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第十六話「お泊り」

「お泊り」



外見のボロさとは似ても似つかないくらい、家の中はきれいに改装されていた。

中には試験管などの実験道具が棚にきれいに整頓されて並べられている。

研究室の奥のほうの小さな扉をくぐると、「タタミ」と呼ばれるものが床にびっしり敷き詰めてあり、頭上にはなぜか、とてつもなくリアルなカメムシの形をしている電気がある部屋についた。

リオはナイトに「ちゃぶ台」の周辺に座るようにすすめると、お茶を入れてくるといって研究室のほうに消えていった。

「質素」というのはこういうことをいうのだろう。

ちゃぶ台以外はほとんど何もない部屋である。

ナイトはその異様な部屋でそんなことを思った。

しばらくしてリオが何やら変な煙の出ている液体をもって戻ってきた。

「さあ〜、どうぞ〜。お茶で〜す。」

「ありがとう。なるほど、お茶というのは青緑色をしているのだな。」

「そうで〜す。緑茶で〜す。」

「緑茶か。発酵していないお茶は初めてだ。さっそくいただこう。」

ナイトはその異様な液体を一口飲んで、話を始めようとしたが、あまりの味に言葉が出なかった。

それを察してか否かリオが話を始めた。

「さて、では早速この資料をご覧下さ〜い。これはテレパシーを使う上で必要になる氣功の集め方を書いた資料で〜す。手の平に氣を集中させ、被験者に触れることで初めて被験者の心を読み取ることができるので〜す。」

「氣功か。それで、どうすれば氣功が使えるようになるんだ??」

「氣功には、陰と陽の2種類の氣が存在しま〜す。陽の氣を集めるためにはこの資料に書いてある体操を太陽の下で行う必要がありま〜す。そして陰の氣は深夜に一人で墓場でこの体操を行う必要がありま〜す。」

「墓場??何かの間違いではないのか??」

「本当ですよ〜。でも嫌なら私は別にいいのですが〜・・・。」

「いや、やろう。」

「そうと決まれば早速やりましょ〜う。あ、それと氣を集めるのは非常に時間がかかりま〜す。なのでしばらくあなたはここにお泊りする必要があるんですね〜。もしよければここに住んでしまってもいいのですが〜。」

どさくさにまぎれてリオはまたナイトをここに住むように勧誘している。

しかし、ナイトはそれを見破って返事をした。

「そうか。わかった。住みはしないが泊まりはしよう。しばらくお世話になる。」

「そうですか〜。残念で〜す。わかりました〜。」

こうしてナイトの住み込みのトレーニングが始まった。

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