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3庇護者を見つける(前編)


「も、もう、走れない……」


走った疲労感からじんわりと額に汗が浮かぶ。そして、今いる場所を見渡して、ハアハアと呼吸を整える。


「こ、ここは、どこなの」


周りはレンガの建物だらけで、閑散としているからか人の気配もない。


とりあえず、逃げきれたようで、その場でへたり込む。

とにかく逃げないと、と走ったはいいものの、頑張りすぎたようだ。

足に力が入らないし、またもや場所が分からない。


王都なのは間違いないけど、如何せん、普段は自領、シーズンだけ家族に付き添って王都に来るだけなため、詳しくない。


「はあ……でも、とにかく、何とかなってよかったわ…………」


本日一番の脱力。


「でも、これからどうしよう。逃げきれたとはいえ、見つかったら……。ああ、でも、きっと、ローウェルもお父様も探しているわ…………」


災難すぎる……。


嫌々デビュタントに行けば、身売りという名の社交界デビーさせられ、呆然としていればデビュタントで踊る機会を逃す。

そのせいで、化粧室では人の目が刺さり、気落ちして歩いていれば見てはいけないものを目撃。


……あまりに不運だ。


結局、刺客(?)だけでなく、父からも逃げてしまってる。ローウェルも、きっと、父からきつい折檻を受けている。


「わ、わたしは、どうして、こんなに」


ダメな人間なのだろう。


もう、ダメだと思った瞬間、ボロボロと涙が溢れて、止まらない。


「っ、ふ、ぅ、く、ぅ、っ」


ごめんなさい。


失敗ばかりで、ごめんなさい。


当たり前のことが出来なくて、ごめんなさい。


戻らなければと思うのに、足は動かない。

走り疲れたから、じゃない。


本当は、どこぞの富豪に売られるのも、舐め回すように"そういう対象"として求められるのも嫌だった。


でも、逃げれなかった。逃げれないと諦めて、そうすることで、心を守った。


その選択肢を選んだのは、逃げれないとか、逃げた後どうにもならないとか、もちろんそういう考えもあった。


でも、逃げたら、私のそばにいた人はどうなるのか。

想像に容易かった。


私には、人を傷つける度胸も覚悟もない。


それなのに、困る人がいると分かっているのに、偶然の逃走劇で起きたこととはいえ、戻りたくなくて。


誰かを犠牲にしてまで助かりたいと願っている自分に反吐が出る。


ごめんなさい……ごめんなさい。


もはや、走ってる間に折れてしまったヒールも、ぐしゃぐしゃになった髪も、泣いて崩れてしまう化粧も、何一つ気にも留めず、懺悔するかのように私は、レンガの建物裏に凭れながら泣き崩れた。






「……わたし、何してるのかしら」


散々泣き尽くし、ぼんやり空を見上げれば、情けなさに笑う。


泣いてたって、仕方ない。

でも、泣いたからか、少し心が軽くなった気がして、気持ちが上向くのが分かる。


「……よし」


ボロボロの姿を少しでもよくしようと立ち上がる。


「さて。……ふむ、とりあえず、ヒールは、もう片方も折りましょうか」


片方だけ折れていて、歩きにくい。


とりあえず、もう片方も折って、高さを合わせれば歩きやすいかしらと思いついたままにヒールを折る。


「ん、思ったより頑丈なのね……んー……えいっ」


周りを見渡し、傍にあったレンガブロックを持ち上げ、そのままヒールに振り下ろす。


何度か繰り返せば、ヒビが入ったのが分かる。


力づくだけれど、そのままポキッと折った。


履いてみれば、多少はぐらつくも、先程よりはマシになったので履く。


服は軽くハタキ、髪も簡単にまとめ直す。


メイクだけはどうにもならないので、あとでどこかで落とさせてもらおう。


「……とりあえず、水が欲しいわね」


メイクを落とすのもだが、急に走ったため喉がかわいてしまった。


音のする方に行けば、何かあるかもしれない。


そう思い立てば、音のする方に、なんとなく、こっちがいい気がした方にトボトホ歩き始めた。


「………………………………………………」


そんな私の様子を、誰かが、影からじっと見つめていた。

(まるで、ウェディングドレスに身を包んだ花嫁と逃避行してる気分だな)と書きながら思いました。


日常なのか、恋愛なのか。曖昧なものを書いてます……。


とりあえず、投稿。そして、編集して書き直すスタイルで行きます。書きなれてないのが丸わかりですね……。書く練習から始めてますのでお許しください……。

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