ヒツジたんけんたいの ほうこく
ヒツジたんけんたいが、かえってきました。
えっ? ヒツジたんけんたいって なにかって?
そのなのとおり、ヒツジの たんけんたいです。せかいじゅう いろんな ところを たんけんするのです。ぜんぶで 12ひき。
こんかいは、ライオンの おうさまに たのまれて、みなみの しまへ たんけんに いってきたのです。
おうさまの まえには、ヒツジたんけんたいが ずらりと ひざまづいています。あかい ぼうしの ヒツジが たいちょうです。あおい ぼうしが ふくたいちょう。のこりの きいろい ぼうしは、ふつうの たいいんです。
「どうじゃ、みなみの しまは あったか?」
ライオンの おうさまは、いすから みを のりだして ききました。
あかい ぼうしの たいちょうが、かおを あげました。にっこりと わらっています。
「おお、その えがお。しまは あったのだな。それで どんな しまだったのだ?」
こんどは、あおい ぼうしの ふくたいちょうが かおを あげました。やはり にっこりと わらっています。
おうさまは、ますます みを のりだしました。
「おお、いい しまだったのだな。それで なにが あった?」
こんどは、きいろい ぼうしの たいいんたちが、まるで うたうように はなしはじめました。
♪おおきな ひろばが ありました~
♪おにごっこが できます~
♪サッカーも できます~
♪うんどうかいも できます~♪
「おお、すばらしい!」
おうさまは、さらに みを のりだしました。
たいいんたちが つづけました。
♪ちいさな みずうみも ありました~
♪あおく、きれいな みずうみでした~
♪およげます~
♪さかなつりも できます~
♪ボートにも のれます~
「おお、それで? それで?」
おうさまは、ますます こうふんしてきました。
♪めずらしい くだものが ありました~
♪あかくて~
♪まるくて~
♪あまくて~
♪ぜんぶ たべそうに なりました~
「おお、わしも たべたいぞ!」
おうさまは、おもわず よだれが でそうに なりました。
たいいんたちの うたは、まだ つづきます。
♪だれも すんでいませんでしたが~
♪おおきな かいじゅうを いっぴき~
♪みつけました~
「な、なに? かいじゅうだと?」
おうさまは、おもわず たちあがって しまいました。
なんということでしょう。せっかく たのしそうな しまだと おもったのに、かいじゅうが いるなんて……。
「ええい! いますぐ しまへ しゅっぱつだ! かいじゅうを やっつけるのだ! わがくにの ぐんたいは せかいいち つよい! おそれるな!」
おうさまが さけんだとき、たいちょうの ヒツジが たちあがりました。やっぱり にっこり わらっています。
たいいんたちの うたは、まだ つづきました。
♪だいじょうぶです~ おうさま~
♪とっても~ やさしい~ かいじゅうでした~
♪4ほんあしで~
♪くびが ながくて~
♪しっぽも ながくて~
♪われわれは~
♪かいじゅうの せなかに のったり~
♪しっぽや~
♪くびを すべったりして~
♪あーそーびーまーしーたー
たいいんたちの うたが おわりました。
「ほんとうか? ほんとうに やさしい かいじゅうなのか? わしらを たべたりしないか?」
おうさまは、まだまだ しんぱいでしたが……。
12ひきの ヒツジたんけんたいが、みんな にっこり わらっています。
それをみた おうさまも、だんだんと えがおに なっていきました。
「すばらしい! すばらしい! すばらしい! すばらしい!」
おうさまは、りょうてを あげて よろこびました。
「ようし! こんどの りょこうは このしまに きめたぞ! わしも かいじゅうと あそびたい!」
ヒツジたんけんたいには たくさんの ごほうびが あたえられ、ライオンの おうさまたちは、おもうぞんぶん しまりょこうを たのしんだということです。
おしまい
読んでくれてありがとう。