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女ってウザイ。
「鷹良くんて言うんだぁ?
あたしは~ 」
入学式早々、俺のまわりは女が囲っていた。
中学の同じだった親友・トキこと斎汰は、女子のなかに埋もれ、姿形さえ
見えなくなっていた。
女子は女神だ、なんて言うヤツもいるが、そんなのはモテないヤツが言う言葉。
俺にとって、女子なんぞ虫ケラ以下だ。
ドンッ
「いてぇな」
ぶつかってきた女をジロッと睨むと、相手も負けじと睨み返してきた。
「はぁ?そんなんで痛いなんて、なーんてか弱い男♡」
女は俺のまわりの女たちを見回して、ほくそ笑んだ。
うぜぇ。
今まで生きてきて、ぶつかってきてこんな態度をとったのは今の女が初めてだ。
大抵、高い声で謝って、それを口実に俺にまとわりついてくる。
ハ
おもしろい。
「おめぇ…」
女にそう言いかけると、もう消えていた。
…。
俺は、周りの女を振り払って自分の教室へと帰った。