表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/40

近江にて

天文15年(1546年) 12月

近江国 蒲生郡 観音寺城


「はっはっは!何、貴殿ら、そう畏まらなくてもよろしいですぞ!」


俺は今、この時代で最も天下に近い男にあっている


「いえいえ弾正少弼殿、我らは管領様の家臣にすぎませぬ。管領様の御舅であり、此度の菊幢丸の元服の際の烏帽子親でもある貴殿には遠く及びませぬ!」


普段は基本尊大な態度の父もこの人相手には少し謙ってるな…まあ、当然か。


何故なら今俺達が話してるのは、管領代、六角定頼なのだから…


もっとも、管領代になるのは丁度この元服式の時だからまだ管領代ではないんだけど…


まあ、それを差し引いても今の主君(細川晴元)の舅だから謙りもするか…


「はっはっは!まさか我が六角家が、将来の公方様の烏帽子親になれるとは夢にも思わなんだ!にしても婿殿(細川晴元)は気の毒でならん…次郎殿(細川氏綱)との諍いのせいで式に出席できんとは…」


そう、実はうちの主君(細川晴元)、氏綱派との紛争のせいで参加できないんだよね……もっとも氏綱も出られないと思うが…まあ、俺らみたいに代理を送ってはくるだろうが…


そんなことを思っていると廊下の方が騒がしくなってきたな…


そして音が近づいてきたと思ったらいきなり襖が開き、父や筑前殿と同じくらいの年齢の男が入ってきた。


「父上!公方様からの使者がお越しです!」


「おう!四郎!其方が相手をしてしばし待ってもらえ!」


「父上!?公方様の御使者の方に失礼では!?」


「そのようなことを言う暇があるなら相手をして差し上げろ!」


「…はっ…承知しました」


そう言うと男は引き返していった。六角定頼を父上って言ってたからさっきのは六角義賢(承禎)かな?


「弾正少弼殿、先程の方は一体…」


父も気になったのか定頼殿に質問していた。


「なに、今のは我が愚息の四郎義賢にござる」


あ、やっぱり六角義賢だったのね


「しかし一体如何様な用件なのでしょうな」


「ええ、義兄殿、元服式はまだあとに二日は先のことだと思うのですが」


え、何? 逆にあと二日しかないの? 式の進行とか全く分からないんだけど…。



そう困惑する俺を尻目に、父達は談義に花を咲かせているのであった…


にしてもまた足音が近づいてきたな…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ