第三話「バケモノ同士の決闘」
「バケモノ同士の決闘」
「じゃぁ戦う準備しなきゃね。1時間後に下の階のスタジアムで待ってるね。ちょっと時間は短いけど、武器の調整くらいならできるだろうから。」
そういってゴールドは準備室にこもった。
少年は調整くらいどこでも構わないというようにその場に座って剣の手入れを始めた。
両者のどちらにとってもこの1時間は非常に早く感じた。
あっという間に時が過ぎ、「その時」がきた。
ゴールド、少年ともに10分前にはもうスタジアムにきて武器の最終チェックをしていた。
少年は落ち着いた表情をしていたが、内心ゴールドの持っている武器をみてどぎまを抜かれていた。
斧だ。それもとても巨大である。目測だが、ゆうに400キロはありそうである。
普通ゴールドぐらいの体格では、通常の斧でも扱うのは非常に困難である。
それも、彼の扱う斧は40キロ級と重さも大きさも常識はずれである。
だがその斧をあえて扱うのだからよっぽどの実力があるのだろう。
少年はそんなことに感心しながら自分の武器の手入れに力をいれた。
だが、武器に驚いたのは彼だけではなかった。ゴールドも少年の使う武器をみて驚いた。
剣は剣でも彼の背丈よりも大きいロングソードである。しかも彼の扱う剣は両手片刃剣、刀のような形のアレである。両手片刃剣は扱いが相当難しい。
無論普通は到底彼のような小さな少年が扱える代物ではない。
それを当たり前のように振っている彼をみてゴールドも感心していた。
「審判はロッドにやってもらうから。君の剣が僕に触れた時点で君の勝ちだよ。君は戦えなくなるまで負けにはならないから安心してね♪」
ゴールドはいつもどおりのテンションの高い声で試合の説明をした。
少年は黙ってゴールドの説明にうなずいた。
「おい、早く始めるぞ。位置につけ。」
待ちくたびれたロッドがしびれを切らして二人をうながした。
「わかったよ〜。怖いな〜ロッドは・・・」
ゴールドは愚痴をいいながら位置についた。しかし、位置についた途端、急にファイターの表情になった。
少年も位置につくと少年のあどけなさは消え、騎士の顔になった。
ロッドは二人の変わりように驚きながらも
「準備はいいか??」
と声をかけた。
「おっけ〜☆」
とゴールドがハイテンションで答え、少年は黙ってうなずいた。
その返事を聞いてロッドが「レディ??」と声をあげると二人はにらみ合った。
「ゴー!!」の合図で二人は同時に地面を蹴り、飛び出した。