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第二十五話「思惑」

                    「思惑」



研究者の町ジスニア・・・

ここでは有能な研究者たちが、日夜研究に精を入れる場所である。

ここの騎士団に、グローナルに居る国王から一通の手紙が届いた。

その手紙には、ジスニアの騎士団に対する批判がびっしりと書き込まれていた。

その手紙から見て取れるように、国王は相当腹を立てているようだった。

その手紙を読んだ、この騎士団の団長と思しき人物がぽつりとため息混じりにつぶやいた。

「国王陛下・・・。言いたい放題ですね。我々を役立たずと言い切りますか。」

「ウィレム様・・・。私は、そのような言葉はお気になさらなくてもよろしいかと思います。ウィレム様は十分頑張っておられますよ。」

一人の部下がウィレムを慰めようと言葉をかけたが、余計逆上させてしまったようだ。

「それでも国王陛下の役に立っていなければ、何もしていないのと同じですよ。それもこれも、あのゴールド・スターが私の場所を奪ったせいです。あとあの榊騎士とかいう悪魔が国王を洗脳しているせいだ。許せませんね。でも・・・」

そういってウィレムはまた、深いため息をついた。

「結局、彼らのほうが仕事ができているということですかね。これだけ離れていれば、あちらの様子を知ることでさえも困難ですから。それにしても困りましたね・・・。」

ウィレムはぶつぶつ言いながら練兵場をうろうろ歩き出した。

「何にお困りなのですか??」

部下がすかさず質問する。

その質問にウィレムが静かに答えた。

「このままではあのゴールド・スターや榊騎士に国王の信用までもとられてしまします。こうなったら奥の手ですね。」

そういうとウィレムは静かに笑った。

「とっておきのスパイを用意しましょう。とっておきのね。危険の目は早めに摘んでおくべきなのです。」

そういってウィレムは一人の女性を呼んだ。


三日後・・・

グローナルの騎士団のロッドのもとに一通の手紙が届いた。

珍しくジスニアの騎士団からである。

ロッドは不審に思いながらもその封を開けた。

その手紙の内容は、一人の研修生を送るから面倒をみてくれ、というものであった。

ジスニアからの手紙にしては、えらく普通の内容である。

ロッドはますます首をかしげた。

するとその様子をみたゴールドが、風のような速さでやってきた。

「何々??何見てんの??ラブレター??モテモテじゃん!!僕にも見せてよ〜♪」

「違う!!勝手に妄想するな、変態。ジスニアの騎士団から使者を送るって書いてあるんだ。でもどうも怪しいな。何かあるんじゃないかって思うんだが・・・。」

ロッドはゴールドに丁重なつっこみを入れた後、勘のいい彼に聞いた。

ゴールドはその内容を聞いて少し考え込むような仕草をみせたが、すぐに答えた。

「君はホントに心配性だね。きっとその心配は杞憂になると思うよ。あのヘンタイだってたまにはまともなこと考えるってことさ。それより、いつ来るの??その使者って。」

「一ヵ月後だけど・・・。」

「そんじゃ、たまってる仕事片付いたら準備しなきゃね。」

「ああ・・・。」

ロッドは、珍しくあっさりとジスニアを信用したゴールドの態度に疑問を感じながらも、そのときは彼に合わせた。

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