12/12
やっぱり名前も悪魔っぽかった
「と、いう訳だ。回想が長くなってしまってすまない。ただ雀がこの化け烏が突っ込んできた件は僕の責任だということの因果関係が、今一つわからないんだけれど。」僕は率直に疑問を雀に投げかける。
「そうね、あなたが知らないのも無理はないわね。」雀は一息、ため息を吐いた。
「あの悪魔、実は本当に天使だったのだけれど、あなたを助けるような力は持っていなかったの。」
「えっ?」
「あの天使は、悪魔と契約してあなたを助けてもらったの。で、その条件というのはあなたの魂を10年後に差し出すというもの。3日の命だったものが、10年も生きられたんだから感謝しないとね。」雀は無慈悲な事実をにべもなく述べた。
「そんな。‥‥でも、一体なんで雀がそんなこと知ってるの?」僕は情けない顔をしながら情けない声で尋ねた。
「それは私はあの天使の使いだからよ。私はあのお方、ルシエル様の使いなの。」悪魔のような天使の名前をにべもなく口にする雀であった。