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朝の時間ない時に起きた話

作者: 花月 餡澄

 朝は苦手です。

 ゾンビの如く起き上がる事になるので。

 そりゃもう大っ嫌いです。

 具体的にどのくらい嫌いかと聞かれれば、「朝」という単語を聞いただけで、白目剥いて失神して泡を吹いて倒れるぐらい苦手です。

 それはやっぱり言い過ぎかもしれませんが。


 まあ、ただ私が言いたいのは「死ぬほど朝が嫌いだよっ!」って事なので、ニュアンスで察してほしいものです。


 さて、朝が嫌いな私は今日も今日とて5時20分から鳴り続ける目覚まし時計とスマホのアラームを盛大にブッチし、45分ごろに起きました。

 とは言え朝なので、寝坊をしてしまった事による焦燥感とか、そう言ったものは一切なく、おぼつかない足取りで眠気眼をスリスリしながら二階に向かいます。


 歯を磨き、おばあちゃんがご飯を作っている間に制服に着替え、首をカクカクしながら船を漕いでいると、サラダが出てきました。


「あー、ありがほう」

「お箸持ってくるねー」

「ふぇーい」


 その間にドレッシングでもかけてしまおうかと、私は目の前にあるコールスローに手を掛けました。


 ぶんぶんぶん、きゅぽ。


「えっ!?」


 そしてその瞬間、物理演算入ってる?大丈夫?ってな感じで少量のコールスローが空中で白く舞いました。

 お、おーけーおーけー。何言ってるかわからない?奇遇だね私もなんだ、兄弟よ。


 目が覚めた状態で考えると、振るのが雑すぎて蓋の近くに少しだけ残ったコールスローが、気圧がどうとかでああなったのでは、と考えていますが。


 そして空中に浮いているものはいずれ地上に落ちます。エントロピーの増大です。別にそれは問題ありません。床にこぼれようが拭けば良いのですから。


 そう、問題は落下地点です。まあでも、正直これは考えるまでもなく、重力な従って地面に垂直に、そう、吸い込まれるように私のスカートの股あたりに着地しました。

 わー着地も綺麗!運動競技だったら百点あげちゃう。人じゃないからマイナス一億点ね!


 ……じゃなくて、高校生女子、じぇーけーの、スカートの股あたりに白い液体。

 あ、これ発禁ですね。やばいやばい垢バンされちゃいます。


「ええ……」


 この朝のクッソ時間のない中で、私にどうしろと?


「うぇぇ……べとべとだよぉ……」とでも言えば良いんですか?でも残念!スカート長いから服にしかかかってない!

 うおおおお、長いスカート万歳、校則万歳!

 スカート短いリア充は死ね!


 ちなみに、この脳内一人寸劇中、私の体は固まっています。ええ、だいたい10秒ほど。


 コールスローを拭き取り、濡れたタオルでトントンなんて生易しいものではなく、ドンドンドンドンっ!と音ゲー初心者のように力強く制服の股あたりを叩きます。


 ぱっと見は見えないですけど、匂い残るんだろうなぁ……と制服の股あたりをファブリます。


 何が悲しくて朝っぱらから股に溢れた白い液体(コールスロー)を拭いて叩いてファブリーズをかけにゃならんのかと。


 もちろん、電車に乗り遅れ掛けたのはいうまでもない事です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんでもない1コマがなのに、語り口が面白くてついつい笑ってしまいました。 実話でしょうか? 実話でしたら、笑うのも失礼ですが、笑ってしまったものは仕方がないですよね。 [一言] 実話でない…
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