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40.誘惑に打ち勝て

 さて、リリィの可愛い姿は見たし、次はユイの番だ。

 リリィはさっきの仕返しとばかりにユイに接近している。


「じゃあさっそくユイを見てもらうね。アルはきっとあたしに感謝すると思うよ。それっ!」


「きゃんっ!」


 リリィがユイから毛布をひっぺがすと……すごい格好のユイが現れた。

 透けている?

 薄水色のベビードール的な……これはパジャマなのか下着なのか……。

 下着が透けて見えているので、パジャマでいいのだろうか。

 とりあえず言っておこう。ありがとうリリィ。


「どうかな? ユイすごく綺麗だと思わない?」


「思う……」


「うう……恥ずかしすぎます。これって下着みたいなものですよね? なぜか裸より恥ずかしいのですけど……」


 顔を真っ赤にしていろんなところを隠そうとしているユイはとってもセクシー。

 草食系男子と呼ばれていた僕だけど、これは襲いたい。

 リリィの可愛らしい格好は襲おうなんて思わなかったけど、ユイはいかにも襲ってくださいの格好だ。

 

「ユイ、綺麗だよ……。また惚れなおした」


「あ、ありがとうございます……」


「ふふ、予想通りアルはあたしに感謝してるね。じゃあ今度はユイの番だよ。あたしが考えたアルを喜ばせる言葉を言ってみて」


「そ、そうですね……」


 これもまた楽しみだ。

 ユイはベッドに登り、仰向けに横たわって目を閉じた。


「ご主人様……わたしを好きにしてください……」


 シンプルな言葉だが、わかりやすい。

 これが据え膳と言う奴だろうか……。

 もし2人きりの時にこれを言われたら間違いなく襲っていた。

 どうしたものかと悩んでいる僕の肩にリリィが手を置いてきた。


「じゃあがんばってね。さっきアルが気を遣って2人きりにしなくていいって言ったし……あたしはここで見てるね」


 リリィは何を言いだすのやら……。

 さすがにそれはまずいよね。


「いやいや、いきなりそんなことはしないよ……」


「だってユイが待ってるよ。ユイに恥をかかせる気なの?」


 うーん……そう言われると弱い。

 いっそ襲ってしまおうか……。

 でもリリィがいるからなあ。

 3人仲良くとは言ったけど、いろいろ無理があることに気づいてしまった。


 この流れを止めるには……リリィも巻き込んでしまえばきっと嫌がるだろう。

 もし嫌がらなかったら成り行きに任せる方向で……。


「じゃあリリィもおいで。3人で仲良くしようって言ったよね」


「え!? あ、あたしはまだいいよ。まずはアルとユイが仲良くしてからでさ……あたしはまだアルとつきあいはじめたばかりだし……」


「リリィをのけものにはしないよ。そうだよね、ユイ?」


「もちろんです……。リリィさんも一緒にご主人様の好きにしていただきましょう」


 さてさて、リリィはこれでどんな行動に出るのやら。


「ま、待て待て! ほら、ユイはあたしが指示した演技してるんだからさ。今日はこれで終わろう。そして普通に寝ようよ」


 よし、これでいいだろう。

 あとはユイが納得すればこの話は終わりだけど……。


「リリィさん、たしかにリリィさんに言われたようにしてますが……これはわたしの意思ですよ。それに……リリィさん自身がご主人様に言いたいことをわたしに言わせたんですよね?」


「ちちち……違うぞ! いや、違わないけど違う! わー!」


 リリィが慌てふためき、部屋から逃げていった。

 そして隣の部屋のドアが開いて閉まる音。

 どうやら僕の部屋に行ったようだ。

 ユイを見ると、すごく申し訳なさそうな顔となっている。


「あの……わたしってばまたリリィさんにひどいことをしてしまったのでしょうか?」


「うーん、そういうわけじゃないと思うけど……。ちょっと行ってくるね」


「お願いします……」


 正直なところ女心はよくわからないけど、これは照れているだけだと思う。

 もしなにか悪いことをしたのだとしたら、ユイでなく僕が悪いと思うし。

 とりあえずリリィのところに行こうかな。

 でもその前にユイにもひとつ話をしておこうか。


「ねえユイ、さっきの言葉すごく嬉しかったよ。僕はユイとそういうことをしたいと思った。でもリリィも交えて3人で仲良くってことになったし、そういうのはなかなかできないかも……いいかな?」


「はい、リリィさんとも仲良くしたいと最初に言ったのはわたしです。だからなにも問題はありません。でもあの……そういうことって言うのはいったいどういうことなのでしょう? 実はリリィさん言われたようにしたんですが……男女がどういったことをするか知らないのです……」


 そうか……ユイは男女の営みについて知らないのか。

 そういえばユイの裸を見て反応した僕の体を見ても、普通にしていたものな。

 ピュアな子だ。


「そのうち教えてあげるよ。ユイがもう少し大人になったらね」


「はい! 楽しみにしていますね。ではご主人様、リリィさんをお願いします。もしわたしが傷つけてたんだったら教えてください。謝ります」


「うん、行ってくる。でもたぶん大丈夫だよ」


 不安そうなユイを残し、リリィのいる部屋に向かった。

 早くリリィを連れて戻ってユイを安心させよう。


 ノックして反応があったので部屋へと入る。


「リリィ、大丈夫?」


「う、うん……ごめんね。ユイは?」


「部屋で待ってるよ。リリィを傷つけたんじゃないかって心配してた」


「そ、そっか……悪いことしちゃった」


 うん、特に怒ってはないな。

 やはり照れまくっていただけかな。

 その証拠にまだ顔が赤い……そして可愛い。


「すぐに戻れば大丈夫だよ。リリィが落ち着いたならもう行こうか」


「あ、その前に聞いてくれるかな? あたしの体は見ての通りまだ幼いんだ。だからあのね……そういうことするのはやっぱり早すぎるんだ。きょ、興味はあるんだけどさ……。だからあの……求められてもやっぱり怖いからごめん!」


 リリィは申し訳なさそうに頭を下げて謝ってくる。

 なるほど、それで申し訳なくなって逃げたのもあるのかな。

 たしかに成長中の体ではよろしくないだろう。


「気にしなくていいよ。そういうことができなくても僕はリリィのこと好きだから」


「ありがと……。でもユイとそういうことは遠慮なくしてね。見てちゃまずいんだったらやっぱり2人きりにしてあげるからさ。そういうのは3人一緒じゃなくていいと思うよ……」


「そうだね、でもしばらくは大丈夫だよ。実はユイってね、さっきどんなことをされるのか知らなかったみたいなんだ。ユイもまだ若いし、そういうことは当分後だよ」


「そ、そうなんだ……。でも男の人ってそういうことをしたがって我慢できなくなるって聞いたけど……アルは大丈夫なの?」


 そういうことをしたいのは間違いない。

 でも我慢できないほどじゃない。

 なんせ時間はまだまだあるんだ。

 それに、時間をかけて仲良くなってからそういう関係になる方がきっと楽しい。


「僕はね、ユイとリリィが好きで好きでたまらないよ。だから今の状態だけですごくすごく幸せなんだ。だからこれ以上幸せになるのは当分後でいいんだよ」


「そ、そっか……アルってやっぱり変わってる……でも……だから大好き……」


「ありがと、リリィ」


 よし、これでこの話は問題ない。

 ではユイのところへ戻ろうか。


「じゃあ行こうか」


「うん。あ、いいこと思いついた。ちょっとイチャイチャしながら戻ってみようよ。ユイがどんな反応するか見てみたくない?」


 ユイの反応か。

 驚くのか嫉妬するのかはたまた喜ぶのか。

 やきもちを焼いてほしいけど、きっと喜ぶ気がする……。


「ユイの反応はたぶん喜ぶと思うよ。僕とリリィに仲良くしてほしいってずっと言ってたし」


「やっぱりそうかあ……あたしに怒ってくるユイとか見てみたいけど無理そうだね……」


 リリィも僕と同じようなことを考えていたわけか。

 よし、とりあえずやってみよう。

 やきもちは焼かないにしても、うらやましがっておねだりしてくるようなこと……。


「リリィ、こうしようね」


「ひゃあっ!? え、えと……」


 僕はリリィをお姫様抱っこしてみた。

 

「これならユイがうらやましがるかと思ってさ」


「う、うん……間違いないと思う。じゃあさ、あたしはアルから離れたくないってわがまま言うね。ユイを慌てさせられるかも」


「そうしようか」


 というわけでリリィと協力してユイに嫉妬させる作戦開始だ。

 まず見ることのない不満そうな顔のユイを見たいという僕のわがままである。

 もしユイが本気で悲しんだら……土下座して謝るとしよう。



 部屋の前でリリィにドアを開けてもらい、リリィを抱っこしたまま部屋に入る僕。

 さてさてユイの反応やいかに?


「ご主人様にリリィさん、おかえりなさい。あの、リリィさん……わたしに対して怒っていないですか?」


 ユイは普通に接してきた。

 リリィをお姫様抱っこしていることも当たり前のように受け入れているようだ。


「ただいま、ユイ」


「ただいま……。えっと、怒ってなんかないよ。あたしのほうこそ慌てて出ていってごめんね。さっきは恥ずかしかっただけなんだ」


「そうですか、よかった……。せっかく3人で仲良くしようって言ったばかりなのにあせっちゃいました」


 これで先ほど起きたちょっとした問題は解決だ。

 だけど……このお姫様抱っこ状態はどうしよう……。

 ユイが言ってくれないから、僕から聞いてみるか。


「ねえユイ、今の僕たちってどう見える?」


「ご主人様とリリィさんがとても仲良さそうに見えます。わたし幸せです……」


 予想通りか……。

 ユイは僕たちを見て喜ぶだけで嫉妬や怒りなんて無縁のようだ。

 せめてうらやましがってほしかったなあ。

 リリィもきっとがっかりしているだろう。


 どうしようもなさそうなのでリリィを下ろし、寝ることにした。

 この家のベッドは広いので、3人でも十分眠ることができそうだ。


「じゃあ2人ともおやすみ」

「おやすみなさい、ご主人様、リリィさん」

「おやすみ……」


 ひさびさのベッドなのでよく眠れそうだ。

 左右には僕の恋人たちが寝ているのも幸せでたまらない。

 なぜかリリィは必要以上にくっついてきていた。

 これは素なのか、先ほどの続きでユイを嫉妬させようとしているのかはよくわからなかった……。

 ただ……リリィの胸が大きめということだけはわかった……。

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