底辺作家になろう――「なぜ、こいつは書くのをやめてくれないのか?」という読者の疑問に、全力で答える。
底辺作家の気持ちが知りたい、そんなあなたの疑問に答えるべく、筆を取りました。
万が一、あなたが「底辺作家になりそうだけど、どうしよう?」とか「既になっちゃったかも」とか思って悩んでいたら、是非、このエッセイで下には下がいると思ってください。
当方のスペックです。
底辺なろう作家歴:一年(祝!)
小説執筆歴:一年
ラノベ読書歴:ゼロ
メンタル:ギャル
既にただのカスの様相を見せておりますが、「とある底辺作家のリアル」だと思って、黒目を小さくしてご覧いただければ幸いです。
当方は、なろうの大人向けサイト「ムーンライトノベルズ」で執筆しているど素人底辺作家です。こちらのサイトをご存じない方の為、簡単に説明させて頂くと、要は「成熟した女性向けのロマンチックな小説投稿サイト」という位置付けになっています。
なぜ、当方(以下、私)がこのサイトに投稿しているかというと、「ちょっと変わった恋人同士の話が書きたかったから」なのですが、まあ、大爆死に次ぐ大爆死を遂げ、立派な底辺作家として成長を続けています。
ここで、ご注意いただきたいのですが、本家「小説家になろう」と異なり、「ムーンライト」の方は大人の読者しか来られません。ですので、酷い感想がつくようなことは極めて少なく、逆にポイントやブクマは付きやすい傾向があるそうです(ネット調べ)。
雰囲気は、正直、常春です。下手でも、ポンコツでも、頑張れ……っていう応援をもらえます。その点は、本家「なろう」と比べて、奄美大島並みの温暖さだという点だけ、まずご理解下さい。
さあ、そんな応援環境で、ほんとにどうしようもない底辺になってしまったのが、わ・た・し。
一年間、書いて書いて、書きまくって、長編小説でもブクマ100超えず。ちなみに、自分で一番よく書けたと思っているイチ押しの作品(二月のシュガー)は、現在13ブクマで、完結後の閲覧数は、ほぼ一桁。もう一度言います、これが「イッチバン、よく書けた」と思っている一本です。ギャル風に、ウケるぅと言いたくなる状況。
Q1「読者のニーズをもっと分析したら?」
絶対した方がいいですよね、常識的には。でもね、この底辺作家は、それをしないんです。そもそも、読書すらしないから……(やめちまえ!と、ここで罵声が飛ぶはず)。けど、実態なので、そのまま伝えます。
私は素人なので、プロの方やプロを目指す方とは、そもそもモチベが違います。自分の好きな世界や人物を描きたい、それだけで続けています。市場ニーズのベクトルがどっちに向いていようと、あまり関係ありません。自作カップルがイチャつくシーンを書いて、「お前ら、幸せになれ」と、菓子パン食べながら超チル決めてます。
Q2「ウケの良いテンプレ作品から、まずは書いてみたら?」
無理でした。それ、めっちゃスキルいるやつです。テンプレに沿おうとしてたら、全然違うものが出来上がるのが、底辺作家。カレー作る気だったのに、気がついたら、味のしない野菜スープが出来た感じですかね。悪気はないのです。出来ないのです。
今回、「異世界恋愛」的なもの書いていますが、絶賛大爆死です。逆にすごくないですか?
Q3「タイトルをもっと凝ったものにしたら?」
一回やってみたんですが、面白くもない小説に面白そうなタイトルつけたお陰で、炎上しそうでした。わざわざ見に来たのに、これかい、みたいな。看板に偽り有り、みたいな。徹底的に面白くない小説だと、こうなるんだっていう、ね。もう、底辺の神でもついてんのかな。
Q4「書くもの書くもの、全部、爆死なのは恥ずかしくないの?」
恥ずかしいです。けれど、それよりも「楽しい」が勝つんです。
恐ろしいことを言うと、最初の半年は「小説書きたいハイ」みたいな、浮かれた状態でした。人の評価よりも何よりも、書くことが楽しい。誰にも止められない、そんな状態。夜中に目が覚めて、書き始めちゃうくらいの勢いでした。特に、私の場合は生まれて初めて、創作の楽しさを知ったので、余計だったのかもしれません。
一年経って、やっと少し落ち着いては来ましたが、それでも音楽を聴きながら歩くとき、必ず自分のキャラクターのことを考えています。誰も待っていなくても。誰も読んでいなくても。彼らと一緒に歩んでいる時間が、とても楽しいのです。
Q5「なぜ、書くのをやめてくれないの?」
やめよっかな、って思うことがない訳ではないです。サーバー負担とか、サイト汚し、とか面と向かって10回言われると、流石にやめるかな。9回までは頑張らせてください。
自分は相当に下手くそなんだろうな、ということは、一年も経てば理解できました。文章も、構成も、惹きつける力もない訳です。作家としてのセンスに欠け、実力もなく、努力もイマイチ(素人なんで。てへ)と言う三重苦。たまに自分でも、筆折るのが普通だよなあと思います。
ここで、「ムーンライト」の本質に話が戻るのですが、あそこは、恋愛メインの甘いお話を読みたい人が来られます。恋愛の好みって、本当に人それぞれじゃないですか。溺愛が好きな人もいるだろうし、ツンデレが好きな人もいるだろうし。ちなみに、私はヤクザが大嫌いですが、恋愛のテーマとして好き・憧れるって方も多いし、私もテーマとしては理解できます。
つまり、恋愛ジャンルって、多種多様に展開されてもいいのかな、って思っております。
小説自体のレベルが低くても、私の書く「恋愛」が刺さるかもしれない。そんな望みを抱えて、今日も底辺作家は書き続けています。一億人に一人の、あなたに刺され!って思って。
そして、一番大事なのは、「一つでもブクマついた」ってこと。刺さっとるやんって、解釈しています。たとえそれが、一件だとしても。その人に向けて、「自作カップルが幸せになるまで、見てて下さい!」って、念を送っています。まあ、それでも送る念が強すぎるのか、たまに剥がれるけどな、ブクマ。
問いの答えとしては、「書き続けたいから。ごめん。マジごめん」でしょうか。
で、結論です。
あちこちで提案されている、底辺脱出方法(執筆技術の向上など)を謙虚に取り入れ、前向きに頑張っていくのが最善だと思います。けれど、入らないポイントに泣くより、あんまり気にせずにお話の続きを書いてる方が楽しい。そんな感じで、底辺無双、続けています。
どうでしょうか。ある底辺作家の気持ち、少しは理解していただけたでしょうか。
図太く、ポジティブで、幸せなやつなんです。
もし、万が一、あなたが作家さんなら、下には下がいることを見てホッとして頂けたでしょうか。「ポイント入らなさ過ぎて疲れちゃったなぁ」とか、「もう途中でやめたい」とか泣きそうになっていたら、遠方からハグを送っておきます。念が強過ぎて、あなたのブクマまで剥がしちゃったら、マジごめん。
最後、「楽しい底辺作家になろう」って感じですかね。皆様、良き創作ライフを。
注)ギャルではありません。