幕間✤1
『魔法っていうのはね、なんだってできる。ただし、自分が上手くイメージできなければ駄目なんだ。強い想いが月の魔力と結びついて願いを叶えるんだって』
『魔法って誰でも使えるものなの?』
私はそんなことに興味があったわけではなくて、この話をしている時に兄様がいつになく生き生きとして楽しそうだから会話につき合っていただけだった。
『いいや、生まれ持った素質というか、その血筋じゃないとどんなに頑張っても魔法使いにはなれないんだよ』
『魔法使いってどんな人なの? 見た目も私たちとは違うの?』
『見た目は変わりないかな。そうだ、僕たちのご先祖様だって魔法使いだったと思うんだ』
得意満面な兄様に私は首を傾げたくなった。その根拠がわからないから。
『どうしてそう思うの?』
『えっ、どうしてって、家にこんな本があって、魔法の存在を忘れないように守っているんだもん』
『絵本よ?』
『絵本でも』
私は、自分が魔法使いだなんて感じたことは一度もない。
もし魔法が使えたなら、他人の心を憶測で判断するなんてこともなく、覗き見て知ることができたのかもしれない。そうしたら、こんなに悩まないで済んだのだろうか。
――ただし、もし本当にそれが魔法でできたら余計に、はっきりとした答えを知ることを恐れたかもしれないけれど。




