人材登用③
天文16年(1547年) 9月
山城国 葛野郡 妙顕寺
「面を上げよ、高山飛騨守」
「…はっ」
どうも、今回も始まりました二人目の人材登用!!
それでは今回の候補者、高山飛騨守友照さん!そう、高山右近のお父さんです!
こっちは信濃守さんと違って最初から用件も分かってる。
めちゃくちゃ要約すると『最近懐が寒くて雇って欲しい』とのこと
もう少し詳しく言うと、高山氏は、摂津国能勢郡高山荘を拠点とする土豪で、高山荘は勝尾寺という寺の荘園で、高山氏はその代官を務めている。
そしてその高山荘…もとい近畿一円は応仁の乱から始まる戦乱のせいで荒廃している上、高山氏などの小勢力は常に大勢力からも搾取され続けているため、どんどん勢力は弱くなっていく。
そしてその搾取する立場の勢力は決まって、歴史ある一族やら当主が産まれる前から大勢力で驕り高ぶっている勢力なのだ…
それに比べると我が波多野氏は歴史ある家ではあるが、元々大きい家ではないので、仕えやすいのだろう。
ちなみに高山右近と飛騨守親子はキリシタンということで有名だったが、現時点ではまだキリスト教が伝来していないから、もしかしたら高山右近がキリシタンにならないかもしれないな…
そういやあと4〜5年もすればザビエルが来日するだろうけど、波多野に来るかな?天皇と将軍に謁見するつもりだったって聞いたことがあるから京には来るよな?
そんなことを考えながらも、俺は飛騨守の話を聞き流していたのであった。
天文16年(1547年) 10月
山城国 平安京郊外
さて、いよいよ今日は、丹波から親父がやってくる日…何故か分からんが、何故か嫌な予感がする…
そんなことを思っていると、前方から少し控えめな砂煙が立ち上っているのが見えてきた。その大きさからして、親父は最低限の兵しか連れてきてないな?
そうして四分ほど経った頃だろうか。ようやく親父の姿が遠目にだが見えてきた。
よく見ると親父の横に二人…誰かいる。1人は着ている着物の柄に見覚えがある…家清義兄さんか?
そしてもう一人…誰だ?見たことない着物の柄……そして髭面?まずい…更に分からなくなった…波多野家家臣には少なくともあんな奴いなかったし…
「孫四郎!無事でおったか!?」
「父上!拙者は無事ですが…その、隣の方は…」
「ああ、それは此奴から説明してもらう」
「拙者は宇津又次郎長成に御座る!孫四郎殿!宜しくお願いしますぞ!」
…ああ…なんで俺の嫌な予感ってこんなに当たってしまうのだろう……
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