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天守

小国の高峯の城に比べて城山の城は大きくて立派だった。二の丸等のくるわに囲まれた本丸の奥に一際ひときわ高い建物が別にあった。城内の一番高い場所に建てられた大櫓おおやぐら天守てんしゅと呼ばれていた。城主はその最上階にいると言う。

 あきは緊張してただ黙って森について行く。森もただ黙って暁の前を歩く。

 暁には聞きたい事が山ほどあったが、事情が分からない今、下手に何か言う事もできずに不安だけを抱えていた。

 城主は暁の父の名を知っていたのか?その為に呼ばれたのだろうか?それとも本当にただ東国の様子を聞きたいだけなのか?豊川国が何か言ってきているということだった。もしかして百合の事で暁を豊川に引き渡すのか?だが、暁は百合に毒殺の疑いはかけられたものの、実際は百合は鬼に喰い殺されたはず。直接その死に関係してはいないし、城山の城主がそんな経緯を知っている筈もない。

 普段は滅多に人に会わないという城主が森曰く『珍しく直々に』暁に会うという真意は何なのか?暁は広い城の中を右も左も分からないまま、しかも考え事のため、周りをよく見ることも無くただぼんやりと森の後ろを歩いていた。

 森も黙っていたのは考え事をしていたからだった。最後に城主と会った時の会話を反芻していた。豊川から城山と同盟を結びたいという書信が届いた件で城主と相談しているところだった。

 『そういえば先日盗賊に襲われた娘を保護したのですが、何でも豊川の隣国、高峯の出身とか。一度それとなく様子を聞いてみましょう。』

 『ほう。ならば一度ここへ連れて来い。わしが使えそうかどうか見定めてみよう。』

 『はっ。では後ほどこちらへ連れてまいります。』

 そう答えた時の自身の顔はさぞ驚いていた事だろうと思う。口数の少ない城主は敢えてそのようなことを指摘したりはしないだろうが。他国からの旅の娘一人を取り調べる位、城主が自らすることではなかった。しかも天守に連れて来いとは?

 天守は限られた者しか立ち入りを許されない場所だった。常にそこに出入りしているのは城主と、城主に会いに行く森くらいだ。他の武将も滅多な事では呼ばれる事がない。『使えるかどうか見定める』と城主は言っていた。豊川との事で何かに利用する気なのだろうか?それも極秘で。そう考えることしか、森は納得できる答えを見出せなかった。

 二人は本丸を抜けて天守の前に来た。暁はそこで初めてその高さに気付いた。感心して上を見上げると鷹が一羽、天守の屋根の周りを回っていた。

 天守の入口に二人の守衛が立っていた。二人は森に頭を下げた。森は入口にぶら下がっている紐を引いた。すると程なくして入口付近の別の場所に下がってた鈴がリンリンとなった。それが合図なのだろう。鈴の音を聞くと森は暁を促して中へと歩を進めた。

 天守はまだ新しい木の臭いがした。

途中の階には何も無く、誰もいない。矢狭間やざまおぼしき小窓から差し込む光だけが磨かれて黒光りする床板の上に細長い模様を描き出していた。平時だからかも知れないが、こんなに無防備でいいのだろうか?と暁が余計な心配をするほどに何の備えも無かった。

 二人はひたすら階段を上った。最後に今までよりも狭くて急な梯子はしごの様な階段があった。

 「この上にお館様が居られる。上がったらすぐに座して頭を低くし、お館様からお声がかかるのを待つように。」

 「はい。」

 答える暁の中で緊張が益々強まる。暁は森の後ろを少し間をあけてついて上がった。

 「お館様、森でございます。例の者を連れて参りました。」

 「よし。通せ。」

 階上に頭が出るか出ないかのところで森が城主の許可を得る。森が先に上がり、平伏すので暁もまともに城主の顔を見るまでもなく同じ様に土下座して頭を下げた。

 「ご苦労。お前はもう下がれ。何があってもわしが呼ぶまで上がって来るな。」

 「はっ。」

 暁とほぼ入れ違いに森が階下へと消えて行った。暁の胸が激しく脈打った。城主の声には聞き覚えがある。聞き間違えるはずのない、聞き慣れた声だ。暁は胸の動悸を抑えながら、恐る恐る上目遣いに城主の方を窺った。

 「もう顔を上げていいぞ。」

 城主がそう言い終らない内に暁は顔を上げていた。そして、城主の顔をみるなり声をあげる事すらできずに固まってしまった。あまりの恐ろしさに、全ての動きが止まってしまったのだ。

 暁の目に飛び込んできた姿、それは那由他と瓜二つの顔。ただ違うのは髪と瞳の漆黒に、那由他よりも大きく長い角。そして見るものに死を確信させるほどの恐ろしい気迫。見慣れたはずの整った顔が、色と纏う空気が違うだけでこんなにも恐ろしいとは想像だにしなかった。それは、その者が内包する力が告げる警鐘。強大な力がその存在を抑えきれずに外に漏れ出しているかのようだった。そして今、暁は漸く臨元斎の言葉を理解した。『奴の顔を見るだけで魂が摩り減っていく気がした。』

 暁はあまりの恐ろしさに、相手の目を見る事ができなかった。目を逸らして、やっと口が言葉を紡いだ。

 「あなたが、刹那せつな?」

 「ああ。一応今はな。」

 「それはどういう意味?那由他なゆたを呼んで一壺天いっこてんに戻るという事?」

 「必要ならばな。それにしても結局お前はここに辿り着いてしまったんだな。折角あっちに任せて泳がせておいたというのに。」

 「どういう事?那由他は?那由他は今どこにいるの?」

 兎に角怖かった。那由他に傍に居て欲しかった。元は一つだというのに、何故こうも違って感じるのか不思議だったが、逆にこんなに恐ろしい相手にまともに口を利く事ができたのは那由他に慣れていたからだろうとも思えた。

 「全く今頃呼んでも遅いんだよ。」

 「那由他!」

 刹那の後ろの屏風の脇に、まるで屏風の金碧画こんぺきがから溶け出してきたかのように、いつの間にか那由他がいた。

 那由他の姿を目にした途端、暁の緊張が解けた。ずっと待ていた、期待していた、那由他が暁を助けに来てくれた瞬間だと勝手に確信した。顔にも声にも喜びが隠せなかった。

 那由他がいる。それだけで暁は安堵を覚え、一瞬だが刹那の存在を忘れた。

 「何だよ俺がいなくてそんなに寂しかったのか?もっと素直にしてれば側にいてやったのに。本当に捻くれた意地っ張りだな、お前は。」

 「そういう言い方するから素直になりたくてもなれなかったのよ。」

 「あれ?自分が捻くれてるのを俺のせいにする訳?じゃあ何で困ったときには『助けて下さい』とかちゃんと人にものを頼む態度を取れなかったのかなぁ?自分で勝手に面倒に巻き込まれたくせに俺が助けないからって俺を恨むのは筋違いってものだろう?」

 何をどう、とは言わなかったが暁には身に覚えのある事だった。確かに暁が一人で窮地に陥ったとき、那由他は助けてはくれず、暁は那由他を恨んだが、今思えば暁自身、那由他に助けを求めた事もなかった。助けを求めてもいない者を助けるような親切を当然の事の様に相手に期待していた自分の厚かましさが恥ずかしくなった。

 「そうね。その通りだわ。」

 「今度はやけに素直だな。山賊に襲われた時もそれ位素直に助けを求めてればちゃんと助けてやったのに。」 

 「何、それ?私があんな目にあってるのに黙って見てたって言うの?」

 「見てたも何も、お前に蹴られて歯を折られたのは誰だと思う?ちゃんとすぐ側にいてやったのにお前が助けを呼ばないからだろうが。頼まれてもいないのに余計な人助けをするのも馬鹿々々しいし。まぁ、結局は逃げる手助けくらいはしてやったことになるが。」

 あの山賊の一人に化けていたということか?あの後から遅れて来た男が那由他だったということか?急な話に混乱しつつも事情が分かってきた。

 「縛られて猿轡まで噛まされてたのに呼べるわけないでしょう?」

 「心に念じるくらいはできただろうが?なのに自分が勝手に一人で動いたくせに助けに来ない俺を馬鹿呼ばわりしてなかったか?」

 「何で知ってるの?」

 「お前の考えてる事は全部俺に筒抜けなんだよ。いまだに気付いてなかったのか?」

「…。」

 思いも寄らない言葉に暁は絶句したまま、耳まで真っ赤に高潮していた。今まで那由他に抱いていた思いや、ここに到るまでの迷いを那由他は全て知っていたなんて。全てを知った上で暁をからかっていたなんて。恥ずかしくて、悔しくて、それ以上の考えも言葉も浮かばなかった。

 「さてと、これからどうするかな?」

 「もうこれ以上待っても無駄だ。手っ取り早く取り戻すか?」

 刹那が暁に近付く。手を伸ばして暁の顔を自分の方に向ける。暁は怖くて抵抗できなかったが、目だけは逸らし、那由他を見詰める。助けを求めて。

 「こいつは目を合わせてはいけないと判ってるようだな。えぐり出すしかないか?」

 「どっちにしろ今のままじゃ無理だ。一壺天に戻ってみるか?」

 那由他と刹那の会話はまるで独り言のようだった。心の内の葛藤をそのまま表に出したような、そんな会話だった。暁は那由他が助けてくれると期待していただけに那由他自身の口から『一壺天に戻る』という言葉を聞いた途端、全ての希望を打ち砕かれたような気になった。胸をズタズタに切り裂かれたような痛みが走った。

 「那由他、待って!私は、一体何のために今まで那由他と旅して来たの?」

 「お前にこれをやろう。続きは一壺天に聞け。」

 那由他が伊邪七岐の包みを暁に差出した。刹那が暁から手を離し、一歩退く。暁はただ首を横に振って後ずさる。

 那由他はそれ以上追っては来ず、伊邪七岐を暁の前に置くと、刹那の方に向き直る。刹那の目は暁を見据えたままだ。

 「那由他、待って!」

 刹那に見据えられた恐ろしさに、立ち尽くす事しかできず、それでも暁は声を大にして叫んだ。

 那由他は暁を振り返る事もなく、そのまま刹那に重なる。那由他が刹那に触れた部分からちりちりと光が漏れ、まるで影が吸い込まれるかのように、那由他は刹那の中に消えて行く。二人の姿はまるで陽炎のようにゆらゆらと揺らめきながら一つに重なっていく。那由他が完全に消える瞬間、刹那から眩い光が迸り、暁は耐えかねて目を逸らした。

暁が逸らした目を戻すと、刹那と同じに見えるのに明らかに刹那ではない鬼がそこにいた。黒い髪、黒い瞳、角は更に長く伸びている。何が違うのかと言えば、同じ黒でも更に艶やかな黒だという事と、纏う気が更に恐ろしいという事だけ。暁は今度は目を逸らす事ができなかった。自らの意思で目を逸らす事すら許されない程の圧迫を感じたからだ。『これが、一壺天?』思ったが、言葉が出なかった。

 一壺天と暁の目が合う。暁は恐ろしさで涙が出そうだったが、目を逸らす事ができなかった。痛いほどの眼差し。意識が遠退きかけたが、何故か一壺天の方が瞬きをし、暁ははっと自分を取り戻した。

 「お前は一体何なんだ?」

一壺天が暁に問う。暁の脳裏に鮮やかに甦る記憶。那由他と初めて出会った時の那由他の第一声。『まっずぅ。お前、一体何なんだ?』そして思い出す。先程一壺天の目を見て意識が遠退きかけたのは、那由他に喰われかけた時に意識を失ったのと同じ感覚だったと。『こいつは目を合わせてはいけないと判っているようだな。』先程の刹那の言葉を思い出す。刹那も、一壺天も、目を合わせただけで相手の魂を取り込めるということなのか?暁は気付いた。自分が早々に魂を奪われかけていたという事に。那由他は刹那を止めなかった。進んで一壺天に戻った。要は、暁は最終的に一壺天に喰い殺される為に那由他に付いて来たという事なのか?

 暁の中に絶望と悲しみが広がる。胸に刃を突き刺し、そこから血が滲み出すような感覚だった。那由他と共に伊邪七岐をふるった時の事を思い出す。繋がる一体感。蛇女を切った時の気持ちの高揚。初めて他者をこの手で傷付けた時に感じた心の痛み。共に犯した罪も、共に過ごした日々も、全てが無意味だったのか?那由他と信頼し合えていると感じていたのはただの暁の勘違いだったというのか?那由他と出会って以来の出来事が、那由他の言葉が、走馬灯そうまとうの様に暁の脳裏を駆け巡る。全てが那由他にとって何の価値も、意味もなかったと言うならば、一体暁は何の為に那由他と旅を続けて来たというのか?

 先程の暁の問いに、まだ答えは返ってきていない。『続きは一壺天に聞け。』そう那由他は言った。暁の口からやっと出た言葉は、一壺天の問いかけに対する答えではなく、先程最後に那由他へ投げかけた問い。

 「私は何の為に那由他と旅して来たの?貴方に殺される為に今まで那由他を信じて付いて来たというの?同じ旅をする仲間ではなかったの?」

 「お前は俺の何を信じた?旅する仲間?別にそれも間違いではない。だが、それがどうした?仲間を喰ってはいけないという理由もない。それに俺は初めから言っていたはずだ。『お前が盗んだものを返してもらう』と。『喰えるものならとっくに喰ってる』と。お前の方こそどうした?答えは見つかったのか?何度も問うた筈だ。『お前は一体何なんだ?』と『お前は何の為に生きているのか?』と。それに一壺天の探し物を見つけると豪語していたんじゃなかったのか?探し物を見つけるのは得意なのではなかったのか?見つけたのか?一壺天の探し物は。」

 「わからない。私には、貴方が何を求めているのかわからない。森様は知ってるの?城主が鬼だって。貴方は何の為にこんな所にいるの?それで探し物が見付かるの?」

 首を横に振りながら暁が涙声で答える。暁は頭の中がぐちゃぐちゃだった。自分でも何から言っていいのか分からなくなっていた。

 「森は俺が鬼だとは知らない。この角の事を言っているのだろうが、これは他の者には見えない様、目くらましがかけてある。お前に見えるのは、お前が俺の魂を持っている証拠だ。自分で自分の魂は騙せないからな。そして俺がこんなところで人の振りなぞしていた理由は、そうだな、探し物の続きだ。刹那の方は元の一壺天に近かったから一壺天のやり方を踏襲した。那由他の方は、一壺天の持つ妖力は殆ど持っていなかった。まるで新しく生まれ変わった様だった。だから、敢えて違うやり方を模索してみた。そして、那由他はお前に出会った。生まれて初めて出会った『喰えない魂』が何を意味するのか、俺もずっと考えていた。だからこそ時間をかけて様子を見ていた。喰いかけた魂があまりに不味くて吐き戻した時、那由他は間抜けにも自分の魂の一部まで吐き出し、お前に奪われた。那由他がお前から魂のかけらを取り返せなかった時、戻ろうと思えば一壺天に戻る事はいつでもできた。敢えてしなかったのは、お前に期待したからだ。お前が答えを見つけるかもしれないと。五石ごしき神社で一人で清麻呂きよまろに会いに行かせたのも、あそこでお前が何かを得るかも知れないと思ったからだ。魂讃星たまほめぼしが手に入らず、代わりに伊邪七岐いざなぎを得たのも何かの縁かと思った。お前が伊邪七岐を使えず、お前を通して那由他が伊邪七岐を揮えたのも、まぁ、正確には那由他は清麻呂の力を使っていたのだが、それにしてもその中途半端な関係が何を意味するのかも考えていた。蛇女を伊邪七岐で切ったのは試し切りだ。伊邪七岐とお前と那由他で何ができるのかを試した。伊邪七岐が魂を切る道具なのか、他の力も持ちうるのかを確認したかったからだ。確かに那由他がお前を保護していたこともある。それがお前の誤解を生んだかもしれないが、那由他が保護していたのはお前が取り込んだ己の魂の欠片だ。それと、那由他は弱かったから喰った奴らの意思に引き摺られる事があった。お前の誤解を招いたのは那由他の中のお前の母親の残滓ざんしだ。これで那由他の行動の説明がついたと思うが、まだ何か聞きたい事はあるか?まだお前は俺がお前を騙したと思うのか?」

 暁はただ首を横に振った。確かに那由他は暁に期待を持たせるような事は一言も言った事は無かった。今思えば、いつも本当の事しか言ってなかったのだ。『ただ不味いだけの小娘など連れ歩かない。』暁が間に受けたのは那由他ではなく蛇女の言った言葉だった。その言葉に、暁が勝手に自分が那由他にとって特別な存在なのではないかと思い込んでいただけだったのだ。

 わかっていた筈なのに。人を喰う鬼だという事を。他人の魂を喰うのを何度も目にした筈なのに。それを見て平気だったかは別として、自分だけは例え理由が『不味い』からだとしても、喰われる事はないと、一種特別なのだと、勝手に思い込んでいたのだ。

 迷いつつも歩を進め、五石神社の鳥居を超えてしまったあの時、暁は無意識の内に那由他を選んでいた。正にあの瞬間に。鳥居を出る前に引き返して、臨元斎や巫女に事情を話し、彼らに助けを求めていれば何かが違っていただろうか?二人の命を犠牲にする事は無かっただろうか?他者の命を犠牲にしてまで、暁は那由他に何を求めていたのだろうか?

 那由他を選び、勝手な思い込みで那由他を信じ、その為に他者の命を犠牲にし、罪の意識にさいなまれ、行き着いた先は信じた相手に喰い殺されるという結末だったのか?それが暁の生きる理由だったというのか?暁は那由他に語った父の言葉を思い出した。『死に方でその人の生き様が量れる』今、ここで一壺天に喰い殺されるとしたら、それこそやはり暁の生き様がその程度の物だったとはっきりするのではないか?

 「お前は俺に裏切られたと感じたようだが、俺は嘘は言っていない。嘘とは弱者がつく物だ。俺には嘘をつく必要性が無い。そして実際に裏切ろうとしているのはお前の方ではないのか?一壺天の探し物を見つけると俺を期待させておいて、結局見付けられないままにここまで来てしまったのだから。折角那由他が刹那を避けてみやこへ向かおうとしていたのに、お前は城山で留まった。それとも此処でこそ答えが見付かるという事なのか?」

 「わからない。私はあなたの事を知らなさ過ぎる。だから、わからない。」

 「ならばお前に俺の過去を見せてやろう。」

 一壺天の大きな掌が暁の目の前にかざされた。

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