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臆病兎の錬金経営譚  作者: 桜月華
52/148

52話 幕間 神々の問題神

幻神歴2960年1月28日


アマネの職場でもあるアシュリー工房周辺の造林の敷地面積が2倍となった事でアマネは大好きなカレンの為詩で植物の手入れに励み、ゴーレムの新たな配置や指示を出していると神妙な面持ちのシャイタンから声が掛かる


「アマネ。神界最高評議会場に緊急招集された。俺とお前にだ」


「ぇ・・・私も?・・・神樹がばれたんですかぁ!?」


シャイタンは判る。

だが自分は神界最高評議会場では発言権すら無い。となると・・・・神罰しかない、そして理由は神樹が最もだろうと至る


「分らん。配下も眷属も口を閉ざされていて俺にも事情が掴めん。だが主姉妹への罰は心配するな」


「―――判りましたぁ」


つまりシャイタンとアマネへの神罰だと覚悟を決めた。

シャイタンは大丈夫だろうが自分は間違いなく滅ぶだろう

大好きなカレンとアリスと先輩が浮かぶが声を掛けずに付いて行く


さよならはいいたくないですぅ・・・・・



        神界中央機構パンドラ


御方がこの神界で初めて創造した建造物で今では御方の住処兼神々の会議場を兼ねており神界で最も重要な施設で言うまでもなく警備は神界一で警邏ですら名のある神という鉄壁振りで創造されて以降これまで一度も賊の侵入者は零である

唯一の例外が賊ではないのだが・・・

守衛など下々の仕事と思われるが神々からしたら敬愛する御方の警護とも言えるこの役職は大神ですら羨ましがる職で警邏希望者は後を絶たない。




        神界最高評議会場

神界で数年に一度不定期に行われるこの議会では様々な議題が飛び交い善神と悪神の重大な政が決められる。

発言権があるのは高位の大善神や大悪神といった最重要神と専属の従者のみでこの場では小神・低位の大神は発言すら許されず顔を布で覆っている。

そんな連中が黙して見守る中、中央の円卓では11席ある内に座する8柱の永久評議神が辟易として言葉を飛び交わす

その表情には明らかな疲労が伺えた。それもその筈、この評議会は不定期ながら開かれたら大抵2,3日不眠不休で通して行われる。


        永久評議神


アヌ

大地・天空・星を司る大神 罪を犯した者を捌く権利を有する神々の王


シン

大気・月・暦・豊穣を司る大神 星々の暦を決める決定権を有する神


イラト

創造を司る女神 豊穣と海も権能がある


ゼウス

宇宙と秩序を司る最高神 大神の子や眷属が多く自身の戦闘技能も評議神の中で頂点に値する


オーディン

戦争と知識を司る主神 知識の蒐集に貪欲で戦闘技能はゼウスに匹敵して評議神の中で頂点に値する


ヘカーティア

死と魔を司る大神 別名 死者の女王 無敵の女王 魔法では評議神の中で頂点に値する


エキドナ

魔と蛇を司る大悪神 蛇の如く執念深い 魔の追及に貪欲でそれ以外に興味も無く手段も問わない 魔法では評議神の中で頂点に値する


伊邪那岐

混沌と国を司る大悪神 ゼウスの比にならない程の神の子を有し数だけなら最大派閥







今回の議題は神界で最重要である12本しかない神樹の1部が紛失しておりその余りの出来事から犯人に目星は付いたもののどうにも出来ないので黙認が決まった・・・


が、一応件の管理者のウェルトゥムヌスに管理責任を追及した所その妻たるポモナがぶち切れて乗り込んで来て更に騒ぎが大きくなり収拾がつかなくなったので嫌々ながらその捜索を行った所、神々にとって忌まわしい星の人間界に有りその樹を大神が育成しており詳しく調べた所なんとその場に永久評議神も居てあろうことか使い魔となっていたという議題だ。


神樹の盗難者と思われる大神も問題だが永久評議神が使い魔など前代未聞で処断をどうするか、誰がやるのか、誰がやらないのか、誰もやりたがらないのではない。逆に皆自分がやりたいと意見を曲げず話は平行し既に3日経っている。


運任せで選ぼうにも幸運の加護があるから不公平と却下され、多数決を取ろうにも綺麗に別れ決まらず、推薦で選ぼうと案がでれば各々の部下が推薦し、不公平だとある神が数万の眷属を召還しようとして阿鼻叫喚になり皆辟易していた。

それでも皆折れないのはなぜかというと単に御方に褒められたいからだった。

この場にいる善神も悪神も御方を親と敬愛し創造主と崇拝しており少しでも御方に良い所を見せたかったのだ

円卓の奥、一段高い玉座にいつか御方が座する事を思い浮かべ自分こそが! と皆意気込んでいる

そんな親煩悩な連中が睨み合ってると件の問題者2柱が転移して姿を現す


「久しいな」


呼ばれた理由は察してるだろうに悠々と自分の席に座する

アマネは黙してシャイタンの背後に控える


        永久評議神


サタン

悪・悪魔・天使を司る大悪神 かつては悪逆の限りを尽くした悪の権化



「サタン! 貴様使い魔になっているとはどういう事だっ!!」


「永久評議神が使い魔等前代未聞だぞ」


「待て、先ずは今回の議長の我が代表して問う。先ずはミューズ、本来貴様はこの場では発言すら許されぬ、それをこの場に呼んだ理由は判るな?」


議長は毎回変わっており今回の議長のオーディンがアマネを問い詰める

オーディンの物言いでアマネは覚悟を決めた。


「はいぃ・・・」


滅ぶのは良い、ただそれでカレンが悲しむのが辛い


「―――ミューズ、我をからかってるのか? そのふざけた態度はなんだ」


オーディンが神威と同時に殺意をアマネにぶつける

神界最強の神威と戦闘力の無いアマネではそれだけで圧し潰される程の圧の差である


「――――すまぬな。余はもうすっかりあれになれてもうた」


アマネも久々に神威を纏い以前の物言いに戻す


「結構。先ずはミューズ、その神威。貴様神樹を盗んだな?」


「―――ああ、余が盗んだ。己が欲に駆られて神格を欲した、あの星なら露見せぬと踏んだのだがいやはや・・・」


「ミューズどうしたのっ?! 貴女そんな娘じゃなかったでしょ!!」


親しい友神の変貌にイラトが涙を零しつつも嘆き訴える・・・・・そのイラトの表情をまともに見れないアマネは顔を背けるしかなかった。アリスの名を出す訳が無い、アマネは呼ばれた時点で覚悟してるのだから


神樹の果実は神格のある者が口にすれば神威を増す

アマネは大神ではあるが低位であり本来はこの場では発言権すら無く、参加しても背後で顔を隠し発言は許されない

だが今はアリスの賜物で神格も上がって高位の大神となっている


神樹の占有等これまで一度も無く、そんな愚かな行為をすれば誰であろうと神罰は当然、そもそも神樹の管理たる夫婦神のポモナとウェルトゥムヌスは大神ではあるが元のアマネ同様低位ではあるもののその仕事の重要性からどの派閥にも属さず神樹の管理のみを任されている。そんな夫婦の仕事を割いて永久評議神の怒りを買ったのだ

元よりアマネは消滅を見越している


ならば


せめて大好きな姉妹兎にまで罰が及ばない様自分への処罰だけで事を収めようと腹を括る


「愚かなっ!」


「お前これがどういう事か判ってるのかっ!?」


「話にならぬ、即滅ぼすべきだ」


3柱とも殺意を纏って襲わずともそれだけで滅ぼせる程となってきた所でシャイタンが割って入る


「ふむ、幾つか訂正しておこう。俺は主にシャイタンの名を賜った、そしてミューズはアマネの名を賜ってる、それで呼べ」


「っ!? シャイタンだとっ!? 貴様もどういう事だ、何が主だ! 永久評議神が使い魔など前例も無いぞ!!」


「それがどうした? 俺は悪を司る悪神だぞ? 悪逆の限りを尽くした。永久評議神が使い魔も一興だろう。現に貴様らのその慌て様。愉悦の極みだ」


サタンも永久評議神だがこの面子の中で戦闘となれば勝てない相手も複数居る

だがお構い無しに愉悦の笑みを不遜に向ける


「――――サタン。そもそもお前を使い魔にしてるのは何処の神だ?」


「それだ。貴様が使い魔になる等神界の勢力が崩れる、勢力次第ではお前と言えどこの場で滅ぼすぞ」


その発言の瞬間、シャイタンの隣にまたも転移する者が現れた


「私の主を亡ぼすとなれば私も身を挺して守りましょうぞ」


シャイタンへ殺意を向けられ、滅ぼすと言われた瞬間、忠臣である獣がシャイタンの隣に転移してきて全力の殺意と神威を相手に向ける


「獣!? 貴様は呼んで無いし発言を禁じた筈だぞ!」


「お前はこの場への出入りを永久に禁じた筈だ。つまりサタン共々この場で滅ぼされたいと言う事だな?」


「主を挺してこの場の半数は道連れにする覚悟です。シャイタン様、10秒は稼ぐのでアマネ様を連れてどうか」


獣が顕現し権能を行使し、半数滅ぼす間に主を逃がそうと滅私の覚悟で放つ


「判った、もう良い愚かな・・・貴様なら別の未来もあったものを」


議長たるオーディンが神葬グングニルと共に立ち上がったのを見てシャイタンも覚悟を決めた


「それがどうした知識に溺れた堅物が!! 友にした仕打ち忘れておらぬ。敵わずとも片腕は食いちぎり手土産に天獄に堕ちようぞ、隻腕隻眼の神となれ」


オーディンの神威と殺意に物怖じ所か獣が吠える


一触即発


だが誰も動かない

ある者達はどうなるか見物と呑気に

ある者達は呆れて溜息を付き


そんな中議長のオーディンは神葬を手に立ったものの硬直している

獣を恐れている訳では無い、自身と獣なら苦も無く圧勝なのはこの場の誰もが理解している

だが動けないのは獣の視線がオーディンでは無く戦闘能力の乏しい永久評議神へと向けているからだ

楽に勝てるとは言え顕現した獣を一瞬で滅ぼすのはいかなオーディンとて不可能だ、そして獣はその一瞬で他の永久評議神を喰らうだろう。つまり無言の神質だ




かつての過去の行いでこの場に永久に出入りを禁じられた獣が此処に侵入してきた、忠臣の覚悟を前にシャイタンも立ち上がりつつ獣に命じる


「――獣、下がれ」


「主の危機を前に引き下がる部下が何処に居ましょうか、どうか」


己が信頼する忠臣が命も聞かずにシャイタンの隣を動かない


「全く・・・」


(さて、どうするか)


ここで獣と共に暴れてもいい、もしくは主を明かすか


迷いは一瞬―――――そして、シャイタンに主を明かすべき時の、懐かしい思い出が一瞬想い過る


-------------------------------------------------------


「久しぶりねサタン」


「これはこれはカレン様! お久しゅう御座います」


「ちょっと用があって来たんだけど・・・その前にグラシャラボラスに会わせて」


「承知致しました。獣、来い」


「はっ―――これはこれはカレン様。お久しぶりで御座います」


「久しぶりね。本当あんた可愛いわ」


「くくくっ、私を可愛い等と仰るのはカレン様だけでしょうな」


「あら、もしかしたらこの先いつか、そんな奇特な奴に出会えるかも知れないわよ」


「それこそ奇跡でしょうな」


「そう? じゃ予見してあげる。必ず現れるわよ」


「それはそれは楽しみで御座います」


「けどあんた、私の使い魔の処罰に不服で、暴れて名を封じられたって聞いたけど本当なの?」


「ええ、あの者とは親しかったので次元の狭間に幽閉されたと聞いて怒り狂って暴れてしまいまして・・・」


「そう。本来なら悪魔と違って改名は出来ても名を封じられるとなると悪神のあんただと力も半減するのに・・・今だとサタンと大差無い位に落ちてるわね。可哀想に、相変わらず永久評議神の連中は馬鹿ね」


「消滅も覚悟の上でしたがサタン様に救って頂いたので、真に部下想いのサタン様です」


「サタンもだけど自分より弱いのに従うあんたもほんと悪神らしくないわね」


「我々にとっては力の上下など関係ありませんから。それこそ力が物を言うならあの者は気まぐれで神界を半壊させオーディン様をあっさり丸呑みしたのであの者が神界の頂点になるでしょうな」


「ふふっ、あのば神が勝手に食われたせいで私の可愛い使い魔が幽閉されて、あんたは名を封じられて、お互いに散々ね」


「オーディン様がば神ですか・・被害神にその物言い、真カレン様は我々悪神の憧れですな」


「あら、ありがと。さて―――本題だけどサタン」


「はい」


「あんた最近怠けてるんだって?」


「―――申し訳御座いません」


「あんたの部下、えっと・・怠惰だっけ? あんたがそれに堕ちてどうすんの」


「弁明のしようも御座いません。直ぐに権能に励みます」


「ああ、別にいいわよ。怠け者の私が説教できる立場でも無いしね」


「カレン様が怠け者などっ!」


「それに理由も判るしね。――――あんたまだ私に未練があるんでしょ?」


「・・・・・」


「・・・カレン様とシド様の御結婚の御報告と御挨拶に御越し頂いた最に心から祝福させて頂きました」


「あんたらしい台詞ね。悪を司る癖に嘘も言わずに遠回しな台詞なこと」


「御方々に虚言など誰に命じられても出来ません。御方々以外なら同じ永久評議神だろうと幾らだろうと虚言も愉悦とします」


「はぁ・・・あんたに初めて会った時に口説かれて振った時を思い出したわ」


「・・・・・懐かしい想い出で御座います」


「―――私は魔の祖ではあるけど怠け者で、今では神々で私を超える連中も大勢いるわ。ヘカーティアやエキドナ筆頭にね。戦闘面ではゼウスやオーディン、素戔嗚なんか話にもならないわね。あんたはその両方を程よく弟に与えられてるわ。旦那を封じて私を組み伏せ犯す事も自分の物にも出来るのに、悪を司る癖になんでしないのよ?」


「「「――――」」」


「・・・御方々に・・・・・いえ、そうですね・・・確かに力でも魔法でも私はカレン様を自由にできるかもしれません・・・ですが私が望んだのはカレン様の体でも心でも魂でも有りません。想いで御座います。之ばかりは如何な手段でもカレン様御自身からで無いと意味が御座いません」


「そう、ふふっ、悪神の癖に一途ね。でも私は優しく無いの知ってるでしょ、遠慮無くあんたの未練断ち切るわ。旦那一筋だから無理ね」


「「・・・・・」」


「――――――でも、そうね。神界で初めて私を口説いた礼はしてあげる」


「――お礼・・で御座いますか?」


「あんたも知っての通り番になったのは良いけど私達の子なんて孕めるかどうか、孕めても産めるかどうか未知でしょ? だから私と弟達で幾つかの星を掛け合わせた様な一つの星を創造して其処に私のあらゆる力の半分・・・そうね、片割れとでも言うべきかしら。それを創造したわ」


「っ!? な、なんですとっ!? では御方々のような存在が!?」


「まぁ片割れだから何とも言えないわね。ただそうね・・・その姉妹、あんたにあげるから好きにしなさい」


「姉妹・・・? 御二方なのですか?」


「ええ、姉は想定通り私の魔力と不変不滅を、妹のほうは私達も予想外でね、そうね、なんと言えばいいかしら、特になにも『無い』わ」


「成程・・・ですが片割れとは言え御方々と同義、それを好きに等畏れ多いです」


「あら、言ったでしょ。グシャも創造に加わったって。つまり神格は無いけどあんた達同様あいつの子でもあるわ。後は言わなくても分かるでしょ」


「――本当に、本当に宜しいのでしょうか?」


「私はあんたと違って嘘も平気で付くけどこれにかけては私の【名】に掛けて約束するわ」


「――――そのお礼有難く頂戴致します」


「犯す也・飼う也・殺す也・堕とす也・支配する也・そうね―――恋慕でも好きにしなさい。ただしあんたにだけ教えたからいざという時まで他の奴らには内緒にね」


「承知致しました」


-------------------------------------------------------


そしてアマネを呼び出す前の主との感傷深いやり取りを


健やかに、カレン様とお過ごしください とお願いをした


恐らくは大丈夫でしょう。唯、主に虚言は吐きたくありません。どうなるか判りませんが私奴の我儘で選んだ『未知』ですので、どうなろうと私奴は満足です と我儘を言った


その返答が


―――私も我儘なのよ。だから、お願い。帰ってきてね、お前にはカレンを守ってもらいたいの。どんな手段を使ってもいい。私を売ってもいいから、これは命令よ。




迷うまでも無かった。

己が主は無事なのは確定なのだから、なら愉悦を楽しめばいい


「俺の部下がすまんな。まぁ窘める気は一切無いが、先の問いだが俺の主は神ではない、ああ聖人でも無いぞ」


殺意を抑え悠々と席に再び座り不遜に口を開くシャイタン


「何だと? 幻獣か人間の使い魔になったとでも言うのか?」


「永久評議神が人間の使い魔だと!? 馬鹿な! そんな人間即刻天獄送りだ!!」


「当然だ!」


「それは無理だな。この場の全ての者が総出でも滅ぼせん」


虚言ではない、滅ぼす術がないのだから


「っ!? 竜か? 如何な竜とてゼウスかオーディンを軸にこの場の3柱もいれば滅ぼせるぞ」


        永久評議神


竜 全獣を司る原初の神 評議神の地位を与えられているが神界と喧嘩して今では幻獣界の統治者になっている

全ての獣への絶対命令権を有する 戦闘力だけならゼウスとオーディンを同時に相手どれる破格の生物


「俺の主が竜? どう転べば俺が竜に着くというのか、呆れて物も言えん」


竜は面白いがそれだけだ。最も竜の娘のティアマトは最高だ、但し再会すれば言葉を交わす前に問答無用で殺されるだろうが


「幻獣でも無い。ふむ、ああ、言葉が足りなかったか。力で言うならこの場の1柱でも余裕で勝てるな。後ろの連中でもだ」


之も虚言では無い。後ろの顔を隠し発言が許されない神でも力ではアリスを余裕で超えている


「・・・どういう事だ? 貴様なにか弱みでも握られてるのか?」


「「「・・・・」」」


明らかに評議会が騒めく、自分が後ろの連中以下の者に仕えるなど予想も出来ないのだろう

評議会で1柱エキドナだけシャイタンを注視している、アリスの名を出すなと視線で訴える

シャイタンは愉悦を存分に満喫してあっさり言い放つ


「まぁ待て。神樹を盗んだのはアマネでは無い、俺の主だ。最もその価値すら主は知らずに唯の旨い果実と思ってるがな、くくくっ」


「っ!? シャイタン!」


アマネは此処に来て有り得ないとシャイタンを凝視する

シャイタンの性格を知ってるだけに主を売るなどあり得ないと意図が掴めず困惑してしまう


「なっ!?」


「どういう事だ!?」


「もういい。さっさと貴様の主とやらを教えろ」


「ああ、構わんぞ」


シャイタンがあっさり応じたことに獣も警戒しつつ神威はそのままだが己が主に振り向く


「シャイタン様!?」


「獣、良い。今が『いざという時』だろう」


「・・・左様ですか」


獣は己が主の意を汲んだ。そして神威も抑えた。そんな獣の様子を見てアヌとシンだけこれは何か嫌な予感がすると察したが既に遅かった。


「言葉より直接見せたほうが早いな。主を覗くのは不敬だが之ばかりは仕方あるまい」



シャイタンが魔導で遠視を円卓の中央に移す

丁度己が仕える主のアリス・アシュリーが扇情的に着崩した着物姿で台所で料理をしていた所だった


あれも美味そうだ


そんな呑気なシャイタンと違い獣は黙したままだが・・・アマネはまさか本当に己が主を明かすとは思ってなかったのでシャイタンに怒りを向けるが、他の永久評議神含む従者達が有り得ない者を見せられ阿鼻叫喚となる


「っげぇ!?」


「混沌姫!」


「おいふざけんな! 混沌姫とか聞いてないぞ、俺帰る!!」


「ぇ? え? え?? お、お前カレン様の使い魔になったのか?!」


「いや待て。兎の耳・・? いやあの御方なら・・って2人っ!?」


丁度遠視にアリスの隣にカレン・アシュリーが蝶の図柄のローブ姿で並んで2人仲良く料理をしている


「!?」


(私のアリスちゃんがお揃いの同じ黒髪に・・・それにもう1羽!? ふひ♪)


ヘカーティアが真っ先に捕食者の眼を向ける


(あの娘は!? そうか・・・わらける! わらけるのう!!)


エキドナも同様だった


「ど、どどど、どういう事だっ!」


「俺嫌な予感がするから帰っていい?」


「ま、待て待てっ。あの混沌姫なら御姿を変えようが分身しようがおかしくは無いだろう・・・」


「確かに・・・だが片方はカレン様の魔力があるが片方は無いぞ?」


「貴様らの誤解を解いておくと我が主はこちらの姉妹で契約主はアリス・アシュリー様、その妹君がカレン・アシュリー様だ」


己が主の名とその妹の名も明かす

シャイタンは明らかに愉悦の笑みを浮かべ獣は呑気に遠視を眺めていた


(カレン様・・・あの幼子がご立派になられましたな)


アマネも遠視を見ていた


それと同時に幾つかの永久評議神は遠視を眺めて思い耽る、最も内容は各々に様々で酷いが・・・

背後の連中の大半は逃げ出していた・・・・・


永久評議神の怒りを買おうとも関わらぬ混沌姫に天災無し


神界の誰もが知ってる事だ


「・・・・アシュリー?」


「御方では無い?」


「あの御方なら身分や姿は変えようと御名は変えぬ筈・・・」


「だが妹がカレンと・・・サタン! どういう事だ!!」


永久評議神の各々が混迷や黄色い悲鳴、異常な目で遠視を眺めつつもシャイタンに問い詰める

シャイタンは言葉を紡ごうとして此処で初めて驚愕の表情を現す


シャイタンだけでない他の永久評議神全て、アマネも、獣も、背後の逃げ遅れた発言が許されていない者達まで騒めくがそれを咎める余裕も無かった


この場に有り得ない1柱が転移してきたのだ


「ローカパーラ!?」


現在御方の当番制護衛を任される守護神ローカパーラが現れ、手にした神器の矛で床を付いて視線を集め言葉を発す


「御方がお見えです。静粛に願います」


ローカパーラの言で即座に皆行動した

跪きはしない、膝を付きもしない、ただ起立しただけだ


「久しいなっ! 我が子らよ!!」


この場の全ての者が崇拝する創造主のまさかの登場に皆殺意も神威も完全に抑える


        超越者 グシャ 始祖の男性にして役目は【創造者】

虚無に3つ誕生した全ての始祖たる超越者でグシャ アイオン カレン 後に誕生したシドと全ての星々・天獄・幻獣界・神界合わせても超越者はこの4者しか存在しない


グシャは銀髪銀眼で荒々しいウルフヘアーが特徴の眉目秀麗な20歳前後ぐらいの青年だが威圧感等無く一見では人間と区別がつかない。

三千世界と神々を創造し遍く星を面白可笑しく眺める。力も魔力も神威も欠片もないが、それでも星のような力強さを感じさせる神々の創造主であり敬愛する父親だ。


「父上!!」


オーディンが敬愛する父上とこの場で相まみえて歓喜の声で呼びかける


「グシャ様!」


ゼウスも驚きの余り狂喜の瞳で玉体を拝み呼掛ける


「お父様・・・♪」


同性愛を拗らせたヘカーティアが愛に溢れた声で父と呼ぶ


「お久しゅう御座います。グシャ様」


シャイタンも敬愛するグシャに一礼する

グシャは礼を求めない、それでも敬意から自然と出てしまうのだ


「グシャ様、お久しゅう御座います」


アマネもまさかこの場でグシャを拝めるとは思わず慈愛の溢れる声で挨拶して一礼する


「はははっ! 本来なら我はこの場にこなんだが今回は事情が事情だけにな、邪魔するぞ」


グシャは無限の星々を、神々を創造し、此処神界に住んでいるがこの場に出たことは一度と無い

グシャは全てを子供達に任せている。それこそ自由に


「父上がお邪魔など! どうぞ、父上に相応しい玉座を用意してるのでお座りに!!」


この時の為に用意したグシャの為の玉座をオーディンが是非! と勧める

その台詞でグシャが背後を見るとあっさり言い放つ


「ん? なんだあれは? 戯け、人間でもあるまいに我に子を見下ろす趣味などないわ。――どれ、我にはでかすぎるが竜の席でも借りるか」


そう言って玉座を無視して確かに御方には余りもでかすぎる竜の席に着き我が子と同じ円卓を囲む


「父上・・・・」


悲しいのではない、嬉しいのだ

玉座に相応しい御方なのに子と同じでいいと同じ席に座ってくれたのだから

言葉に出なかったオーディン以外の全てが歓喜に溢れる

涙を流す者も居る


「さて、サタンにミューズ。今は名を変えたとか? 我に教えろ」


「シャイタンの名を賜りました」


恥ずかし気も無く誇りに溢れた声で告げる


「アマネの名を頂きました」


言葉は固いが嬉しさを込めて告げる


「そうかそうかっ! ところでアマネ。なんだその口調は? いつものにせい」


グシャは自分の口調を気に入ってくれてるのだ


「っ! はいぃ♪」


アマネは今ではすっかりこっちが素とばかりに甘ったるい声で明らかに歓喜の声で応じる

この場に相応しくないが満面の笑みだった


「うむ。して、貴様らの今の話だが、シャイタン。カレンから聞いているのだろう? 構わん。この場で皆に話せ」


「畏まりました」


グシャの命ならにべも無く、かつての気恥ずかしさと喜びの籠った御方の片割れを賜った経緯を語る


・・

・・・

・・・・

・・・・・


超越者 カレン 始祖の女性にして役目は【傍観者】

虚無に3つ誕生した全ての始祖たる超越者でグシャ アイオン カレン 後に誕生したシド と全ての星々、天獄、幻獣界。神界合わせても超越者はこの4者しか存在しない


カレンは片割れだけに容姿はカレン・アシュリーとアリス・アシュリーと瓜二つで並べば三つ子と言える

違いはアシュリー姉妹と違い玉兎では無いので兎の耳と尻尾が無いだけだ。そして姉妹兎が黒に染める前の銀髪だ

役目が傍観者だけあって怠け者で寂しがり屋、何もしない事からせめて自分達の名前と役目はカレンが決めた

男性がグシャ(愚者) 中性がアイオン 女性がカレン 神々の創造者が愚者とは皮肉だとグシャは気に入った

3つ同時に誕生したのでカレンとグシャがどっちか兄妹・姉弟かで互いに譲らない。同じくして誕生したアイオンは呆れ笑いを零してその光景を温かく眺めていた


アシュリー姉妹の片割れではあるが根本的に異なる

魔の祖だけあって魔力は無限だが怠け者で無数の星々の魔法を蒐集しているもののエキドナやヘカーティアのように極めるのではなく幅広く蒐集しておりあらゆる意味で問題児だった・・・それはもう忌み名の『混沌姫』が相応しい程に

儚い光だったカレンは寂しさから星を巡り、文明が何度も滅び、その度に文明が開化し生物は知恵を磨き上げていく。

神々が気まぐれで世界を滅ぼせば生物は世界を作り直す。それを何百億と見続け人間へ興味が完全に失せた・・・


そして神に興味が沸いた


それからはもう神界は悲惨だった・・・

カレンが使い魔を無人の秘星で放し飼いしてたら突如神界にふらっと表れ、神界を半壊させオーディンを丸呑みして神界の総意で次元の狭間へ幽閉させた時は勝手に食われたオーディンが悪い! と逆切れするほどはちゃめちゃだった

実験と称して悪神と善神を入れ替えたり、いじくりまわしたり、求婚してきた神を蜥蜴にかえたり、気まぐれで女神を美女から美幼女に変え、おまけにその星に小児性愛者を広め信仰を付けて、姿を固定化させたりと・・・


このように問題だらけだが・・・御方と同様の超越者でどうしても神々は惹かれてしまうのだ


・・・・・

・・・・

・・・

・・


サタンの語りが終わると場は唖然としていた


「・・・・カレン様の片割れ? では御方と同様に?」


「待て待てっ! お前混沌姫に告白したのかっ! 気は確かか?!」


「サタン、その話は本当なのか?」


その台詞に敵意は出さないが怒りを露わにシャイタンは発言した永久評議神を睨みつけ告げる


「俺は貴様ら相手でも平気で虚言も愉悦とするが御方にまつわる話に虚言を吐くと? 逆に問うが貴様は命じられても出来るのか?」


「・・・すまない、失言だった」


「まぁ待て待て。先ずは神樹の件だがな、無くなったのは4本だ」


グシャの発言で場は更に混迷してアマネに視線が集まる

だが敵意も神威も誰も発さない


「!?」


「4本ですと?」


「ミューズ! 貴様4本も盗んだのか!?」


いわれも無い濡れ衣にアマネも「えぇ?!」 と涙目で慌てふためく


そしてその場を収集するべくグシャが続きを述べる


「その内3本を勝手に植えたのは妹のカレンだ。取り返したければ構わんぞ、行ってこい」


グシャがあっさりと言ってのけるが永久評議神達からしたら色々な意味で堪ったものでは無かった


「混沌姫か・・・」


「またあの御方か・・・」


「くっ、くはははっ!! まさかあの御方まで、しかも3本とは、くくくっ」


片割れだけあって同じ事をしたらしい

シャイタンからしたら愉悦に勝る喜びだった、それはもう笑えるほどに


「カレン様らしいですぅ♪」


カレン様とアリスちゃんが同じ珍事をやるとは思わずアマネも笑ってしまう


「オーディンにゼウスなら余裕で勝てるだろう? エキドナやヘカーティアでも構わん、あの怠け者を我の代わりに行って叱って来い」


「父上ご勘弁を・・・父上の命でも混沌姫に手を出す等できませぬ」


「同じく、無理です。それ以前にフェンリルいるしこの場の全員でも論外です」


「お慕いし崇拝する魔の祖であるカレン様を叱る等お父様の命でも無理です♪」


「ヘカーティアに同じじゃ、妾も己が崇拝するカレン様にその魔を向けるぐらいなら自滅を選ぼう」


この4柱ならカレンに勝てるが勝敗の話ではない、問題だらけでも御方同様に敬愛してるからこそ父上の命でもそれは無理だ


そんな親煩悩な永久評議神達の意見にグシャが呆れて笑う


「はははっ! あいつの使い魔か。あれは確かに化物だからな! まぁ我は戦闘も魔法も関心が無いから平凡な人間相手に殴り合っても負けるからあれの機嫌を損ねたら間違いなく食われるな」


グシャは創造者なだけで一般人と変わらない。本者が望めばそれこそ魔法も戦闘技能もその場で極められる術は有るがグシャ本者がそれらに関心が無く、不変不滅なので消滅も有り得ないが、それで敬愛する父に傷を付ける事を良しとする者は神界に存在しない、だからこの場で誰も殺意も神威も発さないのだ、グシャの害になるからと


「グシャ様の身に何か有れば我ら全て盾になりますぞ!」


「「「「「「「「「当然です!」」」」」」」」」



この場で名の出た超越者カレンの使い魔フェンリルについて語ると正確には名前はまだ無い

真っ先にグシャが旅立ち星々を創造し、次にアイオンがその星々に知的生命体を創造しに旅立ち、1者残った寂しさからとある星に降り立ち人間を観察し・・・期待と興味と裏切りを繰り返され人間に興味も関心も無くしたカレンがとある秘神と興が乗って使い魔に逸れ神獣の狼を選んだのだがカレンの魔力を常に何百億年と浴び続けた…


その結果


某兎への侮蔑用語の『壊れ者』では無く正真正銘の【壊れ者】に至った

通常の狼程の大きさだったのが竜同等の30m程の巨狼となりカレンの魔力を馬鹿げた意味で超越しており神威もどういう訳か有り得ない程膨れ上がっており今では全知的生命体の頂点の強さとなるがカレンの放任主義振りから使い魔の名前を考えてる間にふらっと神界に現れ、少し遊んだだけで神界は半壊して永久評議神で最強各のオーディンをあっさりと丸飲みしてこれは堪らんとカレンに懇願して次元の狭間に幽閉された

主同様 忌み名が複数有り フェンリル・星喰い・神殺し・魔狼・真神

強さは規格外なのだが言葉も発せず純粋にカレンにじゃれついて遊んでるだけの狼なのだが・・・余りの規格外振りからその遊びでも神界はこの悲惨な有様だった



「全く子馬鹿どもが。さて、肝心の話だが。先にシャイタンが話したのは事実だ。あの星と姉妹を創造したのは我とカレンとアイオンでな、妹のほうは我らも予想外で何も『無い』。―――――だが無能と違い何も無いという事は何にでも『有れる』という意味だ」


子馬鹿と笑いながらも本題を告げる


「「「・・・」」」


「成程・・・」


シャイタンはグシャの台詞で色々と得心がゆく


「して先のカレンの話だがカレンの言う通りあの姉妹はカレンがシャイタンにやると言ったが我も創造している。つまりこの世界の善悪大小全てと等しく我の子でもある。そして我は全てを許している。平和等全知全能でも無い我には無縁だからこそすべてを貴様らに任せ自由にだ。当然我への反逆も良い、貴様らは堕神を嫌うが我は気にせん」


        堕神(だしん)


善悪全てを許され好き勝手気ままに振舞うことを許され、謀反ですら容認される神々だが唯1つ禁忌とされる事が有る

全ての神々はグシャに創造され、その際神には大小様々ではあるが役目が課せられる

それを放棄した神を堕神と認定され、判明次第この時だけは神界でも派閥や禍根を無視した堕神の討伐に赴く

神の中には超越者を凌ぐ存在も有るがグシャへの謀反は一度とて無い。それは全ての神々が創造主であるグシャに親にも似た敬愛と忠誠を誓っているからだ。グシャは「そんなこと気にせず好きにしろ」とカレンのように破天荒な一面を見せるが基本的に子供のように神々を溺愛しており、そんなグシャに神々は望外の喜びを感じ役目に忠実な存在だ。そんな中で堕神が現れようなら神々の怒りを一身に受ける事になる。


「「「「「・・・・・・」」」」」


「だからあの姉妹も貴様らと同じ我が子だ。だから貴様らの行いになにも口を出さん。意味は分かるな?」


己が妹の片割れを自分と同じと告げる


「はい」


「承知致しました」


「殺そうが愛そうが自由にしろ。ただそうだな・・・3つ確認させろ。先ずシャイタンにアマネ」


「はい」


「はいぃ」


「貴様らは竜種を除く幻獣ではない。神の貴様らが名を変える意味は解って、納得して改名したのか?」


悪魔と違い神は名を変えられる。そもそも同じ神でも星によっては信奉する名も姿形が異なる事もある

だがこの場合名付け親の名に未練は無いのか? とグシャは問うている


2柱はそれを十分理解して即答する


「勿論ですグシャ様。アリス様に望んでシャイタンの名を賜りました」


「私もですぅ! カレンちゃんにお願いしてアマネの名前を付けて貰って気に入ってますぅ♪」


「そうかそうか! では我の【名】に掛けて貴様らの改名を認める! 以後サタンはシャイタン、ミューズはアマネを名乗れ。元の名を使う事は許さん」


グシャの宣言でサタンとミューズの名は神々から『消失した』


「承りました」


「はいぃ!」


「うむ。次にだが、同じ我が子とは言えあの星で我の創造した姉妹を守っている貴様らに望む褒美をやる。好きに言え。ああ、遠慮など無粋な事は言うなよ? 子の我儘を聞くのは親の務めだ。先ずはシャイタン、何を望む?」


「有難き幸せ・・・宜しければ獣の名を付けても宜しいでしょうか?」


「「「「「!?」」」」」


「シャイタン様・・・」


部下想いの主に思わず獣が此処に来て初めてグシャから視線を反らし主に目を向け感謝を捧げる


「それは元の名に戻すと言う意味か?」


「いえ、好きな名を何れ付けたく思います」


「うむ、構わんぞ! カレンもそやつを可愛がってたしな、名を付けたら神界に知らせろ。我の【名】でそれを許す」


「有難う御座いますグシャ様」


「感謝致しますグシャ様」


「次にアマネはなんだ? 神各上げて永久評議神に就くか、支配地の星100でも1000でも好きに言え、直ぐ創造するぞ」


アマネが何を選ぶか、悩むまでも無い


「カレンちゃんとアリスちゃんと先輩とシャイタンの為に権能が欲しいですぅ!」


「ふっ、ふはははっ!! 構わんぞ。どの権能だ?」


「カレンちゃんにもっと美味しいものを沢山食べてほしいので豊穣の権能をお願いしますぅ」


「全く貴様らはとことんあの姉妹に甘いな――――よしっアマネ、貴様の権能、文学・学術・芸事に豊穣も加えたぞ!」


儀式も手順も奇跡も何も必要ない、創造者なのだから創造するだけでいい


「グシャ様有難う御座いますぅ♪」


旧名ミューズ 神明アマネ 権能 文学・学術・芸事・豊穣


「さて・・・最後にだが、あの姉妹の姉はカレン同様不変不滅だが妹は違う。何れは滅びる、あの姉妹が望めば好きな時に我が神各を授ける。これは我が子だから当然の権利だが選ぶのはあの姉妹だ。貴様らの好きな時に姉妹に伝えろ」


「畏まりました、折を見て主姉妹にお伝えしたいと思います」


「シャイタンに同じですぅ」


「あ~それと神樹はアイオンに頼んで4本補充してもらう。神樹を盗んだカレンの片割れとその仲間、いや、家族か? 妹とシャイタンとアマネ含め罰する也滅ぼす也も当然貴様らの自由だ。だがそれなら同罪のカレンに同様の罰を与えるのが道理だと思うが、まぁ我は口を出さんから好きにしろ。さて、手の掛かる妹を然りに行ってくる。ではなっ」


初めて神界最高評議会場に乱入したグシャはあっさりとローカパーラと共に去る


「「「「「・・・・・」」」」」


この場の全ての者がグシャにこの場で会えて感動が未だ胸中に残る


「――さて、獣。今は下がれ」


もうシャイタンもアマネも主姉妹も心配無いのだから、あとは顛末を楽しむだけだ


「――はっ」


獣も主の愉悦を楽しみに危機は無い、と転移で去る


「―――ちょっとシャイタン! なんであんたが私のアリスちゃんと居るのよ! あの子は私のよっ!!」


かつて一週間は我を失う程自分を魅了したアリスがシャイタンの元に居るなんて納得できないと憤慨するヘカーティアにシャイタンは


「黙れ色狂い。貴様アリス様を愛でてるらしいな? ここで指咥えて眺めてろ。くくくっ」


最高の愉悦を味わう


「これでカレンちゃんとアリスちゃんに先輩とシャイタンにもっと一杯美味しいの食べて貰えますぅ。喜んでくれるかなぁ♪」


「アマネ、お互い見事な褒美だったな」


「はいぃ!」


アマネとシャイタンがお互い顔を向けて頷く


「さて・・・それで貴様ら、我が主を殺しに来るか?」


有り得ないが愉悦の為に聞くシャイタン、この場の皆それを知ってるだけに歯噛みする


アヌは頭を抱えて円卓に伏せる


(ははっ・・・あの混沌姫の片割れか・・・こんな事なら議会を開く前に直接赴いてシャイタンに説明する形他の星に匿うべきだった・・・・・シャイタンのあの笑み、こうなる事が解ってたな・・・どうすんだよこれ、こいつら抑えられる訳無いだろ・・・)


シンは現実逃避していた


(あの御方の片割れだけあって混沌振りも仲良く分けたってか―――もうやだ、アヌには悪いが永久評議辞職したい、もう帰りたい)


「「「「「・・・・・」」」」」


「意地悪を言うなシャイタン・・・しかし同じ子か。ならあの混沌姫の容姿のあの姉妹も我らと同じ子と言う事だな?」


悪癖がさっそく出るゼウスだった


「「「・・・」」」


「貴様らしいなゼウス。まぁ貴様に勝てはせんが獣と死守するぞ」


「あの混沌姫の片割れ・・・我めっちゃ欲しいのだがっ!?」


議長のオーディンが議題も忘れての心からの台詞だった


「おい待て。姉は契約しているのだろ? では妹はまだ契約してないと言う事だよなっ!?」


その議題を引っ繰り返す提案を名案とばかりに伊邪那岐が発する


「「「「それだ!!」」」」


(それじゃっ!!!)



ちなににこの永久評議神達、永久評議神が使い魔など論外だと激怒し、当初は契約主は天獄送りが当然だと憤っていたのにこの掌返しである


・・・・・最もこの場で問答無用でシャイタンを滅ぼしアリスを本当に天獄送りにした場合神界と天獄の全面戦争になっていた


なにせアリスは天獄の最高神3柱が猫可愛がりする程のお気に入りなのだから・・・






「戯けっ!! あれは妾のカレンじゃっ!」


「「「「「「「・・は?」」」」」」」


有り得ない神が有り得ない台詞を力強く宣言してシャイタン含め皆、唖然として発言者をぽかんと眺めてしまう




「あの娘は、妾のカレンは妾の絶界を無視してぶちおったっ! 成程、先の話で判ったわっ! 妾のカレンは『無い』と言っておったが邪気すら『も』無いのかっ!! 欲しい! 欲しい!! 欲しい!!! 神生で初めて触れられたのじゃぞ!? 神器で貫かれた事もある。魔導で消された事もある。だが互いに触れ合える等、この場の永久評議神でも無理なものをあの妾のカレンは、妾のカレンだけがっ! 正に神命ぞっ! 欲しい!!! 妾のカレンを汚したい! 犯したい! 飼いたい! 堕としたい! 首輪を着け服従させたい! カレンの全てを奪い憎悪で埋まりたい! 嫌々、妾のカレンならその逆も歓迎じゃ!! 汚されたい! 犯されたい! 飼われたい! 堕としてほしい! 妾に首輪を着けてもらい服従したい!! 妾にカレンで埋めて欲しい! あれは妾のカレじゃ!!! 妾には無縁と思っていた女を身に染みて体感させおったわ! 成程成程、夢魔等は話にもならんわ!! 誰にも渡さんぞっ!!!!」



狂言と共に円卓を囲む連中に威嚇するエキドナだった

かつてカレンを実験動物にしようとしていたエキドナがこの様だ


「「「「「「・・・・・・」」」」」」


友神の変貌振りに狂ったのか? と疑うも元から狂っていたわと皆自己完結する


シャイタンですら己が主へのあまりな台詞の内容に怒りや殺意より先に思わず虚を突かれた


「貴様・・・気が触れたのか? 魔導一筋の狂獣が狂愛に目覚めるとか愉悦も過ぎるぞ!! くっくはははっ!!」


「エキドナ様怖いですぅ・・・」


「そうじゃっ! ヘカーティア! アリスの弟子の所有権を譲るから性転換の魔導を教えいっ!!」


アリスの外法の精進は最悪ヘカーティアでもできるがカレンを、否、自分が愛で合えるのはあの娘だけだとエキドナが詰め寄る


・・・勿論嘘である。

エキドナがアリスを手放す訳が無いとヘカーティアは長年の付き合いから解っている


「えぇ~・・・どうせならあの可愛い小兎姉妹愛でたいから嫌よっ」


姉兎だけでなく妹兎にまで狙いを定めるヘカーティアだった


アヌとシン以外の他の連中もやいのやいの騒いでいる



存分に楽しんだ


「さて、契約してる使い魔と幻獣の俺達は戻るかアマネ」


「はいぃ♪」


アマネもシャイタンももう用は無い、大好きな主の元に戻るだけだ


「「「「「「ちょっ!?」」」」」」


「ああ、貴様ら。最高の愉悦を馳走になった」


散々神界最高評議会場を掻き回した挙句に最後にシャイタンが愉悦の極みで馳走といって去る・・・・・



改めて永久評議神を紹介するとこうなった


アヌ

大地と天空と星を司る神 罪を犯した者を捌く権利を有する神々の王 評議神の中で唯一公平でまともだが他の面子が問題だらけで頭を悩ませる


シン

大気・月・暦・豊穣を司る神 星々の暦を決める決定権を有する神 アヌに続いて温厚というか平和主義で周りの問題神に関わりたくないと放任気味


イラト

創造を司る女神 豊穣と海も権能があるがひねくれ者で結婚式に呼ばれなかっただけで国に飢餓を振りまいた問題神


ゼウス

宇宙と秩序を司る最高神 神界きっての女誑しで子供の数は凄い 大神の子や眷属が最も多く自身の戦闘技能も評議神の中で頂点に値する 嫁が嫉妬の女神で夫婦揃って問題神


オーディン

戦争と知識を司る主神 知識の蒐集に貪欲で戦闘技能はゼウスに匹敵して評議神の中で頂点に値する・・・がとある御方の使い魔にあっさり食われた、密かにその御方に惚れていた


ヘカーティア

死と魔を司る神 別名 死者の女王 無敵の女王 性癖を拗らせて同性愛に目覚めてアリスを付け狙いカレンの存在を知って姉妹兎を狙っている問題神

魔法に関しては神界でエキドナ同様頂点に値する


エキドナ

魔と蛇を司る悪神 蛇の如く執念深い 魔の追及に貪欲でそれ以外に興味も無く手段も問わない。が、邪気を弾く絶界を施しているがそれを無視してぶったカレンに執着して女に目覚め、ヤンデレになり凶獣にして狂愛に目覚めサドマゾを拗らせる問題神

魔法に関しては神界でヘカーティア同様頂点に値する


伊邪那岐

混沌と国を司る大悪神 今は天獄の妻と喧嘩して頭を悩ませている評議神の中では割とまとも・・・と思いきや妻から逃げる為に国民を犠牲にした駄目夫


旧名サタン 神明シャイタン

悪・悪魔・天使を司る大悪神 かつては悪逆の限りを尽くした悪の権化・・・が飽きて漫然としていたところ姉妹兎に出会い、惹かれ神界をほっぽり出した


全獣を司る原初の神 評議神の地位を与えられているが神界と喧嘩して今では幻獣界の統治者になっている。全ての獣への絶対命令権を有する。戦闘力だけならゼウスとオーディンを同時に相手どれる規格外の生物・・・娘を溺愛している


ティアマト(予定)

原初の女神 聖女にしてアイドル? ヤンデレ・ファザコン・メンヘラ・サイコパス・ストーカーに神と魔女っ娘と最早何を目指しているのか誰にも分らない愉快な神。但し実力は父に次いで折り紙付き

余りにも面白過ぎてグシャがカレンを呼び出して会わせたら腹を抱えて笑いだし善悪か? どのような権能にするか? 2者して数日考えたという



・・・・・神は馬鹿といったが永久評議神も同様に問題神だらけだった



そして祖の超越者3者もあらゆる意味で超越しており遥か昔に気まぐれで6000年掛けてアーカーシャなる概念を創造してそれに接続すれば全知全能に至れるというふざけた物を創造したのはいいが・・・・・


創造した後にグシャが


「完成したのはいいがこれ、我ら不滅や大抵の我が子の不死な者にとっては暇というか・・・拷問道具に等しいのではないか?」


という感想に2者は「あ」と気付いてそれに関心を無くしてほったらかしにしてるという・・・・・

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