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棺桶と傍観者
暗い闇の中で
激しい音と強い光を見た
目の前が真っ白になり
目をつぶった
音の余韻が消えた時
目を開いた
何も無い広い白い空間にでた
ここがどこだろうと思うより先に
戻ってきたと思った
何処に?
何故に?
分からないけど
後ろから視線を感じた
振り返ると棺桶があった
中を覗き込むと
誰もいなかった
ただ痛々しいほどの花で埋まってた
『悲しいよ』
誰かの声が聞こえた
振り返っても
誰もいないのに
何も無いのに
花をひとつとってみた
花弁がフッと崩れ落ちた
その雪のような破片が無くなると
回りに音がした
人がたくさんいた
僕と棺桶を囲んでいた
傍観者は変な顔をしていた
半分は笑っいてる素顔
半分は泣いてる化粧顔
線香の煙が
立ちのぼって
曲がって
狂って
捻られて
逆さまになって
うずまいた
傍観者は煙に巻かれて消えた




