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02.さいごにおもったこと
ポタポタ ポタポタ
君の頬に、俺の服に、君の髪に、堕ちるそれ。
優しいぬくもりも暖かな色も持たない、それ。
俺の服に黒い染みを作り、俺の心を悲しい色に染め上げ、大好きな君を苦笑させる、それ。
ねぇ、ねぇ。
笑って、だなんて。誰が泣かせたと思ってるの?
男なのに、とか。
人がいっぱいいるのに、とか。
そんなこと全部全部どうでもよくって、ただただ俺の目から、それは零れ続けた。
嘘つき とか、約束したのに とか、言いたいことはいっぱいあったはずなのに、俺から零れるのは無色透明のそれだけだった。
約束の日になったら、君としたいこと、君に言いたいことがいっぱいあった。
君が黙っていなくなったとき俺がどんな気持ちになったかと、責めて。
それでも約束守ってくれるって信じてたと、笑って。
これからは一緒にいられるんだって、泣き虫な君を抱きしめて。
それなのに君は、俺に何一つさせてくれないんだね。
「ねぇ、なんで君は俺をかばったの?」
君の答え、聞く必要もなかった。
こんな状態の君に、聞けるはずもなかった。
それでも君の最期に、俺が思ったこと。




