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日本と星間連合  作者: ZEROKAMI AKIRA
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序章①

誤字などありましたら、指摘していただけると助かります。

2018年12月、日本の景気は低迷していた。前年までは、浅野慎太郎総理の経済政策であるアサノミクスにより好景気と言われていた。しかし、アメリカの中間選挙で勝利を収めたいドナルド・キーマン大統領は、日本に対して円高圧力をかけてきたのだ。近年緊迫する安全保障環境からアメリカとの対立を表にしたくない日本政府は、この圧力に屈することになった。そして、円高になった日本では、輸出産業を中心に業績が軒並み悪くなっていた。


俺(川村大和)は、勤めるIJワークス㈱総合開発本部の後輩である山本正樹と居酒屋で飲んでいた。


「川村さん、最近会社の業績が下がってるから、上からの圧力半端ないですよね」

「そりゃそうだよ。いくら内部留保があるからって、このままで良いわけないからな。」

「新製品とか言われましてもね…そりゃ頑張りますけど、今日明日で出来る事ではないですからね…」


こんな感じで、話題は会社への愚痴とこれからのことであった。


山本と別れた俺は、最寄り駅から自宅に向かって歩いていた。アパートは、海岸沿いの道路に面している。台風のときは波こそ堤防を越えてこないが、遮るものが何もないため、かなり強い風が吹く。


酔っていた俺は、自分の部屋に着くとシャワーを浴びて落ちるように寝た。


次の日の朝、窓から差し込む太陽の光に照らされて俺は起きた。まだ寝たいという体にムチを打つように起きた俺はベランダに出て外の空気を吸った。毎朝、寝起きに外の空気を吸いがてら海を眺めるのが俺の日課だ。


「あーっー、眠たいな。さて、今日も頑張りますか」


いつも通り、何も考えずに海を眺めていたが、ふと何かを感じ上を見た。

「眩しい。。。今日は雲ひとつないな。澄んでて綺麗だな」


1時間ほどボーッと眺めたら、会社に行く準備だ。朝のニュースを観ながら、朝ご飯を食べていた。

「まったく…毎日毎日代わり映えしないな。もっと変わった話題はないのかなぁ」


そんなことをボヤきながら準備を整えた。


自宅から会社までは、1時間少々だ。会社が9:30始業なので、俺は余裕を持って7:30頃には家を出る。そして、いつも通りに家を出た俺は、海岸沿いの道を歩いていた。その時、携帯電話から聞き慣れないアラーム音がなった。


「あれ?目覚まし?こんな時間に設定してないんだけどな」

音を消すために携帯電話を取り出してみると、画面には国民保護情報の文字が。


「なんだこりゃ?国民保護情報?


しかも、大気圏外から未確認物体が降下中で、対象地域が全土かよ。。。」


初めて国民保護情報の通知を見た俺は、混乱しながらもTwitterでユーザーのつぶやきなどを見た。通知から1分くらいしか経っていないのに、既にトレンドに乗っている。


「Jアラートは、Twitter集合の合図かよ」

と思いながらも、そうやってTwitterを見ている自分がいた。


Twitterでつぶやきを見つつ、自分も呟いていたら、会社からメールが届いた。


ーーーーーー

社員各位


本日早朝、日本全域を対象に国民保護情報が発せられました。交通機関などもストップすることから、本日は臨時休業となります。

報道等に注意をし、各自で安全の確保を行ってください。


以上


IJワークス㈱管理部

ーーーーーー


「おいおい、今日は会社休みかよ。。。家帰って、ゲームでもするかな」

駅に向かって歩いていたが、会社が休みなので家に帰ることにした。会社が休みになり、やりたかったゲームが出来ることが嬉しくて、家に戻る足取りが軽くなる。


Jアラート発令から1時間後


家に着いた俺は、スーツから部屋着に着替えた後、テレビをつけた。Twitterやネットニュースだけでは、なかなか事の全体を掴みにくいからだ。テレビをつけると、ちょうど首相官邸で会見が始まろうとしていた。


数分後、中霧修官房長官と倉吉智也防衛大臣が会見場に入室し、会見は始まった。


「本日未明、自衛隊レーダーにて捕捉された未確認物体が日本に向けて降下してきていることがわかりました。政府いたしましては、事の推移を見守るとともに、万が一のことが予想されますので、本日7:45にJアラートにて日本全域に対して警報を発しました。現在、未確認物体は、徐々に高度を下げてきており、既に大気圏内にあります。大きさは、縦50m横550m程と推定されています。では、自衛隊が撮影した映像をお見せします。」


会見場の大スクリーンで公開された映像には、宇宙船のような物体が映し出された。会見場のざわめきを抑えるように、官房長官は話を続ける。


「政府は、この物体の外見から人工物であると断定し、未確認物体対策本部を設置して、情報収集と国民の安全確保に全力を尽くしてまいります。今後追加の避難指示等の情報が発せられた場合、焦らずに速やかに従ってください。私からは以上です。質疑応答は、防衛大臣の説明後に受け付けます。」


官房長官に促され、防衛大臣の会見が始まった。


「我々がコードネームとして「カーバン」と呼んでおりますこの物体は、先程官房長官からお話がありましたように、その外見構造から人工物であると考えられます。防衛省としましては、この事態を重く受け止めており、現在もカーバンを厳重に監視しております。仮に我々の断定どおり人工物であった場合、何らかの生命体が接触を試みてきたり、危害を加えてくる可能性もあります。また、放射線等の危険性も考えられます。政府、防衛省としましては、憲法第9条を尊守し、相手から危害を加えられない限り、破壊措置は行いません。また、対話の意思を示してきた場合、官邸の未確認物体対策本部主導で対話、交渉する予定です。


現在カーバンは、静岡県上空15000メートルまで降下してきております。機密のため詳細は申し上げられませんが、全国の航空自衛隊基地では、稼働機全機が出動出来る体制になっております。浜松基地からは早期警戒管制機AWACS1機が、百里基地からは戦闘機6機がカーバン警戒のために出動しております。その他、海上自衛隊各基地では、全護衛艦が出動準備を整えております。万が一のときは、破壊措置を行えるように万全の態勢を整えております。」


俺はこの会見に衝撃を受けた。降下中の物体が宇宙船のような形をしていたからだ。しかも、誰が見ても戦闘艦のような武装が付いている。Twitterでも、トレンドの全てがこの件に関連するワードになっており、「宇宙からの侵略か?」「SF映画見てるかと思ったわ」などの内容のツイートが多い。

ありがとうございました。次話などでもお会いしましょう!

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