つかの間の平和
家に着いたのは7時を少し過ぎたころだった。
「ただいま」
玄関を開けて廊下に向かって大声で言った。
「おかえり つばさー最近返ってくるのおそいんじゃない?
もう少し早く帰ってきなさいよ!下校のときの門限7時なのに破ってばっかりじゃない。 まだ部活始まってないんだから授業終わったらまっすぐ帰ってきなさい!」
(まただ)お母さんはいちいち言うことが長い。
こっちまで疲れてくる。
「わかってるよ 明日はちゃんと帰ってくるからもういいでしょ」
つばさは、あきれた声で言う。
「あたりまえでしょ っていうか明日塾じゃないの?」
(忘れてた!!)
「もういいんじゃない? はよう食べようや晩ご飯!」
リビングから出てきたつかさが言った。
いつものへんなどこかの方言だ。
「ちょー腹減ってるし」
外にいる時とは大違いだ。晩ご飯は豪華にハンバーグだった(裏世界でのディナーよりは安っぽかったが)
風呂に入って自室にこもった
寝るには少し早いがつばさはベッドに潜り込んだ
いろいろと考えようとするが今日は頭が回らない
「聖希と海人…」
そのままつばさは、眠りについた。
その日裏世界の夢を見た。 裏世界が崩壊する夢を…
「つばさーもう遅刻だぞー」
「やだよーん」
そんなことを言いながらつばさが時計を見てみると7:30と書いてあった
「やばー!!」
つばさがいつも家を出るのは7:40あと10分しかない
始業は8:30 通学時間を約45分としても電車があるとは限らない
つまり簡単に言うと遅刻しそうでヤバい状況なのだ。
「なんでもっと早く教えてくれなかったの???」
つばさは、あわてて布団から飛び出した。
「んなの知らねーよ 俺、今日 合唱コンの朝練だから先行くわ 4月から遅刻ってのは成績にひびくよー」
つかさは、いやみを言うと部屋から出て行ってしまった。
「つばさーもうつかさ行ったよー 35分だし」