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喪失と出会い

これは今から少し前あったかもしれない一つの物語


再開発され整った街並みを夕日が照らす。

その町、明星町を一人の少年が歩いていた。

ポケットから一枚のカードを取り出し呟く。


「なんでこんなとこ歩いているんだろう」


そうして先ほど起こった、不思議で現実とは思えない出来事を彼、黒城(くろき) 志門(しもん)は思い出した。


数時間前 黒城宅

志門はいつものように数学と言う名の暗号に負け寝ていると、あまりのうるささに目が覚める。

鳴っているのは火災報知器の様だ。

驚き逃げようと1階に降りると既に火が回っていた。


「母さん」


と、その声に気がついたのか、志門の母親が駆け寄ってくる。


「志門!」


突然押し飛ばされたと、思ったら家の外にいた。

何が起こったのか把握出来ずに呆然としていると


「そのカードを持って逃げて!」


その声と同時に家の崩れる音がした。

一緒に推し飛ばされたのか、足元に1枚のカードがあった。

カードを拾うとそこには角の生えた馬が描かれていた。

あまりの出来事に混乱していると、怪しい男たちがいるのに気がついた。


「もたもたするな、ブラックレインに消されたいのか!」


一人の男がそういうと他の男達も焦ったように逃げ去っていった。

もしや放火犯なのではと追いかけようとする。


「痛!」


足を挫いてしまっていたことに気がついた。

もう一度見ると、男達が見えなくなっていた。


「クソッ!」


志門は悪態を突いた。

足を組み、カードを見ながらこれからのことを考えていた。


「これからどうしよう」


カード持ちながら痛む足をさすると、カードが光り、足の痛みが引いてゆく。


「もしかしてこのカードが、ユニコーンの伝承通りけがを治してくれたのか?」


動けるようになったことを確認して歩き始めた。

するとさっき怪しい男達がいた辺りにカードが落ちていることに気がついた。

そして、燃えている蜥蜴が描かれたカードを拾い、ふたたび歩き始めた。



そして今に戻る

曇った空を見ながら、結局誰に頼っていいのかも分からず夜の町を歩いていた。


彼は天使に出会った。

雲の切れ間から月明かりが差し込みその少女を照らす。

美しさに見とれていると、その少女は鉄橋の上に立ち、今にも飛び降りそうなことに気づく。

止めようと駆け寄り、強引に降ろす。


「きゃっ」


と悲鳴を上げた後志門のことを見上げながら話しかけて来る。


「なんで死なせてくれなかったの?」


志門は当然の様に答えた。


「お前が生きてるからだ、生きてればなに事もなんとかなるさ」

「なんとかなっていれば死のうとなんてしてないわよ」


志門は不思議そうに問いかける。


「どういう事だ?」


悲壮そうに彼女は呟く


「私は後数ヶ月の命なのよ」


その時ポケットの中のユニコーンのカードを思い出した。


「このカードがあれば治せるかもしれない」


そう言うと志門はポケットからユニコーンのカードを取り出すと彼女の手に触れた

(これでなんとかなるの?)

彼女はそう思った瞬間、不思議なことに今まであった苦しみが突然消えていったのだ。


「ありがとう」


彼女はお礼を言うと志門に質問した。


「どうしてこんな時間に歩いていたの?」


志門は今までの出来事を話した。

火事で家が焼けたこと、家族を目の前で失ったこと、そして不思議なカードを手に入れた

こと。


「そういえば、君の名前は?」


「あら言ってなかった?私の名前は今宵(こよい) 時雨(しぐれ)よ。 あなた、今家がないのよね?」


「ああ」


「じゃあうちに来る?」


「えっ」

初投稿なので温かい目で見ていただけると嬉しいです。

感想とかもお願いします。(暴言や誹謗中傷はおやめください)

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― 新着の感想 ―
[一言] 本当に初投稿か?と、思うくらいしっかり書かれていますね。 次回が気になる展開で終わってて次も読みたくなりますね! 面白かったです! これからも頑張ってください!
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