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無名頂上種の世界革命  作者: 福部誌是
2 炎のヴァーテクス
11/119

2-5

 

 自分で倒した敵、炎のヴァーテクスとの邂逅。


 建物から出てきた奴を見詰めて、思わず男の名前を口にした。


「―――――フローガ!?」


「様を付けろ!」


 稲妻のように早く、高圧的なツッコミに俺は背筋をピンッと伸ばして慌てて訂正した。


「ぁ……フローガ様!」


 俺の言葉に、チッとわかりやすく舌打ちをするフローガ。

 その後、アンジェリカと睨み合ったのちに再び顔をこちらに向けた。


「……なまえは」


 突然のことに理解が追い付かない。「えっ」と息をもらして固まる。


「てめえの名前を聞いてんだよ!」


 高圧で傲慢なその態度に逆らうことなどできず、


「タクミです」と直ぐに答える。


 すると、ふん、と鼻を鳴らして歩き出し、俺たちを通り過ぎて大通りに出ようとした。


「……ま、待って……ください」


 慌てて丁寧な言葉を付け足す。フローガは足を止めてこちらを振り返った。


「どこに、行くんですか?」


 恐る恐る聞く。


「なんでてめぇに言わなきゃいけねぇんだよ」


 返ってきた怒鳴り声は話し合いを放棄するものだった。

「す、すみません」

 条件反射で謝ってから顔を上げる。


 フローガは分かりやすく再び舌打ちをすると、歩みを再開させた。その後ろ姿はどんどんと小さくなっていき、やがては人の群れの中へと消えていった。






「……どうやってフローガに襲わない事を誓わせたの?」


 流れる人の集団を見詰めながら、隣のアンジェリカに問う。


「フローガが起き上がるよりも早く剣を喉に突き当てたの」


「……うん。それで?」


「ここで、殺さない変わりに、しばらくの間……少なくとも10日は私たちに危害を加えない事を承諾させたの」


 簡潔に答えるアンジェリカ。



「……うん。つまり脅したのか」



「ええ。誰だって命は惜しいでしょ」


 一度誓わせてしまえばヴァーテクスとしてのプライド故にそれを破ることはない。

 つまり、10日間はフローガが襲ってくることはないということだ。


 深く息を吐いて、現実を呑み込んだ。

 自分たちの安全が確保できていることを確認できたためか、肩の力が抜けた気がした。


「……じゃあ、みんなを捜しいこうか」


「うん」


 俺たちは来た道を引き返した。







 大通りまで戻ると、鉢合わせする形でアルドニスたちと合流した。


「お、タクミ!」


「アルドニス」


「どこ行ってたんだよ。勝手にはぐれやがって」


 小突いてくるアルドニスに体勢を崩す。

 その横で、ドミニクさんがアンジェリカに頭を下げた。


「はぐれてしまい、すみません」


「いいのよ。こうして無事に合流できたし。祭りで気分が上がってしまうのは誰にでもあることよ」


 ヴァーテクスとしての彼女は毅然としている。

 今の彼女からは、さっきの見た目相応の少女らしさは微塵も感じられない。


「これからは、はぐれないように注意して歩きましょう」

 ローズさんの声に皆が了承する。


「そういえばよ」


 暫く歩いたところで、ふいにアルドニスが口を開いた。


「タクミはなんでヴァーテクス様に攻撃ができるんだ?」


 先送りにしていた疑問を口にした。


「確かに、不思議よね」

 と顎に手を当て首を傾げるローズさん。


「……俺にはみんなの攻撃が通らないことの方が驚きだよ。……どういう風に通らないんだ?」


「うーん、口で説明するのは難しいですね」

 とドミニクさんが眉を寄せる。


 すると、アンジェリカが、「そうだわ」と声にする。

 みんなの視線が彼女に集まる。アンジェリカは胸を張ってから、


「実践しましょう。アルドニス、私を殴ってみて」

 と口にしたのだった。


 みんなの足が止まる。

 言葉を理解するのに時間がかかってしまった。


「はい!?」


 と驚いた様子で声を上げるアルドニス。


「嫌ですよ!」

 と間髪入れずに拒否を示す。


 そりゃあ、そういう反応になるわな。


「だって、言葉で説明するよりも実際にやってみせた方が早いでしょ?」


 その言葉に黙ってしまうアルドニス。

 彼は暫く悩んだ後、アンジェリカを見詰めて小さく口を開いた。


「……怒らない、ですか?」


 少し、しおらしい姿はまるで子犬のようだった。


「うん。怒らないわ」


 対するアンジェリカはにっこりと笑って胸を張った。


「ふんすっ」と鼻息が聞こえてきそうな様子だ。



「……絶対ですよ?」


「ええ。私を信じて」


 アルドニスは渋々腕を伸ばして、アンジェリカに拳を向けた。

 それは虫の衝突よりも弱弱しい一撃だった。


 だが、拳はアンジェリカに当たる寸前で見えない壁に阻まれて弾かれる。

 つまり、不可視の壁により物理的に防がれたのだ。


 その光景を目にして、思わず息を呑んだ。



「―――――A〇フィールドみたいだ」


「なんて?」


 聞き返されて我に返る。


「あー、何でもない。ちょっと有名なバリアに似ていただけだ」


 そう答えるとアルドニスは「ばりあ?」と首を傾げた。


「今みたいな感じで、普通は人間や怪物の攻撃がヴァーテクスに通ることはないわ」


「……人間はヴァーテクスに触れないってことか?」


「いいえ。あくまで攻撃が当たらないだけよ」


 そう言ってアンジェリカはアルドニスに向かって腕を伸ばす。

 今度は弾かれることなく、その手はアルドニスの方に触れた。


「人間の方が触ろうとしても触れるのか?」


 一応、確認をとる。すると、アルドニスが頷いて肯定する。


「なるほど。攻撃だけが弾かれるってことか……じゃあ、なんで俺の攻撃はフローガに通ったんだろう」


 うーん、と頭を捻る。


「うん。分からない。つまり、俺だけが持つ特殊な能力ってことだな」


 ドヤ顔で呟いてみせる。


「流石、異世界転生だ。この世界はオタクの気持ちをしっかり理解しているな」


 小声でつぶやいてガッツポーズをする。


 みんながシーンと静まり返り、冷たい視線が刺さる刺さる。


「……特殊、能力」


 そんな中、アルドニスが口を開いた。


「すげー! いいなぁー。かっこいいぜ!」


 真っ直ぐにこちらを見詰めてくるアルドニスの瞳はキラキラと輝いて見えた。


 慌てて顔を逸らす。顔が熱を帯びているのを感じる。


 他人から「かっこいい」と言われることが、こんなにも恥ずかしくて嬉しくて、気持ちのいいことだとは知らなかった。


 なるほど。他人に認めてもらう快感に溺れる人の気持ちが分かった。たしかに、これはクセになりそうだ。


「……顔が気持ち悪いことになってますよ」


 放たれた言葉にザクッと一刀両断される。修行の時からそうだったが、ドミニクさんは意外と他人に厳しいところがある。


 にやけていた顔を戻して反射的に叫ぶ。


「仕方ないじゃないですか! 他人からかっこいいって言われるの初めてなんですから」


「ふふふ、ムキになっちゃって可愛いわね」


 にこにこしながら俺の頭を撫でてくるローズさん。


 相変わらず、この人は何というか距離が近い。


「こ、子ども扱いしないでください」


 アンジェリカの手前、これ以上撫でられるわけにもいかない。


 一歩後ろに下がって彼女の手から逃れる。


「冗談はここまでとして、明確な答えがわからない問題をこれ以上考えても意味はありません」


 ドミニクさんの言葉に「そうですね」と頷く。

 まだ確かめたいこともあるが、それはまた今度でもいいだろう。


「アンジェリカ。次の標的はどんな奴なんだ?」


 アンジェリカの目的は人間から恐れられているヴァーテクスを倒すことだ。

 フローガを倒したからには次の標的と戦わなければならない筈だ。


「……次は怪物のヴァーテクスに挑むわ」


「怪物の、ヴァーテクス?」


「その名のとおりよ。怪物を産み出し、人々から恐れられている」


 その言葉に息を呑んだ。


「ちょっと待て。怪物を産み出しているのがヴァーテクスなのか?」


 それは、俺にとってかなり大きな驚愕の事実であった。

 みんなは俺を見て、きょとんとしている。どうやら、俺が何に驚いているのか分かっていないようだ。


「そう、だけど。……なにかおかしいのか?」


 アルドニスが首を傾げる。


「いや、ちょっと意外だっただけ」


 従来の作品に登場する怪物や魔獣の出生は複数に別れる。

 俺は勝手に怪物は親怪物から生まれ、人間やほかの動物と同じように生命のサイクルが回っているのだと思っていた。


「……なるほど。そっちだったかぁ。人間側のヴァーテクスに敵対しているヴァーテクスが産み出しているってことか」


「……話を戻したいのだけど、いいかしら?」


「ああ、うん。構わないよ」


「怪物のヴァーテクスに挑む前に武器を沢山買わないといけないわ。そのために商業が盛んな街に向かう必要がある。明日この街を出るから、準備しといてね」
















 次の目標が告げられた後は、みんなで祭りを回った。

 幸いなことに街の人にアンジェリカの正体がバレるというようなハプニングは起きなかった。


 煌点が沈むころには部屋に戻り、街を出る支度をしてから水浴びをした。

 その水浴び方法は木を切るなんてめちゃくちゃなものではなく、街に設けられた井戸から水を汲むという昔の習慣じみたものだった。


「安心したぜ。街の中はちゃんと井戸があるんだな」


「あたりまえだろ。何に安心してるんだよ」


「街の中で木を切断するという変な作業が発生しなかったことに対する安心だよ」


 水浴び場から部屋に戻る道をアルドニスと並んで歩く。

 石造りの建物。その廊下には等間隔で照明と部屋が並んでいる。

 照明は電気ではなく、発光する鉱石でできているようだ。


「木を切るのがそんなに変か?」


「木材が欲しいときは木を切るけど、水浴びをするために木を切る世界なんて初めて聞いたよ」


「タクミがいた世界はカワって言うところで水浴びをするんだったな」


「いや、違う。そんな原始的な方法で水浴びをするのは一部の地域だけだ」


「え、じゃあどうやって水浴びしてたんだ?」


「こっちの世界にはシャワーっていう水が出てくる装置があってだな……」


 簡単に、俺が伝えられる知識で説明する。


「おい、すげーな。便利すぎるだろ!」


 アルドニスの反応は聞いていて気持ちがいい。

 まるで無邪気な子供のみたいなはしゃぎようだ。


「……そういえば、この世界には風呂はないのか?」


「フロってお湯につかる為の部屋か?」


「お、あるのか」


 風呂があるなら満足するまで温かいお湯に肩まで浸かりたい。流石に地球の暮らしが恋しくなってきた。


「あるけどヴァーテクス様しか入れないぜ」


「………………マジ?」


「ああ。まじだ」


 その言葉に軽く脳震とうを感じた。


「くそー、優遇されすぎだろ。この差はなんなんだよ」


「おっそろしい事を口にするな。もっと言葉に気をつけた方がいいぜ」


「……そうだな。忠告ありがとう」


 素直にお礼を言って立ち止まる。

 気が付けば、もう寝室の前だ。


「じゃあ、また明日な」


「うん。おやすみ



 挨拶をしてアルドニスと別れる。

 バタンと扉が閉められたのを確認してから歩みを再開させる。

 隣の部屋を通り過ぎて、廊下の奥へと進む。


 オレンジ色に光る鉱石に見惚れながら、一番奥の扉の前で停止する。

 そして、その扉を軽く叩いた。


 中から返事が返って来る。


 高鳴る心臓と格闘しながら待つこと数秒。

 静かに扉が開かれた。姿を現すのはアンジェリカだ。


 まだ髪をツーサイドアップに束ねていて、白いドレスのような服を着ていた。



「話の続きを聞きに来ました」


「わかったわ。入って」


 部屋の中に通されて、それに従う。

 あくまで客室である。そんなに緊張することではない。


 それでも、女性の部屋に入るのは初めてでその事実に更に心臓がうるさくなる。

 部屋の中は自分の部屋と変わらない。ベッドとタンスなど、ちょっとした家具が置いてあるだけの簡素な部屋だった。


 分かっている。

 俺はただ話に来ただけだ。昼の話の続きをしに来ただけ。



 そこに他の意味なんてない。それは分かっているのに、変なことを意識してしまう。


「タクミ?」


「ひゃい!」


 名前を呼ばれて咄嗟に声が上ずる。

 そんな俺をみてアンジェリカは小さな笑みをこぼした。


「えっと、大丈夫?」


「は、はい。大丈夫です」


「じゃあ、楽にしていいわよ」


 促されて、戸惑いつつもベッドの上に腰を下ろす。

 アンジェリカは俺の横に座ってきた。


「―――――つ!」


 ビックリして言葉を呑み込んだ。


「昼に、お願いしたいことがあるって言ったじゃない?」


「う、うん。確か話すときに畏まらないで欲しいって」


 昼の事を思い出して口にする。


 アンジェリカは「うん」と頷いてから言葉を続けた。


「他にもお願いしたいことがあるのよ」

 彼女は俯いて、少しだけ口を閉じた。


「私、初めてタクミに会った時からタクミの事を特別に感じていたの」


 その言葉に息をこぼす。

 高鳴っていた心臓が更にうるさくなる。

 その言葉の意図を聞きたくて言葉を呑み込む。


「貴方は私を知らない唯一の存在だったから」


 それは俺の欲した答えとは異なるものだった。


 だから、反応に困った。何を言えばいいのか分からない。


「この街に来る前に私が言ったことを覚えてる?」



 唐突に、話題が変わり頭の中が真っ白になる。

 直ぐに記憶を探って答えにたどり着く。



「……アンジェリカには異名がないってこと?」


「それの前よ。私は1人で挑んで、1人で戦って、1人で倒すつもりだった。でも、できなかった。私はフローガに敵わなかった」


 その言葉には悔しさが滲み出ていた。


 フローガをひとりで倒せなかった。どうやらその事実は彼女には重いものらしい。


「だから、これからも力を貸してほしいの」


 それは力のこもった懇願だった。

 揺れる瞳が湿っていて光を反射していて綺麗だ。



 答えに迷うことはない。


 だから、直ぐに答えようとして……

 声が出ないことに気が付いた。


 アンジェリカはジッと俺を見詰めて答えを待っている。

 直ぐに声を発しようとして、―――――コンコンと部屋の扉がノックされた。


 2人だけの空間にノイズが混じったことで、我に返る。

 いつの間にか忘れていた呼吸を再開させる。

 2人で扉を見詰める。


「この街の長ですが、アンジーナ様いらっしゃいますでしょうか」


 扉の外から聞こえてきたのは掠れ気味の男性の声だった。


「ええ、いるわよ」


 アンジェリカは立ち上がって返事をする。


「夜遅くにすみません。お伝えしたいことがあります」


「今、あけるわね」

 そう言ってベッドから離れて扉に近寄るアンジェリカ。


 彼女が扉を開ければ、そこには1人の老人が立っていた。

 その姿には見覚えがあった。フローガが街に戻ってきたときに話しかけた老人だ。

 彼の眼の下は赤く晴れていて、やつれているようだ。


 たしか、この老人は息子をフローガに焼き殺されている。

 つまり、アンジェリカに感謝を言いに来たのだろうか?


 老人は身を低くしながら口を開いた。


「アンジーナ様。どうか、早めにこの街から出て行ってもらえませんか」


 その言葉に思わずベッドから立ち上がる。




 ―――――は?



 奥歯を噛み締めて、牙を剝き出しにする。


「ふざけんな! どうしてアンジェリカがそんな風に扱われないといけないんだよ!」


 老人の胸ぐらを掴む勢いで突っかかる。


「失礼なことは充分に承知しています。こんなことを申すのは筋違いだという事も」


「タクミ、私は大丈夫だから離れて」


 老人の必死な訴えとアンジェリカの声が重なる。

 俺は渋々1歩下がって老人から距離を取る。

 大きく息を吸って怒りを抑える。


「……わたしを含めた多くの者が今回の件でバジレウス様を恐れています」



 バジレウス。

 また、その名前か。

 この世界に来て何度もその名前を聞いた。

 全能の存在。この世界の主神的存在。

 顔も知らないそいつが煩わしい。



「……分かったわ。今夜中にこの街を出るわ。だから安心して」


 その微笑みは悲しみを隠しきれていなかった。


 誰が見てもそれは明らかな作り笑い。だというのに、老人は安堵の息をこぼして「よかったです」と呟きやがった。


 拳を握り締めて、歯を砕く勢いで噛み締める。


「タクミ、ドミニクたちを呼んできてもらえる?」


「…………わかり、―――――」―――――ドン!!


 その言葉を最後まで発するよりも早く、落雷が落ちたような音と衝撃が俺たちを襲った。

 建物が僅かに揺れる。状況が把握できない中で、体勢を保って倒れそうになるアンジェリカを支える。


「―――――ありがとう」


「いえ。しかし、一体なにが?」


 アンジェリカは廊下の窓から外を覗いた。

 それに続いて、後ろから外を覗く。


 外の様子はないも変わっていない。

 否、ここからでは何が起きたのか分からない。



「外に行ってみましょう」


 アンジェリカに釣られて走り出す。すると、廊下の隅で腰を抜かす老人と目が合った。

 アンジェリカの視界には入らなかったようだが、彼は全身を震わせて怯えていた。そんな老人を見て見ぬふりをして建物の外へと向かった。


 それは、建物の外に出た時だった。


「アンジーナ!!」


 まるで獣の咆哮のごとき声が耳に届いてきた。

 アンジェリカの背中に追い付き、脚を止める。


 彼女の視線の先を目で追う。







 街の中央広場。その中心で1人の女が何かを叫んでいる。

 白と青の騎士服のような装束を纏い、青色の長い髪を頭の後ろでひとつに縛っている。

 服の上からでも分かるほど肩幅が広く、もう少し遠くから見れば男に間違えたかもしれない。


 俺たちのいるところから50メートルほど離れた場所で叫んでいる女。

 その声の意味を次第に理解していく。



「アンジーナ! よくもバジレウス様を裏切ったな!」


 その怒号は大地を揺らすほどの声量で聞いているだけで圧倒されてしまいそうだった。


「……ユースティア」


 目の前で、アンジェリカがそう呟いた。


「ゆーすてぃあ?」


 オウム返しにその言葉を口にする。

 すると、それに答えるように彼女は口を開いた。



「……秩序のヴァーテクスよ」



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