第十八話「悲しい過去」
「悲しい過去」
ナイトとれいなはテレパシーの報告の為、ゴールドの部屋へ行った。
ドアをノックするとゴールドが葉巻をくわえてめんどくさそうに出てきた。
「ああ、終わったの??ご苦労さん。さあ、上がって。」
ゴールドにうながされ、ナイトとれいなはゴールドの部屋に上がった。
ゴールドは早速テレパシーの結果を聞いてきた。
「で、どうなの??何か聞き出せた??」
「ああ。」
彼の話によるとどうやら彼女の家は父、母、れいなの3人暮らしだったらしいという。
しかし、父親が闇金融から莫大な借金をして蒸発。
母親はその見せしめとして彼らに殺されたのだという。
彼女の声が出ないのは、母親が殺されるのを目の前で見てしまったためのトラウマせいであったらしい。
ナイトは彼女から聞き出せたことを正確にすべて話した。
「そうなんだ〜。ということは蒸発した父親が唯一の身寄りだってことか〜。何か、ホント穏やかじゃないね〜。で、父親の名前は??」
「駿だ。清鐘駿。」
「すぐるちゃんね、わかった〜。すぐるちゃんは僕が探しとくね。見つかるまでは引き続き君の部屋におくしかないね。20日も空けたんだから今度はきちんとみるんだよ!!」
ゴールドは葉巻を吸いながら言った。
「わかった。ではそういう方向でいこう。れいなもそれでいいな??」
ナイトは彼女の手に触れるとテレパシーで意見を求めた。
彼女は笑顔でその手をとって言葉を伝えた。
「うん。またちょっとの間よろしくね、ナイト。名前呼んでくれてありがと♪」
ナイトは自分にしか聞こえない彼女の声を聞くと、照れくさそうに彼女にむかって微笑んだあと、顔を戻してゴールドのほうに向き直った。
「了解だそうだ。父親が見つかり次第連絡をくれ。」
「はいはい。なるべく遅く連絡するよ。お別れは寂しいだろうからね〜。全く、何聞いたか知らないけどラブラブ過ぎて目も当てられないんだから〜。」
「では失礼する。」
「はいはい。否定しないのね。バイバ〜イ。」
ナイトとれいなは一礼するとゴールドの部屋を後にした。
ゴールドは彼らを見送った後捜索部隊に連絡を入れた。
「捜索コード0001、名前清鐘駿を直ちに捜索せよ。」