第九話「郷帰り」
「郷帰り」
「にしても相っ変わらずつまんな〜い街だな〜。カジノひとつないなんて・・・。あるのは研究所ばっかじゃん!!」
ゴールドは何を言っても返事ひとつ返さない相棒とこの何の面白みもない研究者の街ジスニアの様子をみて思わず愚痴をこぼした。
さっきから何度あいさつをしても、なんと話しかけてもナイトは返事ひとつしない。
これでは、ただでさえつまらない視察が余計つまらなくなる。
ゴールドはイライラする心を落ち着けるためか、煙草に火をつけた。
「いいかい??ナイト。僕はここに残る。君が街の視察をしてくるんだ。何かあったらここに戻ってきてね♪でもね、何があっても人を殺しちゃだめだよ!!君への今回の任務はあくまでこの街の視察。まあレディを助けるとかなら仕方ないけどね☆身寄りがない人とか見つけたらここにつれてきてね。じゃ、いってらっしゃ〜い♪」
ゴールドはハイテンションのくわえ煙草でナイトを見送った。
しかし、内心ではナイトが街中で人を殺し、騒ぎにならないかとても不安だった。
だが、ゴールドの心配をよそにナイトはきちんと言われた通り人を殺さず、困っている人を助けながら順調に街の視察をしていた。
街の様子を見ながら今度はガムを取り出してゴールドは、このままの状態でナイト帰ってきますようにと願いながらのどかな街の午後を見ていた。
しかしそのとき、ゴールドの恐れていた事態が起きようとしていた。
「おいおい、お譲ちゃん、パパはどこにいったかって聞いてんのが分かんねーのか!!」
「いい加減にしねーと今度はお前をしばくぞコラ!!」
なにやら穏やかではない声を聞いたナイトが声のするほうを見た。
そこにはマフィアと思われる強面の男たちがちょうど自分と同い年くらいの女の子に怒鳴っている様子が見えた。
「ターゲット、発見。」
ナイトはそういうと彼らの元へと近づき、彼女を殴ろうとしていた男の手をつかんだ。
「なんだ??このガキ!!俺らとケンカしよーってのか??上等だ!!この嬢ちゃんもろどもブッ殺してやるぜ!!」
そういうとその男がナイトに殴りかかってきた。