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雨の日の御伽噺  作者: 雨月 千疾
12/50

星の明かり

街の真ん中に立っていた

見上げた空は真っ黒に塗りつぶされ

星がひとつ浮かんでいた

目の前には暗さとは

無関係な明るさだけが広がっていた

しかし、僕の求めてた明るさではない

人のことなど気にせず

ただ煌めき続けているだけなど

求めていない

もっと暖かい光が欲しかった

僕にはそれが必要だと言われたから

人の神経を逆なでするような

嫌な煌めきの中

僕はひたすら歩いていた下を向いて

何も視界に入れたくない

どこへ行くともなく

目的の場所もなく

一人で歩き続けていた

光と喧騒の中を

早く抜けたかった

気づいたら走り出していた

光が遠ざかって

風の音が聞こえる

顔を上げると真っ暗だった

振り返ってもあの光は見えない

ホッと息をつくと

空を仰いだ

星がとても綺麗に見えた

手を伸ばして

欲しいなと思った

星が降ってきた

僕に向かって落ちてきた

星はあと少しの所で消えた

僕の手には届かなかった

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