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第78話 世界の根幹にしれっと迫ってみた

78

 干潟にぽっかり開いた穴へ入ると、階段の代わりに坂道があった。相変らず地面は湿っていて歩きづらい。

 その先も一階層と同じ干潟が続いていて、感じられる範囲では、敵の種類も同じようだった。


 強いて言えば、太陽の位置が明らかに低くなっている。

 この迷宮は昼夜の移り変わりが無くて階層ごとに固定なのかもしれない。


「出てくる敵も変わらないみたいだし、飛んでいい? ていうか飛ぶね」


『うい』

『いんじゃね』

『聞いたていをとってるだけな件。まあいんじゃね?』

『決定事項』


 だって、この地面歩きづらいし。


 そうだ、さっきので一応観測できたわけだし、spはどうなってるかな?

 えーっと、一万と少し増えてるか。


 階層移動分で増えた分を引くと、ちょうど一万。

 つまり、魂力に意思を含めた情報が混ざる事で魔力に変化するのが確定と。


 これは、なかなか面白い事が出来そうだ。


 さっきの実験で想定より少量の砂しか乾かせなかったところを見ると、普段の魔法にはもう一ステップあると考えられる。

 普段あって、今ないものって言ったら、術式か。


 少量でも乾かせたことを思うと、この術式の役割は補助。

 術式によって魔法が発動しているのとは少し違う。


 魔法が魔力に込められた情報の具現なら、術式自体を一つの魔法と考えられないかな?

 謂わば、魔法を発動しようとする魔法。

 魔法を発動しようとする意志を具現化した現象だ。


 魂力に魔法を発動するという意思を込めてみる。

 ただし、どんな魔法かは無しで。


「ビンゴ」


 術式だけが構築されて、そのまま霧散した。

 ついでによくよく観察してみると、霧散した魔力は魂力に戻っている。


 なるほどね。

 これ、新時代になって出来た法則の大半が説明できそう。

 始祖とその他の関係とか、spと物の交換とか。


『さっきからハロさん、魔力で遊んでる?』

『え、そうなの?』

『魔力を見れる妖怪私、ハロさんが術式だけ作って魔法を発動させなかったり発動地点をずらして遊んでるのをばっちり見てました!』

『なんかまたよく分からん子としてる』

『まーた新情報をぽんって出す(期待を込めて)』


 あー、そか。

 魔力を視認できる種族も見てるよね。

 一応雑談は続けてたんだけどなー。


 どうしようかな?

 なんか情報開示期待されてるけど。


 まあいっか。

 文明の発展に寄与しよう。


「なんかね、魔力には込められた意思や情報を現象として排出しようとする性質があるみたいなんだよ」


 これもspの増加で答え合わせ済み。


「情報を排出した魔力は、私たち龍が扱ったり、地脈を流れてたりする魂力になるっぽい。それを実験で確かめてただけだよ」


『・・・軽ーく言ってるけど、割とやばい新事実じゃね?』

『世界の根幹に関わりそう』

『もしかしてさっきの砂遊びも砂遊びじゃなかった。。。?』

『ハロさんそれです凄いですやっぱりハロさんです! ハロハロ!』

『うお、ウィンテさん。ちょうど来たのか』

『相変らずの勢い草』

『新事実とウィンテさんの勢いに思考が追い付かん』


 うん、私もびっくりしたよ。

 五十年経っても相変わらずなんだよねぇ。

 私とウィンテさんの百合スレッド、未だに動いてるし。


 これ、画像が投稿出来たら妄想ネタの漫画が溢れてたんだろうなぁ……。

 文字オンリーでよかった。


「そんな事より今は迷宮攻略! サクサク行くよ」


 そんな訳でサクサク行って、四十階層で配信終了。

 だいたい八時間配信して、リザルトは、累計視聴時間がおよそ六百五十万分、総視聴者数約三百二十万人、総コメント数が三千万強。

 獲得spは六千五百万ってところだね。


 初期に比べたら桁がいくつか減ってるけど十分すぎる。


 さて、だんだん水深が深くなっていってる。

 次辺りから潜らないとかなー。


 まあ、細かい事は明日この先を確認してからでいいや。



次の更新は明日です。


魔力と魂力の設定、当初は作中で出すつもりなかったんですけど、やっぱり出すことにしました。

いろんな設定の根っこです。

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