表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

02話 適性が多くても注意は怠りません!

「997、998、999…1000!ぷはぁ…やりきったぁ!」


そこには、多汗している

銀髪の少年が立っていた。

少年の手には、

誰が見ても使い込まれていると

一目でわかるほどの傷が入っている。


「坊ちゃまぁ…そろそろお休みされては?」


遠くから二十歳はたち前半の

若いメイドが小走りで向かってきた。

彼女の腕には植物の繊維で作られている

であろうかごがぶら下がっている。


「ありがとう、セーラ」


「うぅぅ…グラン坊ちゃまは今日も凛々しいですぅ」


(普通にお礼をしただけなんだけどなぁ…)

そういって、メイドのセーラは僕に敬愛の目

を向けてくる。

どうやら、僕が使用人に敬意を払ったり、

気配りをしているのが原因らしい。


「今日は、坊ちゃまの大好物のリーベルのパイを焼いてきました。」


このリーベルとは、前世でいうベリー

ブルーベリーのことである。

そして、彼女は手下げていたかごからナフキン、皿

諸々の道具と一台のパイを出した。


「うわぁ、とてもおいしそうだね。」


「お口に合うかわかりませんが、お召し上がりください」


僕は前世ではブルーベリーが大の大好物であった。

だからブルーベリーには目がない!


「うん甘酸っぱくて美味しい」


「そ、そうですかぁ!ありがとうございます!」


何切れも何切れも僕はブルーベリーパイに

かじりついた。


「うん、余は満足じゃぁ…」


「お粗末様です。そういえばグラン坊ちゃま旦那様がお呼びです。」


どうやら、僕グラディウスの父である

アキレス公爵が僕をお呼びだそうだ。


「セーラありがとう、この後すぐに行ってみるよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕はとんでもなく長い廊下を歩いてる。

そして一番奥の部屋の扉の前で止まり

扉を叩いた。


コン、コン、コンッ

「入れ!」


中から力強い男性の声が聞こえた。


「失礼します、グラディウスお呼びにより参上いたしました。」


「うむ!」


僕は腕を胸の前に持っていき敬を払った。


「グラディウスゥゥゥ会いたかったぞぉ!」


そういって、アキレスは僕に抱き着いてきた。


「わ、わかりましたから父上!そ、それでご用件は何でしょうか!」


何気にうれしかったが、父の腕を振りほどき

用件を聞いた。


「いやな、グランに会いたかったのもあるが、実は大事な要件があってな…」


私情が入ってるんかい!と、ツッコミたかったが

要件を聞いた。


「それで要件とは?」


「実はな、お前も12歳になったからそろそろ成人の儀を行おうと思ってな…」


父は顔をしかめながらそう言った。

この国は一般12歳が成人である。

例によれば12歳の誕生日を迎えると同時に

成人の儀と呼ばれるスキル、加護を

協会で鑑定してもらう儀が存在するそうだ。

しかし、僕はまだ受けさせてもらっていない。


「僕は12歳を過ぎそろそろ13を迎えますがどうして受けさせてもらえなかったのでしょう?」


僕は何気に聞いてしまった。

どうせ、力を感じないだとか

幼少期からやっている木刀の素振りに

才能を感じなかったとかだろう…


「それはだな…お前にはまだ可愛いままでいてほしかったのだよ…」


「はい?…」


「だ~か~ら~!お前にはまだ純粋無垢でいてほしかったんだよぉ!」


僕は予想斜め上の回答に絶句した…


「実はですねグラン坊ちゃま…」


父の横に立っていた執事のジルバートが

説明してくれた。


「公爵様は、成人して一時的とはいえ親元を離れてしまうグラン坊ちゃまを止めるべく、一年先延ばしされたようです。ちなみにテミス様も了承済みです。」


どうやら母もグルのようだ。

(うん…この親バカどもめ☆)


「なぁグラン…お前がいやなら別にやらなくてもいいんだぞ!」


まだ父は僕に成人してほしくないそうだ。

私情100%で…


「いえ父上、これ以上父上や王国に迷惑はかけられないので僕は成人します!」


だいぶ丁寧に言ってやった。


「確かに学園などで父上達と離れてしまうことが多くなるかもですが、僕はかっこよく尊敬する父上、優しく大好きな母上達の役に立ちたいです!」


追い打ちできれいにまとめた言葉で言ってやった…


「うぅぅぅぅ…グラン~…」


「うぅぅ…私たちをそのように思ってくれていたなんて…」


盗み聞いていたのだろう

どこからともなく母が現れ

涙を流している。

正面では父が涙を流している。

隣ではジルバートが僕の気遣いに気づき

呆れている。


「それなら!明日成人の儀を受けさせよう!」


「名案ですアキレス!そうしましょう。」


両親はノリノリだった…

どうか他の人にはこれ以上迷惑をかけないで…

僕はそう願った…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして次の日、父、母、姉、御者として

ジルバートと一緒に馬車で協会へ向かった。


「やっとグランに成人の儀をさせてあげるんですの…」


我が姉アルミスはそう呟いた。

姉とは5歳ほど年が離れている。

しかし、僕の姉も両親と引けを取らず

重度のブラコンだ…


「だって、アルミスだって乗り気だったじゃない!」


母か頬を膨らませながらそう言った。


「確かに寂しさは99%ですが、成人の儀を先伸ばしにするために席を用意しておくのも大変じゃないですか!教皇様や国王様もだいぶ心配していらっしゃるそうですよ…」


姉は強くそう申した!


「う、うむ…」


その気迫に父が圧倒された…

(親子だなぁ)

僕はそう思った。


「旦那様、着きました。」


外からジルバートの声が聞こえた・

どうやら協会に着いたようだ。

僕たちは歩き協会の中へ入った。


「お待ちしておりました。ヴェルーム公爵様…」


祭壇のような広い空間に着いた僕らを

初老の神父様が迎えてくれた。


「シェリエル教皇もこの度はありがとうございます。」


父はそう言って頭を軽く下げた。

それに続き僕らも頭を下げた。


「それでは、新たな公爵家の未来に祈りましょう。」


それから僕の成人の儀が始まった。

といってもそこまで大がかりではない。

まず、自分の適性属性を鑑定する。

この世界には魔法という概念があり

それによってその人が使える魔法が限られてくる。

属性は火、水、風、土を主元素とし

光、闇、無、自然、呪、聖、が派生元素で

計10属性ある。

それも誰もが1元素は持っているそうだ

一般市民はだいたいが1属性を持ち

シングル

貴族は主元素と派生元素の

ダブルと呼ばれている。

この世界で最多属性とされる大賢者は

主元素2つ派生元素を3つ

計5つとして

ファイブと呼ばれている。

まぁ僕には縁もゆかりもない話…

目の前にある大きな水晶に触れれば

水晶が欠けその人の持つ属性の事象に

変わるのだそうだ。


「では、グラディウス様触れてみてください。」


「わかりました。」


そして僕は水晶に触れた…


パキッ…パキパキ…パキン


水晶が割れ属性に変わってく

もうこの時点でシングルは確定だ…

ここで水晶が割れず魔法適正がない落ちこぼれになったら

泣く自信がある…


…〈青色の炎に、今にも破裂しそうな水球〉

〈室内なのに強風〉

〈宙に浮いている土塊〉

〈「眩しい」、「暗い」が入り混じる不思議な感覚〉

〈吸い込まれそうな穴〉

〈ビリビリと静電気があたりをピリピリさせる〉

〈空間を変えるような冷たい感じ、

それを消そうとする暖かい感じ〉

その場には10個の現象が起きていた…

(…いや、情報量多すぎや…いや、まじで…は?)


「あ、あのぉ~なんかおかしなことになっているのですが…」


後ろを振り向くと教本を落とし、愕然とする

教皇様と目をまん丸くしキラキラさせている

父と母、口元に手を当て腰を抜かす姉

理解が追い付いていないジルバートの姿があった…


「ハッ…失礼しました。まさかこの目でオールフィロソフィーを見られるとは…しかもどの属性も概念に近いほど練度が高い…」


教皇はそう言いながら落ちた教本を拾った。


「すごいわぁ…ねぇ見たアキレス!」

「フハハハハハ…さすが我が息子だぁ!」

「可愛くて才能の塊の弟なんて最強じゃん!」

「これで公爵家も安泰ですね…」


後ろの四人はかなり盛り上がっている様子だ。

まだ、魔法適正を鑑定しただけだけど

大丈夫だろうか…


「ごほん…気をとりなおして、スキルと加護の鑑定をします…」


教皇様はそう言って僕に巻物のようなものを渡してきた。

次はどうやらこれに触れればいいらしい…

前世では才能がないと蔑まれた僕だが

今世は何かが違うのではないかと


期待を込め”それ”に触れた…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ