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生前

作者: ナニカ

ここまでご覧いただきありがとうございます。面白ければ評価、ブックマークよろしくお願いします。

〇オフィス外

      男悩む

      蝉の声が聞こえる

      男パンフレットを見て首をかしげる

   男「たぶん大丈夫だと思うけどな。」

      階段を上る

〇オフィス玄関

     男はドアノブを少しの間握ったのち、開ける

     ロープ霊が部屋の真ん中で微笑みながら座っている

     髪女は櫛で髪をとかしている

   男「すみません。ここって生前幽霊審議所でしょうか。」

   ロープ霊「はい、あってますよ。どうぞ、こちらに座ってください。」

〇オフィス中

     男は椅子に座る

   ロープ霊「今回はどういうご用件でいらっしゃったんですか。」

     男、ハンカチで汗をぬぐう

   男「あの僕こういうの初めてで。」

   ロープ霊「分かります。分かります。緊張しますよね。でも、安心してください。どんなお悩みでも結構ですよ。」

     男はきょろきょろと髪女とうつむき霊を見る

   ロープ霊「この方たちが気になりますか。」

   男「はい。この人たちって。」

   ロープ霊「はい。幽霊ですよ。」

     男は驚く

   ロープ霊「初めてご覧になりましたか。」

   男「はい。初めてで。ちなみに。」

     男はロープ霊を見る

   ロープ霊「はい。私ももちろん幽霊です。」

   男「ああすみません。」

   ロープ霊「いえ大丈夫です。」

     しばらく沈黙

     ロープ霊はずっと微笑んでおく

     男、手に持っていたパンフレットとメモを取り出す

   男「あの僕、死んだら幽霊になりたいというか。ちょっと知りたいというか。えっと。」

   ロープ霊「ああなるほど。パンフレットはお読みになりましたか。」

   男「はい。一様。」

   ロープ霊「では基本そこに書かれているとおりです。普通、死んだら閻魔様に人生をさばいていただいて地獄か天国かに行くことになります。しかし生前、幽霊になるという申請をしていただきますと審判の期日が延期されます。ここまでは大丈夫ですか。」

   男「は、はい。でも。」

   ロープ霊「はい。気になるのは幽霊になるとどうなるかですよね。」

   男「はい。」

   ロープ霊「安心してください、それが一番多い質問なんです。幽霊になっても、苦痛や空腹感は一切感じませんよ。」

   男「でも、本当ですか。」

   ロープ霊「本当です。実際に先輩幽霊の方に聞いてみましょう。髪女さん。」

   髪女「こんにちは。」

   男「こんにちは。」

      髪女は自分の髪から滴る血をハンカチで拭きとる

   髪女「すみません。」

   男「いえ。」

   髪女「苦痛を感じるかのお話ですよね。私は特に感じませんよ。血が出て痛そうですけどね。」

   男「あ、はい。ちなみにいつお亡くなりに。」

   髪女「今から400年前ほどでしょうか。」

   男「4,400年。」

   ロープ霊「驚きますよね。でも幽霊にとっては意外と普通のことですよ。」

   男「そうなんですね。」

   ロープ霊「もう一方からもお話を聞きましょう。」

   うつむき霊「あ、僕ですね。こ、こんにちは。」

   男「こんにちは。」

      沈黙が続く

   ロープ霊「すみません。彼はちょっと人見知りで。」

   うつむき霊「ごめんなさい。僕は死ぬ前も死んでからも特に変わってません。」

   男「な、なるほど。」

   「バン。」

      男びくっと肩を動かす

   男「何の音ですか。」

      うつむき霊すこし恥ずかしがる

   ロープ霊「ああ、彼はたまに死んだときの音がなってしまうんです。」

   男「はあ。」

   ロープ霊「少しは安心できましたか。」

   男「は、はい。はい。」

      男、もう一度うつむき霊と髪女を見る

      男は下を向いて、手元のメモに気が付く

   男「あ、あともう一つ聞きたいことがあって。」

   ロープ霊「はい。なんですか。」

   男「僕、ここで死のうと思ってるんですけど。」

      男メモをロープ霊に見せる

   ロープ霊「ここですか。待ってくださいね。」

      ロープ霊は机の上に雑多においてある、紙束から紙をいちまいとりだす

   ロープ霊「あ、ここですか。あ、すみません。いまそこは非常に人気な場所でして。現在、その場所で亡くなられても幽霊になれないんです。」

   男「え、そうなんですか。この前、ネットの事故物件か分かるサイトで調べたんでけど。炎のマークはついていなかったような。」

   男はスマホをいじって、ロープ霊に見せる。

   ロープ霊「ああ、このサイト最近死んだ人しか分からないんですよね。」

   男「あ、そっか。」

   ロープ霊「ええ。もともとご希望の場所は昔の戦場だったり、空襲にあったりしていて死んでる方が多いんです。」

   男「え、そんなに多いですか。」

   ロープ霊「ちょっと待ってくださいね。この資料によると現在はここにマンションが建っていますよね。」

   男「はい。実際住んでますし。」

   ロープ霊「なるほど。ではお聞きしない方が。」

      ロープ霊は紙を折り曲げて下に隠そうとする

   男「いや、教えてください。」

   ロープ霊「分かりました。えっとマンションの一つの部屋に25人以上幽霊がいます。」

   男「25人。」

   ロープ霊「はい。部屋だけでも。」

   男「え。部屋だけじゃないんですか。」

   ロープ霊「はい。敷地内だけでも数千人は。老若男女。地縛霊から浮遊霊まで。」

   男「え。」

      男はメモやパンフレットを握りつぶす

〇オフィス玄関

      男はそのまま叫びながら逃げ出す

〇オフィス中

      ロープ霊は首に手を当てながら、顔を赤くして苦しむ

      髪女は血をだらだらと垂らす

      うつむき霊は震えだす

END


ここまでご覧いただきありがとうございます。面白ければ評価、ブックマークよろしくお願いします。そして、もし宜しかったら次も見てください。

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