生存
「うっ…」
どうやら、意識を失ってたようだ。
辺りに立ち込める粉塵により咳き込みながら、周りに誰かいないか俺――天上海斗中学3年――探した。
「げほっ…チッ、誰かいないかー!!」
すると、
「ここだー!」
と声がした。
目を凝らすと、一人の男が走ってきた。
それは筋肉隆々の男――大島秀樹中学3年――だった。
「ヒデ、生きてたか」
「そんなに簡単に死なねーよ」
「まぁそうだな。ところで他には?」
「確か、このクラスではお前と明人と美香と優衣位かな」
「じゃあ他は…」
「…少なくとも5人の遺体は確認した」
「…」
「まぁ、今は生きていることを喜ぶんだな」
「あぁ、しかし大きかったなあの地震」
「その事だが…」
「どうした?」
「さっきラジオで聞いたが、世界中でほぼ同時に発生したらしい」
「せ、世界中でか?」
「あぁ。アメリカは壊滅的らしい」
「…マジかよ」
「しかも日本では、北海道、東京、静岡、大阪、広島、長崎、沖縄が震源になっている」
「…もう日本は死んだか…」
「あぁ、あの〝東日本大震災〟の時より酷いから、もし復興しようとしても俺たちが生きてるかどうか…」
「…とりあえず安全な場所を確保するぞ」
「わかった、とりあえず食料はある程度確保してある」
「あぁ、ここら辺で安全な場所は…」
話しながら外に出た時、俺は言葉を失った。
倒壊したビル、燃えている家、へし折れたスカイツリー、あちこちで煙が上がり、空を暗くしていた…
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