表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

10.さいごに、あいしたひと

夢に堕ちている、その時間だけが幸せだった。



あの日あの瞬間に君の時間は止まってしまって、同時に俺の心の時間も止まってしまった。

夢の中では時間を止めてしまった君が、それ以前のように隣にいてくれて、その夢だけが俺の支えだった。



遠い昔、君の首にかかっていた冷たくて硬いそれは、あの日君によって俺へと渡された。


冷たくて硬い、小さな小さなラブレター。

小さなそれの小さな扉を開けても、文字なんてひとつも出てこなかった。

ただ、涙が溢れただけ。



優しい君の、最期の手の感触を思い出す。

愛しい君の、最期の愛の言葉を思い出す。


恋しい君の、この扉の中を見ていたひどく優しい・・・幸せそうな笑みを思い出す。



たくさん言いたいことがあった。

もっと伝えたいことがあった。

君としたいことが、いっぱいあった。


それでもこの小さなラブレターのおかげで、少しだけ報われる気がした。



遠く青い、空を見上げる。

君が好きだといった、俺の目と対照的な・・・その色。

きっとその色の向こうに、君はいるんだろう。



「君は、幸せでしたか?」



最期の最後に、苦笑とは違う満面の優しい笑みを浮かべた君。

それがその問いの、答えであった気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ