アサガオの花を咲かせよう
「できました♪」
私が笑顔で言うと、ディレクターがいきなりシャドーボクシングを始めた。
というのは、過去の話。
ディレクターは今回そんな行動をとらずに、宿題の内容を確認している。
その様子を眺めながら、私はすでに勝った気でいた。
どうだ、私がつくった『アサガオの観察日記』。今回はちゃんと十五ページ分あるぞ。
一ページ目。アサガオのタネを大きく描く。
二ページ目。植木鉢にアサガオのタネを埋める。
三ページ目。じょうろで水をかける。
ここまでは前回と同じだけど、四ページ目以降が違う。
アサガオは少しずつ成長していき、十五ページ目で花を咲かせるのだ。
使ったのは、折り紙である。
さっき百円ショップで見つけて、私は考えた。
そうだ、折り紙で「アサガオ」をつくろう。
まず四ページ目に、まっさらの折り紙を一枚貼った。
五ページ目以降には、それを少しずつ折り進めた状態のものを、順番に貼っていったのである。
こうして私は十五ページ目で、アサガオの花を完成させた。
折り紙は一セット分しか買わなかったので、各ページのアサガオの色が同一ではないけれど、そこは大目に見て欲しい。細かいことは気にするな。
しばらくして、ディレクターが最終ページまで確認し終わった。
期待の視線を向ける私に対して、
「この宿題は完成です」
落ち着いた声で宣言してくる。
やったー。最初の宿題をクリアした。しかも、これがおそらく最難関。
残る宿題は次の四つだ。
『漢字ドリルと計算ドリル』(小学一年生レベル)
『自由研究(工作)』
『夏休みの絵日記』
『読書感想文』
まだお昼前だし、これなら余裕で終わるかも♪
そこでディレクターが私に聞いてくる。
「『松煙』と『油煙』。どちらにしますか?」
ん? お昼のお弁当だろうか? 名前の感じからして、和食と中華?
どちらも知らないお店なので、深く考えずに答えておく。
「えーと、先に言った方で」