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臆病兎の錬金経営譚  作者: 桜月華
57/148

57話 智癒国たる錬金術師

幻神歴2960年2月25日


アシュリー工房の改築が済んだとの知らせで一向はリールー・エイシャの人生をこれでもかと壊すだけ壊してあっさりアシュリー工房に引き上げた。


そして新規改装したアシュリー工房の隣に同規模の建築中の建物が有りカレンがあれは何かコボルトに聞いた所、国の偉いさんが何か建ててるらしいが詳しくは知らねぇ、と言ったがカレン以外はお隣さんが誰かはもう既に判り切っていた・・・


家が元の2倍の大きさになっており売り場が倍の面積に、売り場奥に姉妹兎と女神の部屋、その隣にコボルトの部屋、シャイタンの部屋。そして反対側に風呂場、台所、保管室(新たに増設した地下へと続く階段もあって新たな地下はカレンの地下工房の3倍の規模)となっており地下工房は規模はそのまま変わらずにカレンの言う中央に刻まれてあるそれっぽい陣の隣に新たに大規模錬成台が設置され、増築した箇所と部屋は色の要望が無いとの事で無難に煉瓦剥き出しにしている


アリスとシャイタンとコボルトが工房内の整理整頓をする間カレンはアマネに連れられて造林とガーデンハウス・・・だった所に来たのだが・・・


「・・・ぇ? なにこれ、森?」


カレンは改装済みの家より驚かされていた、うさ耳はそれはもう間の抜けたように器用に左右にペタンとしていた


造林もガーデンハウスも無くなっていた、代わりにアシュリー工房と隣の前に街道が一直線にあるがその周囲が完全に森、のようななにかに変貌していた・・・


「皆さんの為に頑張りましたぁ~♪」


無い胸を張ってえへんとするとすぐさまカレンの隣に並んで腕にしがみ付く。そう、アマネは本当に頑張ったのだ。

新しい権能、豊穣を得てそれはもう詩と合わせてありとあらゆる植物を創造して四季折々、世界中、他の星々の木々や果実を創った。詩による成長促進と違い、豊穣の権能を得た事で好きな植物を創造出来るのだ


「!? ちょっとアマネ! あんたこんな無茶しちゃ駄目じゃない! コボルトも言ってたでしょ、無理はしないで・・・アマネが倒れたら嫌よ」


アマネを心配して抱きしめるカレンだがアマネはそれに益々喜んでカレンのうさ耳を優し気に撫で呑気に答える


「カレンちゃん大丈夫ですよぉ~この前のお使いで私豊穣の権能を得たんですよぉ~だから無理処か以前よりずっと楽ですよぉ」


ずっと楽と、無理を言ってるのではなくむしろ以前より格段に楽になっている、アマネの詩はあくまで副次効果で植物の成長促進をさせるだけだが豊穣の権能は言葉通り植物を創造するだけで良いのだから


「そうなの?」


それでもカレンは無理をしてないかアマネの顔を覗き込んで心配そうに見つめる

うさ耳は前後にゆっくり揺れていた


「はいぃ♪」


勿論アマネは無理はしてない、むしろ力が増すのだ。そんなアマネに対してカレンの心配げな顔に(カレンちゃんはどこまでも優しいぃ♪)

とご満悦だった


「・・・権能って何? 豊穣? 豊かにするって事? なんか見たこと無い植物や木々に変な動物もいるけど・・・」


アマネの笑顔から本当に無理はしてない様なので漸く安堵してうさ耳も通常の中折れに戻って改めてアマネと腕を組んで森を探索するも未知の植物や動物ばかりで(そもそも権能と豊穣って何?)とカレンはアマネの権能を完全に忘れて詩好きの可愛い童女と、最早幻獣とゆう事すら忘れていた・・・


見たこと無い動物は当たり前だった。何せ本来はこの星に居ない生物達なのだから


「♪~ん~新しい力ですよぉ、豊穣は植物を創造する事が出来るので好きな物を創造できますしぃ、創造すればする程に力が増すので詩での成長促進と合わせてこれまで通りの感覚で頑張りますよぉ」


やはり自分の大好きなカレンは権能を忘れていた。神としては嬉しいのか恥なのか、アマネにとっては下らない謀り目当ての要望に辟易としていたのにカレンはそれに見向きもせず忘れて詩う日々と楽しく、優しい家族を与えてくれた、嬉しいに決まっている。


「そう、解ったわ。絶対無理は駄目だからね? でも何でも植物が造れるって苗も無いのに他の国の植物とかも創れるの?」


他国処か他星の最希少植物が其処等中に群生しているのだが当然カレンは他の星など知らないので素材とすら認識できずに変わった草花と眺めていた


「出来ますよぉ!」


「!? 凄い! アマネ凄いわっ! 欲しかったのが沢山あるからお願いしていい!?」


アマネの権能は皆に美味しいものを食べて欲しいから、と永久評議神や支配星1000をそっちのけで選んだ

それは見事にカレンの琴線に触れた。珍しい果物や作物、名前しか知らないもの、茶葉に香水の原料、そして何よりアマネも予想外の事に、カレンの植物系錬金素材の無限精製場となったのだ

うさ耳はピンッとたって鼻息荒くアマネに詰め寄るカレン


「勿論ですよぉ♪」


大好きなカレンが喜ぶなら何でもやります! なアマネだがカレンの錬金素材の知識の宝庫は深い、その結果アマネは力を存分に発揮して更に力が増すと言う


「アマネ有難う! うへへぇ♪」


アマネの色よい返事ににやけ顔でアマネに頬擦りして2人して周りに花々が咲く光景だった、ついでに実際に花々が咲き乱れた


カレンは世間を知らない。アマネはカレンの為ならなんでもおっけ~

そんな2人が景観規制や景観条例など知らないし日照権等お構いなしに頑張った(暴れた)

一部小山に湖まで出来ていた。私有地ではあるが都市内で森・山・湖を作っていいのか? そんな規制有る訳無い


豊穣を司る以上、大地を豊穣にするのは自身の名誉に関わるほど大事な役目だ、それにこの星には他の豊穣を司る神は存在しないので縄張りを気にせず存分に役目を全うできる。そして・・・大神の豊穣で豊かに育った場は聖域から更に上位の物へとアシュリー工房と周辺は魔改造されていく・・・・・





「うへへぇ♪ アマネ有難う~」


「いえいえ~何時でも、幾らでも創りますよぉ♪」


「アマネ様最高! 大好きっ!!」


最希少の植物や素材を抱えて戻ってきたカレンとアマネがべったべたといちゃついているが反してアリスとシャイタンは顔が蒼褪めていた


「ね、ねぇ・・・あれ、や、やばくない? こう、色々と」


アリスのうさ耳はこれでもかとしな垂れていた

自身より強者だろうと恐れず挑むアリスが何故こんなに切羽詰まってるか、アリスの心境はアシュリー工房の周囲に魔女っ娘の逆鱗が群生してるようなものだった


「非常に拙いですね・・・」


シャイタンも愉悦も抜きに珍しく恐々としてアリスに相槌を打って打開策を練る


アリスとシャイタンも直ぐに森の散策に出たのだが聖域飛び越えて既に神域になっていた・・・


「でも・・・カレンが滅茶苦茶喜んでる・・・どうしよう」


喜ぶ処では無かった、それはもう狂喜乱舞でアマネを抱きしめグルグル回って2人の背後には白百合が咲き誇る光景だ。

なにせカレンからしたらアマネの力は植物系の錬金素材や食材がただで、どれだけ希少だろうと関係無しに、無限に採集できるのだ、もうにっこにこで錬金術の研究の幅が膨大に広がりご満悦だ。


そんなカレンに釣られてアマネも天にも昇る気持ちでカレンと抱き合ってにっこにこだった


「あれは流石に・・・取り敢えず私奴の眷属や配下を紛れ込ませて護衛はさせますが、表向きの警護理由も必要ですね」


2人が何を悩んでいるかと言うと聖域ならまだいい、嫌、良くは無いのだがまだなんとか対処は可能だ。だが、神域ともなると神獣が稀に寄る事もあるのだ

だというのに・・・アマネはカレンを想ってどれだけ頑張ったのか、相当な神域のようで聖獣や神獣がうじゃうじゃと、寄るのではなく『定住』していた・・・


聖獣と神獣の違いは人間界では殆ど知られてない、だが極一部には知られおりその貴重性と力から文字通り神の様なものでそれを囲ってる様なものだ。では追い返せるか? それが不可能なのだ、神域は神獣のテリトリーなのでそれを侵す=幻獣界と神界の怒りを買う。聖獣が竜の部下なら神獣は直属の配下だ、要するにアシュリー工房の周囲に竜の逆鱗がうろうろしているのだ、神域に集うだけに気性の穏やかな、温厚な神獣達だが一部はアリスを凌駕する者まで居た


「う~ん・・・「ちょっと! アマネさん。またやらかしましたねっ!」


「・・・丁度良いのが居ましたね」


人柱が勢いよく乗り込んでシャイタンは打開策を見つけ、蒼褪めから安堵して愉悦の笑みに変わる


「そうね。良い友人が居て助かったわ」


アリスは内心で(こいつとことん役立ってくれるわね♪)と丸投げした



今朝、リールーの元へ番兵数人が訪ねて来てこう言われた「おたくの例のかわいこちゃんがまたやらかしたからなんとかしてくれ」


リールーは乾いた笑みで頷いて誰か悩むまでも無く察したのでアシュリー工房から商店街までの道中の中腹から以前と何もかも変わって、嫌、可笑しい・・・・・何で山? 森? これ湖? これ・・・


森を探索して何度衝撃と怖気が走ったか・・・



アシュリー工房に駆け込みアマネを呼び出すとカレンが庇うので2人して正座させて説教してるのだが・・・


「カレンちゃんの為に頑張っただけですぅ!」


アマネが前回と違い頬を膨らませてむくれていた


「そうよっ! アマネが頑張ってくれただけじゃない! エーテル灯壊したわけじゃないんだからいいじゃない!」


カレンはいつも通り阿呆の子だった


「阿呆の子は黙ってて下さい! アマネさん、貴女以前は反省してたじゃないですか? なのに今回はなんですか? 反抗期ですか? 悪い事は言いません、貴女この阿呆の子と手を切ったほうがいいですよ、私みたいに取り返しがつかない事になりますよ」


これ以上に無いほどの自虐を兼ねたリールーの説得をアリスは内心で苦笑しつつ眺めていた


(リルルごめんね。そいつもお前ももう手遅れだわ)


「阿呆の子って、リルル酷い!」


リールーの酷い? 言い様に傷ついたカレンが隣に座らされていたアマネの胸に縋り付く


「カレンちゃんは阿呆の子じゃないですぅ! それに私はカレンちゃんとずっと一緒ですぅ」


大好きなカレンをよしよしぃと慰めながらもリールーに反論するアマネ


以前はリールーに怒られても・・・


すみません~…やり過ぎましたぁ


う゛ぅ~ごめんなさいぃ


だったのに今はこの始末だ、カレンの駄目っぷりに庇護欲を刺激されまくった結果アマネは反抗期? になっていた


「・・・アマネさん。貴女何やらかしたんですか? 造林が一日で森と山と湖、他国の禁制品の植物の山々、そして聖獣が大量にいますよ! これもう戦犯規模ですよ? こんなの本国から討伐隊来ますよ!」


他国の禁制品の植物から作物まで至る所に群生しており中には王侯貴族が独占してる最希少植物まで幾つかあった、それだけでも真っ黒なのに以前の造林には聖獣が偶に寄る程度だったのが今ではそこら中に跋扈しており明らかに居着いていた。聖獣だけなら衛視に護衛強化を頼めばいいが禁制品があるので衛視に頼むに頼めない。聖獣は論外なので今すぐ禁制品を処分して隠匿するしかないとリールーは判断して説得を試みるが・・・


「私有地だからいいでしょ! 別に禁制品ってこの国では問題無いし危ない薬じゃないわ。今回は私達何も悪く無いわよ。帰ってっ!」


「この馬鹿っ!!!」


カレンの余りにもな物言いにもう説得は諦めて残念な頭を引っ叩いて自身の頭を抱えてどうするか考えるリールー


「痛い! リルル酷いっ」


「酷いのは貴女の頭です。私有地で禁制品栽培してる時点で極刑です。何より聖獣があんなに・・・これどうすんのよ!」


リールーはもう友人を庇い切れないと衛視にありのまま報告した、包み隠さず全て、詳細に。

その結果。なぜかアマネの犯行ならおっけ~とリールーも訳分からない理由で森の周囲に森に侵入もせずに衛視と番兵が配置された・・・リールーはもうアシュリー工房はなにしても許されるのかと何か歯車が崩れた。


報告を受けた直後の衛視が上司に報告すると「え、アマネちゃんが? あ~おっけおっけ は? 処罰? あんたレイアード様の逆鱗に触れたいの?」というカザネの一声で決まった



幻神歴2960年3月04日


シャルマーユ皇国が世界中に驚愕の知らせを公式に発表した


1 パラミス国とテリア国の属国化


2 シャルマーユ皇国ルルア在中の最上位錬金術師である『発明』のカレン・アシュリーが以下の品を発明、公表、自店で販売 及び皇国錬金術研究所と一部公共医療機関での厚生販売


アストラルポーション 精神障害即時回復 販売価格金貨2枚銀貨30枚

エナジーポーション 精神疲労即時回復 販売価格金貨1枚

オーガンポーション 臓器機能即時回復 販売価格金貨10枚


マルチポーション 魔力・エーテル・筋力・視力・聴力・直感30%1時間上昇 販売価格金貨8枚

エーテルポーション 下級 体力とエーテル30%即時回復 販売価格金貨10枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

エーテルポーション 上級 体力とエーテル50%即時回復 販売価格金貨20枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

マジックポーション 下級 体力と魔力30%即時回復 販売価格金貨10枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

マジックポーション 上級 体力と魔力50%即時回復 販売価格金貨20枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

ダブルポーション 下級 体力と魔力とエーテル30%即時回復 販売価格金貨16枚 週100本の月400本、但し1人5本迄の制限

ダブルポーション 中級 体力と魔力とエーテル40%即時回復 販売価格金貨23枚 週100本の月400本、但し1人5本迄の制限

ダブルポーション 上級 体力と魔力とエーテル50%即時回復 販売価格金貨35枚 週100本の月400本、但し1人5本迄の制限


此度の功績を称え以下の勲章を授与する

星金名誉勲章

朱金シャルマーユ綬章

星金文化記章

黒金永代功労記章

聖星金栄誉光章


3 カレン・アシュリーへの恩賞をアシュリー工房販売責任者コボルトによる善意により以下の様に寄付とする


シャルマーユ国内全土の関税を2年間2%引き下げ

ルルア領内における全ての税の3年間3%引き下げ

ルルア領内の各組合へ星金貨20万枚を均等に分配

ルルア領主シャナード・ガル・ルルア・ゲイツへ星金貨20万枚寄贈


又アシュリー工房販売責任者コボルトの愛国心と差配を称えて以下の特例を許可する


アシュリー工房販売責任者コボルトにはシャルマーユ国内に限り各組合加入許可と各位によるあらゆる制約の免除

但し規約は守る事


幻獣の組合加入は異例ではあるがロック・フェザスター・シャルマーユの名の元許可する


4 またシャルマーユ皇国の薬学最高位にして賢者ジルが薬学の到達点たるフルポーションを発明、公表

及びフルポーションの上位互換と言えるノーブルポーションを発表、公表


フルポーション 体力100%の即時回復と重症即時回復 損傷1時間以内に使用で四肢の欠損即時回復 疲労全回復

ノーブルポーション 体力100%の即時回復と重症即時回復 四肢の欠損即時回復 疲労全回復


賢者ジルの二つ名『薬眼』を『智癒』に改めシャルマーユ皇国の冠とする


賢者ジルへの恩賞については秘匿事項なので伏せるとする


フルポーション・ノーブルポーションの扱いについては同盟国フルーラの黄金錬成と同様とする





・・・・・

・・・・

・・・

・・


この正式発表により世界中でシャルマーユが注目を集めた


パラミスとテリアの属国化については公表の機会を慎重に伺っていたのだが到達点とその先の未知の公表が余りにも話題性があるのでその陰に潜むと目論んで同時に公表をする事になった


両国とも周辺国からは愚国と評されるだけあって外交圧力は粗無いと予想されたが政戦も戦争も無しに急な属国というだけに他国から公式見解を求められるのを懸念していたのだが手段が手段だけに賢者会議でも正当化の理由を作るのが困難を極めていたのだがこれを機に同時公表した所見事に功を成した


当然の如く。病に、欠損に悩む者が押し寄せた、そしてその叡智とそれに関わる知恵者も殺到してシャルマーユは全土お祭り騒ぎとなり中でもルルアは二重の税の引き下げと言う事で熱狂の騒ぎとなっている


そんなお祭り騒ぎで当然アシュリー工房にも人が押し寄せ・・・


「おい、先輩。疲れはせんがこれは人手が足りんぞ」


シャイタンが群がる女性客に「喧しい、散れ」と一蹴するも更に黄色い悲鳴が上がる中も客を捌いて行く


「何で私が・・・」


シャイタン1人ではとても手に負えないとの事で惰眠を貪ってたアリスを叩き起こしてローブとフードを被らされて売り子に立たせるもアリスにも男性客が集まり口説かれ「煩いわよ、買ったならさっさと帰れっ」とぞんざい通り越して致命的に接客として駄目なのだが、それが余計に男性客の琴線に触れるのかアリスにも男性客が群がられながらも客を捌く


そんな中コボルトは何をしてるのかと言うと、店番でも売り子でもない

アシュリー工房の前の街道に長蛇の列が出来て領内の民だけでなく他都市の市民からもコボルトにお礼の言葉や感謝の印と贈り物を持ってきてくれるので1人1人コボルトが対応している


「こんな結果予想できるか、文句なら名前公表の寄付にした陛下にでも言え、ったく・・・慈善事業したいわけじゃねぇからこういう売名はいらねぇのに」


「へい! 有難う御座います!! いえいえ、市民として当然の事ですから、今後ともアシュリー工房をご贔屓に!」


2人の不満声に返事するも次の客に対応していくコボルト


3種の医療ポーションはルルアは勿論皇国内どこでも公共医療機関で取り扱いされてるしコボルトも信用の置ける卸商人を商業組合に紹介してもらい増員し、既存の品から新種のポーションをルルア内に分布するように手配したが、それでもアシュリー工房に客は押し寄せ、それだけならまだコボルトとシャイタンで済むものの・・・陛下の親切と言うか余計なお世話でコボルトの名がシャルマーユ処か世界中に知れ渡り・・御礼や贈り物、コボルトを一目見ようとアシュリー工房初の長蛇の列が出来ていた


当然コボルトが対応せねばならず接客に難がある2人を立たせてるが一過性のものと諦めるしかなかった


改築中にルルア中に出回ったチラシ内容からして人が殺到するのも当然だった


~~~錬金術師の経営するアシュリー工房、3月20日に新装開店~~~


下級~上級ポーションは勿論、各種体力とエーテル・体力と魔力・体力と魔力とエーテル・エーテルと魔力とブーストポーションの加重・等の回復効果が付与されたポーションも有ります!!(当工房オリジナル品)


その他にも魔法職に必須の各種原石や金属も以前より大幅に充実しております


また、一般人の方でも活用できる豊富な香水・茶葉・香辛料を種類を揃えております


チラシを持参された方には5%割引致します


更に工芸品やジョークアイテムとして飲むだけで髪の染色が可能なアイテムを60色ご用意しておりますので気分転換やお洒落に如何でしょう



品目一覧


下級ポーション 体力30%即時回復 販売価格 銅貨25枚

中級ポーション 体力40%即時回復 販売価格 銀貨3枚

上級ポーション 体力50%即時回復 販売価格 金貨1枚と銀貨15枚


ブーストポーション 各種6品 其々魔力・エーテル・筋力・視力・聴力・直感30%1時間上昇 金貨1枚と銀貨40枚


アストラルポーション 精神障害即時回復 販売価格 金貨2枚銀貨30枚

エナジーポーション 精神疲労即時回復 販売価格 金貨1枚

オーガンポーション 臓器機能即時回復 販売価格 金貨10枚



一級原石

水晶・琥珀・ラピスラズリ・スピネル・トパーズ・トルマリン・シトリン・フローライト・ガーネット・ダイヤモンド・アメジスト・エメラルド・オパール・エメラルド・ミスリル・オリハルコン・アダマンタイト・アクアマリン・アズライト・アベンチュリン・アマゾナイト・カーネリアン・化石・黒水晶・ジャスパー・クリソコラ・クリソプレーズ・セレスタイト・ソーダライト・ターコイズ・翡翠・ピンクオパール・パイライト・ラピスラズリ・ラブラドライト・瑪瑙

銀貨5枚~金貨3枚


金属

鉛・銅・鉄・金・白金・銀・鋼・アレキサンドライト・エメラルド・ルビー・ミスリル・オリハルコン・アダマンタイト・アクアマリン・プラチナ・水銀・エーテル鉱石・魔鉱石

銅貨5枚~金貨5枚


茶葉

ディンブラ・ルフナ・キャンディ・ウダップセラワ・サバラガムワ・ダージリン・アッサム・ウバ・ニルギリ・ヌワラエリア・キーモン・各種ハーブティー24種・各種フルーツティー36種・当工房主オリジナルブレンド12種

銀貨40枚~金貨2枚


香辛料

塩・砂糖・胡椒・ミント・バニラ・ナツメグ・セージ・ショウガ・シナモン・オレガノ・サフラン・ワサビ・ローリエ・ローズマリー・マスタード・ミント・クミン・パプリカ・バニラ・ガーリック・シナモン・シソ・サンショウ・コリアンダー・オレガノ

銀貨20~金貨2枚と銀貨10枚


香水

ローズ・ラベンダー・スズラン・キンカン・モクセイ・モモ・ハナマス・ジャスミン・ライラック・デイジー・プルメリア・ストック・マグノリア・フリージア・シクラメン・その他当工房主オリジナル配合の香水13種

銀貨30枚~金貨4枚


2級1級原石による工芸

上記貴金属で当工房主が作成したアクセサリーが豊富に有ります

銅貨10枚~30枚


染髪剤60色

銅貨5枚


当工房主お手製弁当営業日毎に100食限定 銅貨30枚~銀貨1枚 ※日によって異なります


当工房自家製の作物 野菜から珍しい果物まで85種類 値段は銀貨6枚~金貨10枚

一部商品は商業組合より価格設定がありますので割引対象外となっております


※下記の品は錬金術教導組合により価格設定が課されてるので割引の対象外となります


マルチポーション 魔力・エーテル・筋力・視力・聴力・直感30%1時間上昇 販売価格金貨8枚

エーテルポーション 下級 体力とエーテル30%即時回復 販売価格金貨10枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

エーテルポーション 中級 体力とエーテル40%即時回復 販売価格金貨15枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

エーテルポーション 上級 体力とエーテル50%即時回復 販売価格金貨20枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

マジックポーション 下級 体力と魔力30%即時回復 販売価格金貨10枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

マジックポーション 中級 体力と魔力40%即時回復 販売価格金貨15枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

マジックポーション 上級 体力と魔力50%即時回復 販売価格金貨20枚 週125本の月500本、但し1人5本迄の制限

ダブルポーション 下級 体力と魔力とエーテル30%即時回復 販売価格金貨16枚 週100本の月400本、但し1人5本迄の制限

ダブルポーション 中級 体力と魔力とエーテル40%即時回復 販売価格金貨23枚 週100本の月400本、但し1人5本迄の制限

ダブルポーション 上級 体力と魔力とエーテル50%即時回復 販売価格金貨35枚 週100本の月400本、但し1人5本迄の制限


錬金術に関わる道具や素材の買取も行っております


当工房へ錬金術の依頼が有りましたら当店は勿論。錬金術教導組合ルルア支部でも受付致します

※組合未認可、及び非合法な依頼は固くお断りします

依頼内容に応じて組合の許可が必要となりますので詳細は当工房か錬金術教導組合ルルア支部へお願い致します

素材や値段については応相談となります


場所は市場から商業区を抜けて街道を北へ徒歩30分

営業時間10:00~12:00 13:00~18:00

工房主カレン・アシュリー 販売責任者コボルト


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



アシュリー工房でコボルトが応対し、アリスとシャイタンが囲まれながらも客を捌いてる中、工房主のカレンはというと・・・


「アマネ! 此処にこの植物をお願い♪」


「はいぃ~♪」


カレンが過去の錬成資料と植物図鑑を片手にアマネを引っ張り回して2人仲良くいちゃついていた


「うへへぇ~これで一通りおっけ~! アマネ有難うね♪」


「いえいえぇ~あ、そうだぁ、湖に来てくださいぃ」


アマネは大好きなカレンと終始べったりできてご満悦で権能を行使して力を増し、神樹の果実で神威が大幅に上がっていく。カレンのうさ耳は森へ入る度に嬉しそうにペタンと垂れてプルプル揺れたり興奮してピンッと立ったり忙しなかった


そしてカレンが満足した様なのでお目当ての湖へと手を引っ張って行く

カレンを驚かそうと思ったのだ


「・・・ぇ、これ魚? アマネ魚まで創れるの!?」


2人の前の透き通った湖には魚が沢山泳いでいた。

カレンは姉の料理特訓と勉強で魚の種類や調理法から料理も知識は収めているが生魚は初めて目にする。なにせシャルマーユは大陸でも中央に位置して海がかなり遠方で川も以前いたテンゲン大樹海にも此処ルルアにも無いのでルルアには魚は干物が極稀に出回るだけだった。


「いえいえぇ~私が創れるのは植物や木々だけですが私が創った所に適した動植物が住むんですよぉ。周りの動物とかですねぇ」


アマネが権能で創造した場所はこの星では現状独占なので思う存分力を発揮できるので縄張りを気にせず大張り切りした結果、周りの聖獣や神獣だけでなく湖には魚は勿論、聖魚や神魚まで居着いた


「凄い! 凄いわアマネ! これでもう雑草生活とは永久にお別れね! もうアマネが手放せなくなっちゃう♪」


「えへへぇ♪」


カレンが大歓喜で先程まで採集していた素材を地面に置いてアマネに抱擁してグルグル回転する

文字通り植物から作物、魚までアマネが居たら永久補充でき、それでアマネも力が増すという幸せの循環だった

カレンは手放せないと言うがアマネはそもそも離す気が欠片も無い、思わぬ結果で共依存が完成していたのでアマネも大興奮だ


「そういえば・・・折角だから魚を料理したいけど魚ってどうやって取るの?」


海も川も勿論、湖も初めて目にするので魚の取り方等知らないし考えた事も無かったカレンがふと疑問が沸く。

テンゲン大樹海では掘立小屋から少しした所に極小規模の泉があったが魚は住んでいなかった


「ん~・・・」


「よろしければ私が魚をお渡ししますよ」


アマネも漁猟や魚釣りの知識はあるが実際にやったことが無いので可愛く首を傾げて悩んでいるとなんと湖から突如女性の上半身が現れ、さも普通に話し掛けて来た


「ひぃっ! ・・・っ!? だ、誰!? どうやって出て来たの・・!?」


当然の如く驚いたカレンは腰を抜かせて尻もちを着いて後退りしつつも誰か尋ねる

衝撃の余りフードを脱いだままなのも忘れて頭上のうさ耳が丸見えなのだが気付いていない、うさ耳はピンッと立って逆立ちつつ警戒してた


「ほえぇ~」


アマネは驚きもせずに呑気に女性を眺めていた


「驚かせてすみません、私この通りの者です」


女性がカレンの問いに答えるかのように直ぐ右隣に魚の足? ひれ? が現れるがどう見ても魚の大きさではない

良く観察すると女性の下半身が透き通って見えるが人間の足では無く魚のそれだった

絵物語で何度か見た事があるだけだが思いつくのはそれしか無い


「・・・あ、貴女、もしかして人魚って生き物?」


「はい、此処に住まわせて貰ってます。魚をご所望なら食用で無い者もあるので私が選別してお渡ししますよ」


アマネ・・・人魚まで住んじゃうの? これは拙いのでは?


だがこうして普通に会話できてる時点である意味人間や野犬よりは安心したが驚きから興味に移り変わって人魚を良く観察して視る。


美少女というより色香溢れる肉欲的な美女で顔立ちがリールーに似ていたが目元が釣り目で無く温和な印象で、金髪のウェーブ掛かった長髪に胸は姉が仕立ててくれたブラより更に薄い面積で扇情的だが・・・カレンは何よりその胸に嫉妬してしまう


「―――人魚って実在したのね・・・綺麗・・・胸が以前の私ぐらいある・・・くっ」


唯一の自慢だった胸が消え、それが目の前にあるのだ・・・


「あら、お褒め頂き有難う御座います」


人魚は呑気に頬杖をついて問答をしていたが人魚の絵物語での顛末でのっぴきならないものが有ったので注意を促す


「・・・・・って、そうじゃない! 人魚って確か食べたら不老不死なんて言われてるんでしょ!? 此処街中だから貴女危ないわよっ!」


人魚が出てくる絵物語は幾つか姉に聴かせてもらったが最後が泡になったり、その肉を食すと不老不死になるというのがあった。絵物語だから真実なのかどうかは知らないが現に絵物語の人魚が目の前にいるのでその可能性もあると見て人魚を逃がそうと必死になるカレンだ


が・・・人魚は呑気に首を傾げていた


「気を使って下さって有難うございます・・・不老不死との事ですが、貴女様は私をご所望で?」


「馬鹿言わないで! 不老不死は興味あるけど錬金術師だからこそ自力で至るつもりよ、それに貴女を食べる訳無いでしょ・・・人間じゃあるまいし、玉兎を食べて幸運を、みたいな真似する訳無いでしょ。それより此処から逃げないと貴女危険よ!」


不老不死は確かに興味はあるがそれは錬金術で自分で到達したいからだ。

物言わぬ普通の魚なら兎も角、こうして意思疎通も出来る人魚を食べてまで得ようなんて微塵も思わないし何よりそれはカレンが嫌悪する事だ、人間が自分達玉兎を幸運目当てで食べる様な事をカレンがする筈が無い

だというのにカレンの注意も人魚は物ともせず呑気に此方を眺めていた

なんというか、カレンのほうが気を抜かれる程でうさ耳も意表を突かれて通常の中折れに戻る


「ふふふっ。ご心配有難うござます、ですが大丈夫です、私は普段は底に住んでいるので。それに人魚を食べると不老不死というのも迷信です。貴女様は誠実で御優しい方ですね」


こんな透き通った湖の底とか意味無いと思うのだがどうやら人魚は移動? 移住する気が無いらしい

人魚の呑気というか他人事の対応にカレンは不老不死とか幸運より遥かに狙われるのに自覚あるのか? と呆れる程で完全に拍子抜けしてしまった


「底って・・・貴女が良いならいいけど・・危なくなったら直ぐに逃げるのよ。それか誰か呼んで頂戴、アマネも森の手入れの時に見てあげてね」


抑々人魚って何食べるの? 魚は共食いになるんじゃ? と興味は沸くがなんか答えが怖いので聞かないカレン


「判りましたぁ~この人魚さんと魚について話しておくのでカレンちゃんは先に戻っててくださいぃ~」


「おっけ~」


アマネも呑気に言うのでカレンは素材を抱えて先に戻る


「「・・・」」


「素晴らしい方ですね。シャイタン様が気を掛けるのも判ります、本当に清らかな方ですね」


「カレンちゃんは優しいですよぉ~♪ それにしても神域の湖に悪魔とはシャイタンも面白い事考えますねぇ、ルサルカちゃん~」


人魚は呑気だったのでは無い、余裕だったのだ。

何せシャイタンの配下の悪魔なのだから、人間が大群で押し寄せてこようと余裕で排除できる。

ルサルカはシャイタンの命で湖に住んで聖魚や神魚を見守っている


「そうですねアマネ様。シャイタン様の手の者で此処に適してるのは精霊も兼ねてる私とのことで召喚して頂きました、他にもこの神域にインプにフンババも居ますのでアマネ様の指示にも従う様伺ってますので何なりとお申し付けください」


ルサルカ 高位悪魔にして精霊種でもあるシャイタン直属の配下 湖の守護を任されている

インプ 低位悪魔で栗鼠のような姿で戦闘技能は皆無だが数が多く、アマネの手伝いと神域の偵察についている

フンババ 高位悪魔でシャイタン直属の配下 神域全体を看破しており賊対策とアマネの力仕事を任されている 


「了解ですよぉ~それでは偶に此処に来るのでその時は聖魚や神魚以外で食用に適した魚をお願いしますねぇ」


聖魚も神魚も食べれるし禁忌でも無いのだが神の眷属の様なものなので当然好んで食べる訳がない。


「畏まりました」


この配置は全て人間対策だ。

聖獣もだが神獣は力量差から力尽くでの捕獲云々は心配無いがそれ以前の問題で・・・人目に着かれるだけで文字通り危機なのでシャイタンが適切な箇所に配下を備えたのだが何が問題だったかというと、今やアシュリー工房は大規模商店に匹敵して人気も博しているのに周囲が森となっていて人の出入りをゴーレムだけではとても監視できないので侵入者を一々消していては騒ぎになると悩んでいた所で頼りになる人柱(リルル)に衛視や番兵の配置を任せた。




こうしてアシュリー工房と近辺は強化? というか最早異界化してゆく・・・



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