第十四話「知り合い」
「知り合い」
確かにれいなと過ごす日々はナイトにとって少なくない安らぎを与えているのは確実だった。
しかし、そうやって楽しく過ごしているだけでは、ゴールドやロッドから言われた「彼女のことを聞き出す」という任務をこなしているとはいえない。
ナイトは考えた。
話すことのできない彼女からどうやって「彼女の事情」を聞き出そうか。
考えた末思いついたのが「テレパシー」の応用だった。
テレパシーを使えば、彼女が話せなくても、彼女に触れるだけで彼女の考えていることがわかるのである。
さっそくナイトはゴールドの元を訪ねた。
「任務のことだが、テレパシーを使おうと思っている。お前の知り合いで、テレパシーに詳しい奴はいないか??」
ゴールドは、せっかくの一服の時間を邪魔されて不機嫌そうに答えた。
「んんっ??ああ・・・、それならリオ・ランゴットってやつを訪ねるといいよ。あいつ変人だけどテレパシーについては詳しいから。それにしても君は彼女のことになるとホント真剣そのものだね〜☆」
「そうか。わかった。そいつはどこにいるんだ??」
「ジスニアだよ。れいなちゃんとあったあの街。」
そういってゴールドはペンのキャップを口でとると、紙に地図を書き出した。
さすが、グラウンド・マジックの達人というだけはある。
ゴールドはリオの家の周辺の地図をあっという間にすらすらと書き、それをナイトに渡した。
「はい、これ。この通りに行けばつくよ。」
「わかった。ありがとう。」
するとゴールドは目を見開いて
「あ、ありがとう!?君の口からそんな言葉が聞けるとは思わなかったな〜。やっぱ、男ってのは女がいると変わるもんだよね〜。」
とニヤニヤしながら言った。
しかし、ナイトはそれを無視し、一礼して練兵場を出て行った。