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お題シリーズ

ずっと一緒にいよう 食

作者: リィズ・ブランディシュカ



 僕の好きな人には、彼氏がいる。

 僕が注目しているのは、誰よりも可愛くて、清楚で、可憐でとっても美人な人。

 その人の隣にはいつも、彼女にお似合いの、非の打ちどころのない好青年がいる。


 僕はきっと、そんな人物には、逆立ちしたって敵わないだろう。

 どんなに捜してみても、一つでも彼に勝さる長所が存在しないのだから。


 僕は運動もできないし、勉強もできない。真面目な所も、誠実な所もない。

 まるまると太った体に、道化の様な不細工な顔。見た目も、良い所なんてまったくない。


 一体誰がこんな僕を好きになってくれるのだろう。


 ただの人間ですら振り向いてくれないのだから、可憐な彼女が僕に目を向けてくれるはずがなかった。


 でも、幸いな事に悪知恵だけは働くんだ。


 あの子を奪って僕の物にする。

 そして永遠にずっと一緒にいられるようにするんだ。


 だから、僕は暗闇で彼女を待ち伏せして、攫った。


 誰がイジワルしても、引き裂かれないために、完全に一つになろう。


 彼女の身を包む、余分な物は全てはいで。

 汚れも綺麗に落として、あとは下ごしらえ。


 美味しくさせるために、調味料には気を使わないと。


 メニューを考えていると、台所の鍋がふきこぼれる音がした。

 いけないいけない。

 きちんと火加減を見ておかないと。


 そうだ、食器も出しておかないとね。

 彼女にふさわしい、可愛い食器を買ってきたんだ。


 さて、準備はととのった。

 さあ、僕は彼女を台所に連れてきて、幸せな未来に酔いしれた。


 時間をかけてつくりあげて完成品を前にして、手をあわせた。


「いただきます」そして「ごちそうさま」


 ご飯を食べた後に、ぽっこりふくらんだお腹に喋りかけた。


 これで僕達はずっと一緒だよ。



読んでくださってありがとうございます。

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