中二病
二人「はいどうもー」
ツッコミ「突然だけど子どもの頃の夢とかって覚えてる?」
ボケ「覚えてるよ~、聖騎士!」
ツッコミ「おぉ…プロ野球選手とか宇宙飛行士とか言うのかと思ったからちょっと意外なのでてきたけど、幼稚園くらいのころの夢?」
ボケ「いや、中二くらいかな」
ツッコミ「え?」
ボケ「いや、だから中二、14歳くらいの頃かな!」
ツッコミ「待って待って、えぇ~…思いっきり中二病だった感じ?」
ボケ「え!?俺病気だったの…?」
ツッコミ「あぁごめん、いやそういう深刻な感じの病気じゃなくて…って中二病知らない!?ちょっとこう、浮世離れした想像をしたりとか、自分と全く違う人物を演じてみたりとか、そういうことしてなかった?」
ボケ「あ、そういうのは無いよ。」
ツッコミ「え、でも中二で聖騎士になりたかったんだよね?」
ボケ「うん、聖剣エクスカリバーを携え、愛馬グリーンエメラルドと共に戦場を駆ける…」
ツッコミ「それそれそれ、まさにそれだよ!てかなんだグリーンエメラルドって!そりゃエメラルドなんだからグリーンだろ!シンプルにエメラルド号とかのほうがしっくりきそうだけど」
ボケ「あぁ!なるほどね!吉田君が考えてくれたんだけど、確かにそっちのほうがいい感じだわ~、ありがとう!」
ツッコミ「いや、吉田君って誰!?」
ボケ「え!吉田君だよ、知らないの!?中二の時のクラスメイト」
ツッコミ「知らないよ!そもそも聖騎士なんて中二にもなって抱く夢じゃないでしょ。なれるわけないじゃん」
ボケ「この愚民が!誰に向かって口をきいておる!?」
ツッコミ「なんか始まった!」
ボケ「この私こそが、魔王の第三秘書である父と、精霊の女王のいとこの姪である母との間に生まれた…」
ツッコミ「待って!おかあさんのところもう一回聞かせてもらっていい?」
ボケ「精霊の女王のいとこの…なんだっけ?」
ツッコミ「自分で作った設定忘れちゃってるじゃん…」
ボケ「精霊の女王の親戚である母との間に生まれた…」
ツッコミ「そもそも自分で作った設定なんだからもう魔王である父と妖精女王である母でいいじゃん!」
ボケ「何そのかっこいい設定!?」
ツッコミ「逆に何で最初からそうしなかったのかが謎だよ!なんだよ魔王の第三秘書って!」
ボケ「だって吉田君が『お前って魔王っていうより魔王の第三秘書の子どもっぽいなって…」
ツッコミ「だから吉田君って誰!?」
ボケ「え!吉田君知らないの!?俺の師匠だよ!」
ツッコミ「だから知らないって!しかもさっきはクラスメイトって言ってたじゃん!っていうか、その吉田君の影響で中二病になったんじゃないの?」
ボケ「僕を中二病呼ばわりするのは良いけど、吉田君は関係ない!」
ツッコミ「『お前って第三秘書の子どもって感じするよな』とか言ってきた相手をよくかばえるな!ってかついさっきまで中二病を知らなかったわりに『中二病呼ばわり』って…言われるの嫌だったんだね、なんかごめん。」
ボケ「いや、俺の方こそ急に大きな声出してごめん。でもスッキリした、自分がなんか周りと違うなって思ってたのは中二病だったからなんだって分かったし。吉田君よりも良い師匠が見つかったし。」
ツッコミ「吉田君より良い師匠?」
ボケ「今日からよろしくお願いします!師匠!」
ツッコミ「いや吉田君と共に中二病も卒業しろ!もういいよ」
二人「ありがとうございましたー!」