(政治ネタ注意)共謀罪対策会議
こんな、作品を投稿する場合に、立場を明確にしないのは、卑怯と思うので、明確にします。
私は、現時点での共謀罪には賛成する立場です。
ただし、次のような弊害が起きた場合は、あっさり意見を翻します。
・逮捕または拘束された容疑者の情報が、隠蔽されるような事態が起きた場合
・刑事訴訟法の手続きを簡略・省略するような事態が起きた場合
・テロリスト、過激派、暴力団は取り締まって下さい。でも、どう説明されても、そんな人間じゃなさそうな人に適用した場合
・国会内の政治勢力を倒す手段として利用した場合
共謀罪反対派が唱えるほど、真に深刻な悪用があった場合は、反対の為に(法律的ではなく)物理的に可能な如何なる手段を行使するのも「良し」と考えます。その上で、今はこの法律があった方が良いと考えています。
日本のとある会議室、何人かの男女が集まって、秘密の会議が開かれた。彼らは、40年前には、幅を利かせた武闘派革命勢力。ただ、最近は目立った事件も起こせず、世間から忘れ去られ、組織の弱体化に苦しんでいる。
「ついに、最悪で極悪の悪法、共謀罪が成立した。真っ先に標的にされるのは我々革命軍だ。同志諸君、今日は活発に意見をお願いする」
「特に、此れまでと変わり無いのでは? 公安が法律無視の違法捜査をするのは変わりない。
こんな法律が有ろうが無かろうが、あの反動勢力の動きが変わる訳は無い」
「そうじゃない! 反動勢力の中でも、まだ我々に協力的だった、核新勢力が萎縮するのが、問題だ。
奴ら、コウモリ達が、共謀罪に怯えて、カンパを渋ったり、密告したりという事態が頻発すれば、組織へのダメージは計り知れ無い。
先日、某同志が捕まったキッカケが、金欲しさの裏切者だと、忘れた訳じゃなかろう」
「しかし、核新派は、俺らの仲間じゃない。共謀罪適用外だろ?」
「反動は、法律を無視すると、さっき言っただろ? 何を聞いてたんだ! 核新派に近いコメンテーターの発言を見れば判るだろ? 奴ら、反動の違法捜査にビビりきっている。『萎縮、萎縮』って、火の玉になって闘う気概を欠片も感じない。
こんな法律が出来た以上、反動に日和ると断じて良い。元々、仲間じゃ無いんだ」
◇ ◆ ◇
同じ頃、警察庁の奥の院、警察官僚の幹部達が、秘密の場所で会議を開いていた。全員完璧なアリバイ工作をした。真に極秘の会議だ。
「判っているとは思うが、今後この件で連絡を取り合う事は無い。あくまで、独立して適正手続きで捜査を進めた事にする。
兎にも角にも、国民に、共謀罪が有益な法律だと支持して貰うのが第一だ。
ほんの少しの隙を見せただけで、捜査に制限が掛けられる。
政治家は、全くあてにならん事は、何度も煮湯を飲まされて痛感しているだろ?」
「今回の指示も、選挙目当てがミエミエの非現実的な話ですからねぇ〜。
次の選挙までに、国際テロリストを捕らえて、共謀罪の必要性を示せなんて……野党が反対したのは、テロリストを匿う為だったと、印象操作したいんでしょうね」
「兎に角、今回は弱っている敵から叩く。第一は革命軍、第二は内紛中の恐喝団。そして、暫くは共謀罪が無くても逮捕可能な犯罪者に限定する。
悪い奴らを捜査する為のツールとして馴染んで貰う事を優先する。
俺らが何も言わなくても、核新派シンパのコメンテーター達が宣伝してくれる。『共謀罪は怖い、怖い』てな。それで、国民は共謀罪に馴染んでくれるさw」
◇ ◆ ◇
同時期、国際テロリストが持ちたる国の片隅、ボスと腰巾着が短い会話をした。
「日本で共謀罪が成立した様ですが、どうしましょう」
「無視だ。
日本での資金集めとマネーロンダリングはそのまま進めろ」
「ボスも人が悪いw せっかく、敵意剥き出しに、法律作ったんですぜw 少しは可愛がってやりましょうやw」
「無駄だ。
あんな真剣味が足りない国、俺らの神聖な使命を曲げる必要などない。全くナンセンスだ。
あぁ、そうだなぁ。『日本人も標的だ』ともう一度アナウンスしておけ。それだけで、騒ぎになって俺らの存在感が増すだろう。可愛がるならその程度でよい。無駄な金や人手を使う必要ない」
◇ ◆ ◇
かくて、国会とマスコミの大狂乱をガン無視して、関係者はそれぞれ全く違う方向に走り始めたとさ。
念の為に、これは作者の妄想であり、現実を反映したものではありません。
特に、警察の方、不快に思われたらごめんなさい。