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第十七話「想いのテレパシー」

                    「想いのテレパシー」



20日の住み込み修行を終えてナイトがグローナル城に戻ってきた。

誰かのために何かをしようとすることというのは必ずしも人を成長させてくれるものである。

20日間の修行を終えて帰ってきたナイトの顔はより一層引き締まり、男の顔になっているように思えた。

ゴールドの部屋のドアをノックするとれいなが出迎えてくれた。

れいなはナイトの顔を見るなり目を輝かせ抱きついた。

「ただいま。聞いてくれ。俺はテレパシーが使えるようになった。だからお前はもう無理をして話せるようにならなくてもいい。」

それを聞くと彼女は満面の笑みでナイトに感謝の意を伝えた。

ナイトもそれに答えるように微笑み返した。

「へぇ〜!!君、テレパシーなんて大技使えるようになったんだ〜!!すごいじゃ〜ん!!愛する女のために頑張ったんだね〜。じゃあ僕の心を読ん・・・。」

「では早速俺の部屋に戻って試してみよう。いくぞ。」

ナイトはゴールドを無視してれいなをつれて部屋を出て行った。

「なんか最近シカト多くないっすか??」

ゴールドは一人でむなしくつぶやくとロッドの邪魔をするために電話をかけた。


ナイトの部屋につくと早速二人はテレパシーを始めた。

彼は目を閉じて氣を手のひらに集中させることに集中した。

彼女はそんな彼の様子をじっと見つめていた。

「では、始めるぞ。」

彼女は小さくうなずいた。

彼は彼女の手を静かにとると、意識を集中させた。

すると蚊の泣くようなかすかな声がナイトの頭の中に響いた。

これがれいなの声なのか、とナイトは感動を覚えた。

よく耳を澄ませてみると確かに言葉が聞こえる。

「これ、ちゃんとナイトに聞こえてるのかな??」

その声にナイトは優しく答えた。

「ああ、ちゃんと聞こえてる。美しい声だな。」

「うわ〜、ちゃんと聞こえてるんだ〜。嬉しい。でも、なんかドキドキするな〜。しかもきれいな声っていってくれた〜♪」

その声を聞いてナイトは思わず笑った。

なんて純粋でカワイイことをいう女なのだろう。

ナイトは、れいなの瞳を見つめた。

れいなも、ナイトの瞳をみつめた。

そのとき、彼は彼女の手を握っていた手を彼女の肩にうつすと彼女の唇を奪った。

彼女は彼の意外な行動に驚きながらも嬉しそうにはにかんだ笑みを浮かべた。

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