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よー君の成長日記   作者: 十人十色
序章 夢世界
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第零話 絶望と謂わずして

■月●日


「おい、なんだよ、これ……?」

 ある男は、絶望を露わにして言う。


「なんでっ……こんなこと、って……!」

 ある女は、涙を流して嘆く。


「…………」

 ある男は、何も言わぬまま棒立ちしている。


 何故こんなことになったのか。

 誰が悪くて、何が悪くて、何の所為で、どのことで、どうして、こうなったのか。

 どうして。

 どうして。

 どうして。


 どうしてこうなった?


 その問いを何度繰り返そうとも、答えは返ってこない。


 ただ、その場にいる全員が打ちひしがれて。

 己の無力さに、世界の無慈悲に、置かれた状況に、その全てに打ちひしがれて。


 夢だと。

 紛れもない、途轍もない悪夢だと。

 そう思いたくても。

 

 これは紛れもない事実で。


「…………っ」

 男の頬を一筋、涙が伝った。


 誰も、どうすることも出来ない。

 

 時を戻すことも、なかったことにすることも、ましてや全てを救うことなど。

 できるわけが無い。できるはずがない。


 ただ、皆が皆、己の無力さを嘆いた。


 そこはまるで、炎のない、静寂の地獄のようで。


 ──之を絶望と謂わずして何と呼ぶ。


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