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灼炎の転生魔女〜いじめ自殺から最強魔女の娘へ!前世の因縁、全部終わらせます〜  作者: 明鏡止水
3章 ゼスメリア生活・後編

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191.守るために灯る炎

 火の粉と悲鳴が入り混じる空の下で、私は必死に杖を振り続けていた。


焼き払っても、撃ち落としても、星霊たちは止まらない。 黒い塵は裂け目から次々に湧き上がり、倒したはずの場所に、再び異形の影が這い出てくる。


「もう・・・何体倒したかわかんない・・・!」


 ノエルが、荒い息を吐きながら地を砕く。 その衝撃で数体の星霊が吹き飛んだが、すぐにその穴も、黒塵で埋め尽くされた。


炎が轟き、空が裂ける。 それは、レシウス先生の最後の魔法だった。


「・・・消えろおっ!」


 彼が叫ぶと同時に、真紅の火柱が前方に放たれ、無数の星霊たちを巻き込む。

凄まじい熱に、塵の影たちが一瞬たじろいだ。だけど、それはほんの一瞬。


「まだか・・・!はあ・・・」


先生の膝が地面に落ちる。

服の一部が破け、左腕が血に染まっていた。


「レシウス先生!」


私は駆け寄ろうとした。

でもそれより早く、さらに数体の星霊が彼に群がろうとしていた。


「させない!」


 炎を広げ、敵の足元を遮断する。

なんとか間に合ったけど、先生は足を押さえており、一人で立ち上がることはできなさそうだった。


「先生・・・大丈夫ですか?」


私は彼の足に杖を向け、中級の回復魔法である『ライフフレア』を唱えた。

先生は、それでどうにか立ち上がれた。


「すまない・・・アリア」


「いえいえ。でも・・・まだ戦えますか?」


「もちろんだ。生徒に助けられて、戦えないなんてことは言わないよ」


 かすかに笑うその顔が、痛いほど優しくて、私は叫びたくなった。



「全員、下がりなさい!」


 上空から響く声の主は、ソリス先生だった。

風とともに降り立った彼女の視線は、星霊たちを真っ直ぐに見据えていた。


「ここから先は、私が引き受けます」


「学院長・・・!」


誰かがそう言った時、先生の周囲に風が巻き起こった。 それは烈風となり、星霊の群れに切り込んでいく。


「『極風(マスターヘイル)』・・・!」


 一瞬で十数体の星霊が切り裂かれ、風と共に散っていった。


私たちは、唖然とした。

ソリス先生の、本気の魔法・・・その力を見たのは、初めてだった。


だけど──。


「・・・!」


 一際大きな影が、空中から降りてくる。

それは核、群れの中心たる存在。

風を突き破り、ソリス先生に襲いかかった。


彼女が展開していた結界が一瞬で砕け、黒い影がその胸を貫いた。


「──ぁ・・・」


 血が、空中に散った。


「ソリス先生!」


私の叫びと同時に、誰かが空中に駆け上がった。 ノエルだ。

彼女は岩を足場にして跳躍し、ソリスを抱えて落下から守るように地面へ導いた。


「ソリス先生・・・お気をしっかり!」


「私は、大丈夫です・・・あなたたちは、退きなさい」


 先生の声は、かすれていた。

彼女は負けたのではない。

それでも、星霊の核は圧倒的だった。


「先生たち・・・退いてください!学院長先生の、命令です!」


私は叫ぶ。

これ以上の犠牲は、もう見たくなかった。


レシウス先生も、他の先生たちも、複数人がすでに倒れている。

それだけでなく、命を落とした人もいる。


何となくわかっていた──あの星霊たちに、普通の魔法は届かない。


ならば──。


「アリア・・・!」


 シルフィンが私を見つめる。

彼女の頬には汗と塵が張りついていた。


「もう、待つ意味はない。あれを使って」


私は頷いた。


「──サンフレアね」


 再び、専属魔導書を取り出す。

開いた瞬間、周囲の空気が変わった。


ページの間から、強烈な炎の魔力が立ち上る。

それは生半可なものじゃない。まさしく、「魔女の魔導書」と呼ぶに相応しいものだ。


「お願い・・・この炎で、すべてを終わらせて!」


 私の瞳に宿るのは、迷いのない決意。


逃げるのは、もう終わった。

私たちは、大切なものを守る。




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