4/50
止まない雨
悲鳴が大きくなった
僕は立ち上がって
歩き出した
黒い人は後ろから着いてきた
僕に傘を差し出しながら
それだと黒い人が濡れている
濡れた所は溶けるように
形を崩した
僕は黒い人に近づいて
傘から出ないようにして
ゆっくり歩いた
雨は止まない
悲鳴は遠ざからない
雨の降っているはずの空には
月が浮かんでいた
月がユラユラしている
違うかユラユラしてるのは
僕だった
振り返ると
黒い人の不安な表情を捉えた
大丈夫
声に出したつもりだったけど
きっと届かなかったな
目の前が霞んで
黒い人の向きが変わった
体に衝撃が来て
黒い人がオドオドしてる
心配しないで
最後の言葉は届いたかな




