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鬼一口  作者: 乙丑
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「えっと、それってどういうことですか?」

 事件が解決した次の日曜。皐月が信乃と一緒に、稲妻神社の本堂で、練習をしていた時のことである。

 その最中に、大宮がやってきたのだ。

「いや、こっちもなにがなんだか……、まるで奇妙なことが起きていたとしか」

 大宮は興奮した声で言った。

「祥子さんが被っていた姥の面から、毒が検出されたんだよ。しかも来未さんや平八さんを殺害した時に使った青酸カリと判断された」

「ちょっと待ってくださいっ! それって、すでに祥子さんは死んでいたってことですか?」

「いや、死亡推定時刻は、僕たちが話を聞き終えた後……彼女が倒れた時だったよ」

 大宮はゆっくりと顔を俯かせた。

「待っていてくれたんだ。祥子さん、誰かが自分を裁いてくれることを」

「でも来未さんの時はどうなるの?」

「それはわからないけど、でも誰かが死ぬのを止めていたとしか」

 信乃は、ハッとした表情で皐月と大宮を見やった。

「魄は肉体をつかさどるって意味がある。つまりあの時舞台に立って演技をしていたのは……」

「白雪さんだったってこと? でも、もしそうだったら信乃が気付かないわけがないし……、忠治さん、来未さんの死亡推定時刻は舞台が終わる直前なんですよね?」

 皐月がそう尋ねると、大宮は小さく首を横に振った。

「いや、詳しい検死結果によると、来未さんが亡くなったのは舞台が始まる十分前。他の役者さんから得た証言によると、舞台袖で面を受け取り、被った直後の時間だったそうだ」


『鬼一口』について。

ネタは、本編連載中にすでにあったのですが、出すタイミングがありませんでした。

鬼という漢字の組み合わせを知った時、面が先に出ていたんです。

白雪も最初に出てきたキャラで、すでに死んでいるが亡霊のようにまとわりついていると言う設定でした。

鬼という漢字が使われている漢字一文字が結構あり、その中から人の名前として違和感のない文字。魅=未、魁=斗、魄=白、魈=しょうと読むためしょうという形にしています。

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