29/50
夜の音
夜の星が空にあったはずだけど
今上を見上げても星はない
誰が星を隠してしまった
夜は嫌な気がする
周りの音が消えて
過去の記憶に閉じ込められる
誰の事も分からなくなって
自分が何者なのかも忘れる
そんな気分になる
だから夜は嫌いだ
音のない世界は薄っぺらで
音のない世界は無味乾燥だった
何を見ても何も感じない
美しいものも
切ないものも
綺麗なものも
なにも分からなくなる
けれど正常な周りの人は
それが分からないから
僕を異常者のように扱う
煩わしいくらいの世話を焼く
なのに不用意に近づこうとしない
距離を置く
そんなことをするくらいなら離れてくれ
そんな言葉は届かない
それが一番嫌な感覚だ




