているのがわかる。この少年がここまで取り乱す事柄は全くといいほど思いつかないグラーム。


「あー…、確か26だな」


 そう聞いた途端ロトルは一気に発汗した。先程の激戦など比ではないほどに。しかもその全てが恐らくは冷や汗。


「……最悪だ…忘れてた…」


 どうやら何かを忘れて焦燥を感じているようで、その姿はまさに歳相応。教育学館──学校の様なもの──で出された課題の存在をすっかり忘却していた子供と何ら変わらない青ざめ方だった。


「なんかあったのか…? …ん?」


 珍しいものを見たと喜ぶ間もなく、思わず焦燥が伝達してしまうグラーム。(いぶか)しげに訪ねてみるも、大急ぎでポーチを漁り出すとハナシガラスと呼ばれる遠距離音声通信を行うための魔法道具を取り出した。


「マミズ!」

『ロトル!? そちらから連絡とは図太いやつだ…』

「マミズ、今すぐ休暇をくれ!10日だ」

『……は? なにを』

「いいから! 頼む! 休暇が終われば向こう二ヶ月間はなんの仕事でもやるから!」

『何かあったのか!? 君がそこまで取り乱すなんてただ事とは思えない。まさかグラームとの喧嘩で怪我を!?』


 全くの同感であった。ここまで切羽詰まったロトルはかれこれ1年程時間を共にしたグラームですらみたことがない。ちなみに怪我はないと思われる。腹立たしいことに。


「…っかに…」

『なんだって?』

「実家に帰らなきゃいけないんだよ!!」

『…………』

「…………」


 静まり返る。必死であることは伝わってくるが、何せ内容が内容だ。


『え、えぇと、実家…君の故郷といえば"ディバイド"だよな…。そこで何かあるのか?』

「そうじゃなくて…とにかく! 10日、少なくとも一週間欲しいんだ!」

『はぁ…、どういうわけだかわからないけれど、そもそも君には二ヶ月起きに10日間の休暇を与えるという契約内容になっているからな…。連続休暇期間としては監査員最長レベルだが、合計で言えば少し少ない方なんだし、局長であれば融通を効かせてくれるだろう…』

「恩に着る…。次の魔道列車はいつだ!?」

『お、落ち着いて。君の故郷は田舎だからなぁ…時刻表がこのあたりに……あった。一番早いのは、明日の午前6時からだな。乗り方はわかるんだろ』

「明日か…明日かー…もう今更か…」


 ひどく落胆した様子だ。顔色もあまりよくない。


『ま、まぁどちらにせよ手続きを今すぐにやったところで休暇が取れるのは明日からだろう。そんなことより何があったんだ…』


 当然気になって仕方がなかったマミズが再び問うた。


「……おっかない幼馴染みがいてさ…」

『おっかない…!』

「幼馴染みぃ…!?」


 グラームもマミズも耳を疑った。怖いもの知らずの生意気なお子様代表の様なロトルがおっかないと言った上にその相手が幼馴染みなのだ。


二月(ふたつき)に1度10日の休みを寄越せって要求を僕がしたのは間違いないけれど…その理由がそいつの言いつけなんだ……」

「で、なんだ。それでなんかが過ぎちまってんのか。確かに前の休みから少し遅れてやがるな」

『ちゃんと帰るんだから許してもらえるだろう?』

「いや、そうじゃなくて……」


 引き始めていた冷や汗が再び浮かび上がる。流石にもう慣れてきたのかグラームはそれを見てようやく可笑しそうに笑った。

「なんだ、馴染みっつっても実は兄貴分だとか親父見てぇなやつなのかぁ?」

「違う…家族……みたいなものではあるけど…一緒に住んでたし」




 ※※※




「おい、バカ竜…なんでお前ついてきてんだよ」

「いやぁ、お前が休みなら俺だって自動的に休みになっちまうし?やることもねぇしなぁ」


 ガタガタと揺れる魔道列車の車窓を無愛想に見つめるロトル。多少落ち着いてはいるが、張り詰めた空気が残っている。そのうえ1人で列車に乗り込んだつもりが気づけば向かいの3人分の席にドカリと座る竜人がいたのだ。


「たまには列車旅も悪くねぇってな!」

「そうじゃない。僕はなんでついてきてるのかって聞いてるんだよ!?」

「はぁ〜?たまたま行く場所が同じだっただけだろ。観光だよ、か・ん・こ・う」


 白々しくグラームは新聞を広げる。吹き出したのを見る限り四コマ漫画でも読んでいるのだろう。


「……何を見に行くつもりだよ。こっちは田舎だぞ。……グータラねぼすけがわざわざ早起きまでしやがって」

「おう、それが今しか見られねぇもんがあるらしくてよ。なんでも世界一陰気なガキが世界一の仏頂面をぶら下げてるらしい。どうもそれを見るにゃこっちに行くしかねぇみてぇでよ」

「……」


 安い挑発には乗らないロトルだが、いかんせん心の余裕がなかったため、無性に頭にきた。ここが広場であればたちまちにこいつの頭を吹き飛ばしてやったところだが、公共の交通機関内でそんなことをすればただでは済まない。いくらこいつが再生したり生き返ったりできるとしてもだ。


 魔道列車が大きく揺れた。当然、ロトルの身体も左右に揺すられる。


 魔道列車というこの長大な乗り物は文字通り魔力を使って動く代物だ。魔力というエネルギーは安定していないためこのような揺れが目立つ。近年では石炭などの採用も見込まれてはいるが、技術と支持者の不足で発達は亀の歩み程度だ。


 そもそも、魔力とは生命に宿るエネルギーであり、それ以外では魔鉱石、魔水晶等と言った特殊な資源に宿る。魔道と名のつく魔法道具の大半はこれらの自然素材を用いて動いており、生物から魔力を供給するよりも大きなエネルギーを使用できる。


 ただしこれらの魔力リソースは自然現象──と思われる──で結晶化されたものだ。砕いたり溶解することによってエネルギーとして取り出すことが出来るが、同じ資源であっても取り出すことのできるエネルギー量に差がある。そういった差が大きく上回った時に発生するのが先程の大きな揺れなのだ。


 生命が持つ魔力はさして多くはないが、こと調整という面において魔道道具より素人の方がまともな魔力操作ができる。生物における魔力とはあまりに感覚的なもので、初めはなんとなくしか感じられないものだが、そのなんとなくこそが重要なのだから。


 さて、故郷に着くまでにあと20時間はある。寝ていないとやってられないような時間だが、グラームのいびきの前では浅い睡眠に終わるだろう。仕方がないと、荷物から1冊の本を取り出す。それは何の変哲もないただのコメディーコミックで、少年はクスリと笑うこともなく黙々とそれを読み進めた。




 ※※※




 当然、コミック1冊程度では大した時間潰しにもならず、寝不足のまま故郷"ディバイド"に立った。


 (ぬる)い湿気の混じった空気が土の匂いを伝える。標高はそれなりだが、更に高い山々がそろそろ顔を覗かせてもいいはずの太陽を遮っていた。強い風で目元までかかった前髪が一気に煽られる。二ヶ月置きに帰ってきてはいるものの、この景色を前にすれば落ち着きと興奮とが一緒くたに駆け巡るのは、懐かしさからなのだろうか。


「で、お前ん家はどこだよ?」

「ついてくるな」


 とは言ってもどうせついてくるのだろう。ロトルはうんざりした顔で踏み出した。しかしながら目的地はそう遠くない。せいぜい歩いて10分の村…とも呼べないような集落だ。人口は243人。ここ2ヶ月ちょっとで多少前後したかもしれないが…。


「お、見えたぜ。あそこか?」

「僕にはまだ見えない。ついてくるな」


 背が高く視力もいいグラームはいち早く故郷の集落をその目で認めたようだ。そしてこの竜人、恐らくはロトルが見えないのをわかったうえでわざと言っている。


 多湿地帯特有のしなやかで太い幹を持つ木。名前は知らないのだが、春の終わりごろになると黄色い実をつける大きな木だ。木を追い抜くとその先には古びた家々が立ち並んでいた。


 嫌なことを思い出して頭痛がする。一歩。また一歩と近づく度に胃までもが痛み始めた気がした。そのうち、前方を歩いていた小男がこちらに気づき、呆気に取られたような顔で歩みを止める。無理もない。


「お、おぉ……ロトル、後ろの(やっこ)さん知り合いかい…?」

「ただのでかいストーカーだよ。気が短いから関わるなよ」

「よぉ、兄ちゃん。オラァグラームってんだ。少しの間ここに滞在させてもらうぜ」

「は、はぁ…それはどうも…。ゆっくりしてってください」


 村人は心ここに在らずと言った風に呆然と立ち尽くしたままだった。


 はぁ…。ため息が漏れる。遂にたどり着いてしまった。故郷にある我が家へと。木造の一軒家は湿気で少し黒ずんではいるが、なかなかに立派なものだ。重い首をようやくもたげて扉を叩く。


「る、ルイラ…いるか?」


 程なくしてトタトタという足音。同時に心臓がキュッと縮む音がした。


「はーい、お待たせしました。おはようございまー……す…」


 扉を押し開けて現れたのは可憐という表現の似合う少女だった。ロトルより目線が少し高い。簡素なハーフアップでまとめられたやや赤みがかった髪と、左目の泣きボクロが特徴的だ。通気性をよくするためか大きめのシャツと大胆に太ももを露出したズボン。猫の様に大きな瞳も加勢して活発な印象を与える。


「あんたねぇーーーーーーーー!!!!!!!」


 突然の彼女は絶叫した。少々薄い唇をいっぱいに広げて端正な顔を惜しげもなく歪める。ロトルは背筋の筋肉が硬直するのを感じた。


「わかってる!?これで二度目よ?にーどーめー!あの時アタシ遅れる時は手紙の一通でもよこしなさいって言ったでしょ?」

「わ、悪かった。ほんとにごめん…」


 捲し立てるような苦言にたじたじとなるロトル。柄にもないような謝罪を述べるも彼女の怒りは相当なようで収まることを知らない。かくいうグラームはこの状況を愉しんでいたかと言うと、否。


 グラームは身体中の主要な関節を緩やかに曲げ、その眼には力が宿っていた。言ってしまえば、臨戦態勢一歩手前である。


「あんたの仕事が危険だってことくらい教会の子供でも知ってるんだからね! そんなあんたから一切の連絡もなしに予定の期日が過ぎたら心配するでしょーが!」

「いや、今回は仕事が忙しくて…」

「言い訳しない!」

「わ、わかったよ…。……それとグラ、落ち着け」


 グラームはその言葉でようやく正気を取り戻した。微かに力の入った腕をぶらりと下げる。


「へ? あ、あらら? お客さん?や、やだ()ったら」

「客じゃないよ」

「ロトル…!」

「オキャクサンデス」

「…なんでぇなんでぇ、このクソ坊主が恐がる相手といえばどんなもんかと思えばめんこい嬢ちゃんじゃねぇか! 竜人のグラームだ。そのクソガキとは言ってみりゃ同僚だな」


 普段の調子で挨拶を交わすグラーム。認めたくはないが、ロトルより社交的といえよう。


「あっはは、ロトルがお友達を連れて来るなんて!ルイラっていいます。姓はありません。どうぞ入ってください」

「ルイラ…こんなでかいの入れたらうちが壊れかねない…」

「おう、遠慮なく入れてもらうぜ」


 ロトルの制止をどこ吹く風にグラームは扉をくぐり抜けようとした。当然筋骨逞(たくま)しい肩がつっかえる。なんとか身をよじって身体を入れ込むことで枠を擦り、音がしそうな勢いで通り抜けた。


「お茶をお出ししますね。ロトル、椅子の準備をしておいて」

「こんなデブが座る椅子なんてないだろ…」


 聞こえるか聞こえないかの声で慎重にボヤく。仕方がないので外に立てかけてあるはずの角材をとってくることにした。


「おい、さっきのはなんだ?」

「……なにを言ってる」

「とぼけんなよ。ありゃ魔法だろ?」

「……わかったのか?」

「わかんねぇよ?わかんねぇけどオレの鱗には魔法への耐性があんだ。特に今みたいな精神干渉魔法にはめっぽう強いはずなんだが…容易に貫通してきやがった」

「……」


 ロトルは何やら考え込んだ様子だ。細めていた目をゆっくり開き、グラームを見据える。


「精神干渉魔法じゃない。"精神感応(せいしんかんのう)魔法"だ」

「せいしんかんの〜…?」

「生まれつきだ。本人は能力を自覚していないし、それを知ってる人間も恐らく僕以外いない」

「まてまて、なんのこっちゃわかんねぇ。どういうことだ」

「理由は話せない。というか僕も断片的にしかわからない。ルイラは感情的になると、この魔法を無意識的に行使している」


 無意識の魔法行使とは、余程魔法との折り合いがよくなければ起こりえない。例えば楽器があったとして、その楽器をなんの修練もなしに奏でてしまうようなものだ。あまりにも突拍子がないと言える。


「いや、まぁそのあたりはどうでもいいんだがよ、精神感応ってのはなんのことだ」

「……まずお前が始めに言った精神干渉は相手の精神を弄ったり、記憶を盗み見たり、あるいはただ感じ取るだけのものだ。精神感応は逆…とは言えないが、簡単に言うなら自分の思いを相手に直接伝えるものだな」

「……つまり、お前に向けられた怒りが、その魔法の影響で周囲の人間にも直接伝えられちまったわけか」


 普段脳筋と揶揄(やゆ)して馬鹿にしてはいるが、案外と頭の回転は速い方だ。ただ考えることを放棄しがちなだけ。充分に問題であるが。


「そうだ。感情をそのまま叩きつけるような感覚には慣れないだろ。何年受けても、その理由を理解していても、未だ僕も慣れない。……まぁ、僕への効き目はなぜか特別大きいんだけど」


 拗ねたように口元をすぼめる。案外と可愛げもあるじゃないかとグラームはほくそ笑んだが茶化さず質問を続けた。


「しかしほかにも分かんねぇな。魔法ってのはわかったが、魔法であることを感じられなかったぜ」


 勘のいいグラームは受けた時点でそれが魔法による効果であるのかそうでないかを読み取ることができる。であるのに、魔法での影響を魔法であると認識できなかったのだ。にも関わらずほとんど勘だけでそれを暴いてみせたわけだが…。


「それは──」

「お待たせしました。……って、ロトル! ひとつも椅子用意できてないじゃないの。用意して待っててって言ったでしょ!?」

「そ、外の角材取ってくるよ……」


 慌てた様子で姿を消すロトル。標的そのものであるからか、はたまた別の理由からなのか、ロトルへの影響が特別大きいというのはどうやら嘘ではないようだ。


「ごめんなさいねグラームさん。あの子気が利かない子で」

「おうおう、気にすんな。いつものことだ」

「いつもああなんですね……。それにしても、おっきいなぁ…。身長、どのくらいあるんですか?」


 やかましい程の怒声を飛ばしていたとは思えない程の豹変に内心苦笑しつつも、混じりけのない純粋さに感心する。


「確か3m67…8だったか?」

「サンメートル!? ふわー…想像もつきません。おっきいっていいですね!」

「なぁに、都の方じゃ人族の娘は少し小せぇくらいがモテるって聞いたぜ。ま、嬢ちゃんはそんなの関係なしにモテそうだがな」

「え、えっへっへ…そうです? でもアタシ、怒ると怖いとか迫力があるとかって、そういう経験ないんですよ……」


 まぁ無理もないな、と一瞬目をそらすグラーム。しかしながら、生殖本能も性別も持たない竜人から見ても、ルイラの容姿は男性ウケするのが見て取れた。


「気にすんな。器のちいせぇ男ってこった。あっち()にいきゃ引く手数多ってもんだぜ!」

「竜人のくせにナンパかよ。そりゃあれか、捕食本能か?」

「ロートールー……!」

「いや、うん……なんでもない…」


 どうやら本当に歯が立たないらしい。納得いかないようではあるが、一切反抗する気配がないのだ。


「そういえばお茶で大丈夫でしたか?アガベのお酒でよければアルコールもありますけど」

「お、テキーラってやつか?いいねぇ!ま、今は茶を頂いとくとしようかね」

「そうですか、よければお帰りの際にでも持ち帰ってくださいね。山の向こうから贈られてきたものなんですけど、私1人じゃ飲みきれませんし」

「飲んでるのか…?」


 ロトルが不安気に訪ねるがルイラはツンとした様子で顔を背けた。


「だってアタシもう15歳だし?お酒もそんなに弱くないもん」

「いや、だってテキーラは普通の酒とは…」

「飲むって言ったって、寝る前にコップ一杯だけよ?シロップで割るし。いいじゃないそのくらい」


 オロオロと戸惑うロトルの様子からして、疑いようもなくルイラという存在は彼にとって特別であるのだろう。少なくとも互いが互いを心配する程度には。


「で、これからの予定はどうなってるの?」

「午前の内に墓参りに行くよ。その後は特に予定はないし畑仕事を手伝いにいく」

「そ、助かる。……まって、今お墓参りにいっちゃダメ!」


 慌てた様子で言葉を発したためか感情が伝播し、ロトルだけでなくグラームまでもが一瞬身をすくめる。


「な、なんで…?仕事なら後で手伝うけど…?」

「そうじゃなくて、お墓参りは悪くないんだけど、最近山の方に怪物が出てるの…!」

「怪物…?」

「怪物…!」


 この土地を知り尽くしたロトルは全く心当たりのない怪物という言葉を訝しそうに聞き返すが、グラームは一気に興味を(そそ)られた。


「アタシも直接見たわけじゃないんだけど…薬草を取りに行った調薬師さんのお弟子さんが亡くなった状態で見つかったらしくて…。実際に見たって人もいるみたい……。背の高い木と同じくらいおっきなカマキリみたいだったって……」

「デカい…カマキリ…」

「そりゃいいや、タダで泊めてもらうわけにもいかねぇと思ってたところだからな。対価としてそいつを仕留めてきてやるぜ」


 何やら思案顔のロトルを気にもとめず、グラームは上腕二頭筋を隆起させてアピールする。


「ダメですよ!?お客さんにそんな危ないことさせられませんし」

「待て、お前今しれっと泊まるって言ったか?」

「なに、暇つぶしみたいなもんだ。腕っぷしには覚えがあんだよ。このチビスケの10倍はつえぇぞ」

「なぁお前今泊まるって…」

「ロトルの10倍…で、でも、すっごくおっきくて危ないんですよ?」

「だーいじょうぶだよ。最悪でもオレの身体は死なねぇようにできてる。なんせ不死身だからな」


 マッスルポーズを変えて再びアピール。今度は背を向けて鍛え抜かれた広背筋を見けつけた。


「そうなの?」

「まぁ、一応…。僕より強いのはハッタリだけど」

「そゆこった。少なくとも、村の人間達で討伐隊を組ませたり都の方に応援を求めるよりずっとマシだぜ。つか戦いてぇ」

「無理はなさらないでくださいね……」


 やはりまだ懸念があるのか、ルイラは口では認めつつも渋々といった様子だ。グラームが以下に巨大であろうとも、背の高い木と並ぶかと言われればそうではないのだから、身を案じるのは当然とも言えた。


 ふと、朝日の差し込んだ窓を一瞥したルイラが「よいしょ」と年甲斐もない掛け声で腰をあげる。


「それじゃ、私は畑の方に行きますね。ロトル、あんたも無茶しちゃダメだからね」

「……わかった」

「早く済んだらそっちの手伝いも行くぜ」


 手際よくカップを片すルイラの手が止まった。ロトルのカップに注がれた茶はまだ半分も減っていないのだ。


「あんたさっきから何考えてんのか知らないけど、お茶!飲まないの?」

「ん、ああ、悪い。自分でやっとくよ。それと…」


 思案顔のロトルは声を掛けられて思い出した様に立ち上がると、下げられたカバンから何やら取り出した。


「これ、やる」


 手渡されたのは小鳥と(こずえ)の装飾が施された銀製の懐中時計だ。時計はただでさえ高価なもので、小型化されたポケットサイズの時計など更に値が跳ね上がる。それをまるで飴玉でも寄越すような仕草で渡されたルイラは強ばった表情だ。


「あんた…これ、なによこれ…?」


 それはどういう問いかけかと数瞬首を捻るロトル。しかしやはり当然のようにこぼす。


「……懐中時計だけど…?」

「そりゃ見ればわかるけど…これいくらしたの。や、そうじゃなくて、もーーー!なんなのよ一体!?」


 当惑のあまり怒鳴ってしまったが、これによって胸中の疑問がロトルに伝わってしまった。


「あ、ああ…遅れに遅れた誕生日プレゼントだよ…。それに、仕送りの金だって、ほとんど協会の方に寄付してるんだろ?なんなら換金したっていいさ」

「や、バカじゃないの?しないしない………。でも、こんなのアタシ使えないっていうか…つかわないわよ?守らなきゃいけない時間なんて私にはないし」

「じゃあ都の方に来る時にでも使えばいいさ。列車の時間も、都を歩くのにもあった方が便利だ」


 などとは言うものの、都に住む当の本人は懐中時計は愚か掛け時計すら持たない現状なのだが。


「そ…。ありがと。貰っとくわ…。でもあんた、肝心な言葉を聞いてないけど」

「肝心な言葉…?」


 全く心当たりがなさそうに腕を組むロトル。うんうんと悩んだ末にハッとしたように顔をあげ言い放ったのは──


「次は遅れないようにする」


 ルイラは怖い顔をして出ていった。




 ※※※




「で、チビスケ」

「?」


 妙な空気でルイラが去ったためしばし無言の2人だったが、その静寂を先に破ったのはグラームの方だった。空になったカップのハンドルに指をかけたまま脱力したロトルが視線で「なんだ?」と問い返す。


「その怪物だかなんだかについて知ってんだろ?どんなやつなんだよ」

「……心当たりはある。けれど僕がここに住んでいた時はそんな目撃情報は一切なかった」


 総領局(そうりょうきょく)局長(きょくちょう)のカロスに3年間の座学習得を命じられたロトルは、未だ途中ではあるが特別監査員として必要な知識の多くを身につけていた。怪物の情報について心当たりがあるのはそのためだ。


「でかいカマキリと聞いて僕が思い浮かべたのは、ケトゥン・シマ。主に原生大陸の方に生息するという知性種だ」

「知性種だぁ?すると、なんだ。言葉は喋れるし考える頭も持ってんのか」

「半分は合ってる。しかし奴らは言語を持たない」


 グラームは何がなにやらわからない顔だ。


「ケトゥン・シマ。オーク族の古い言葉で山の神という意味だ。さっきも言った通り、原生大陸の方での目撃情報が多いが、進化大陸(こちら)側にも稀に報告がある。しかしどちらをとっても今ではかなり少ないけどな」

「へぇ、じゃあレア物なわけだ」

「……まぁ個体数が少ないという意味では間違ってはないか。環境適応力は高いが、山の神と呼ばれるだけあって標高の高い山を好む。非常に好戦的で魔力耐性も高く、外殻は鉄のように硬い」

「まてまて、なんかお前のそれを聞いてっと余計に知性種だなんて思えねぇぞ」


 長々とした言葉にしびれを切らしたのか、グラームが待ったをかける。


「整理して話そう。まず、ケトゥン・シマは知性種ではあるが法に守られる程の文明を築いていない」

「ほーん、ただ、考えるだけの知能があるってこったな」

「そうだ。彼らには知性がある。そう高いわけではないがただの動物というには低すぎないかなり微妙なラインらしい。加えて、言語を持たないだけならまだよかったが、非常に縄張り意識が強く、闘争に寄った思想を持ち、知性があることに関しては経験し、対処する方法を導き出すことから判断されたらしい」

「なるほど、じゃあ、危ねぇやつなんだな?」


 この結論を待っていたと言わんばかりのグラームが牙を剥き出しにして笑った。これには無関心を装っていたロトルも口角をあげてしまう。


「ケトゥン・シマはルイラの言うように大型のカマキリのような外見で、その全長は優に8mを超える。全身鎧のような外殻に覆われ、外見に寄らず身軽で素早い。気性も非常に荒く、原生種の村が半壊させられた例もある。その危険性から発見次第の報告及び討伐が命じられていて、特別監査員の僕がこの情報を知り得ているのも、討伐指令が下る可能性もゼロじゃないからだ」

「あー、なげぇなげぇ。知性があるから殴っちゃいけねぇなんてことはねぇんだろ?」

「冗談じゃない。報奨金さえ出るさ。最悪、村の方も危ないからな」


 語気を強めたロトルの顔つきは、いつもの戦闘を待ち望むそれとは異なり、確たる排除を誓ったものだった。


「準備ができたらすぐに出発するぞ」

「オレが準備なんざしたことがあったか」

「遺書でも準備したらどうだ」

「はっ!そんじゃお前は逃げ帰る準備をしてろよ」


 軽口の応酬という、戦いに臨む姿勢の準備を整え、2人は扉を(くぐ)る。








 グラームば再び扉の枠につっかえた。

虚ロト4話、ご覧下さりありがとうございます。

今回大変更新が遅れまして誠に申し訳ありません。


ただでさえ更新が遅いこの虚ロトですが、この度サブストーリーの連載を開始することになりました。本来本編に挿入したかった回想シーンや裏話等を「虚ろのロトル〜サブストーリー〜(仮)」として連載していきたいと考えています。


短編の連続での連載を余儀なくされる都合上、どうしても読みやすさを考慮して削っていった部分を作者の趣味で書き起こすこととなりました。(ただでさえ1話あたりの文字数が増えてきてたり…)サブストーリーではロトルやグラームといった主要人物以外にスポットを当てていきたいと思います。もちろん、前者の2人も登場しますが。


それではこの度はここまでに。これからも虚ロトをよろしくおねがいします。最後にここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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