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臆病兎の錬金経営譚  作者: 桜月華
116/148

116話 夫婦の創世奇譚 17話 番外1 サテラの冒険2

キルトの町に移住して一ヶ月


サテラは順調にコリンに紹介された魔道具店で店番を務めていた。


勤めるようになってこの町、ひいてはこの世界の大体の世情については情報を得る事ができた。


まずこの世界では魔法の行使には階位に関係無く、一節の詠唱と杖が必要の代わりに魔法の効果が増幅されておりサテラの修めている同じ魔法でもこの世界の魔法使いが行使すると威力が強大だった。


これについては無詠唱の概念が無い代わりに詠唱と杖という媒介を用いた一種のブーストと判明し、試しにサテラが杖を用いて同じ魔法を行使すると威力が増していた。しかしこれについては余り関心が無く、あくまでこの世界特有の独自の文化であり他の世界では適応されない事だ。

そして魔道具についても驚きの事実が判明した。


以前に主人のカレンやシドに聞いた試験世界で得た知識にある兵器と酷使した機械があり、違いといえば魔力を帯びた魔具だけあって殺傷能力は凌駕している分そのような兵器は国の軍や特権階級の秀でた魔法使いのみ使用が許可されている。

国同士の戦争にも魔導教練組合監督の下、空を飛ぶ魔導船で空中で大規模戦術級魔法の撃ち合いという突飛な話で実際に目にしない事にはにわかには信じがたい話だった。これについても2ヵ月後に行われる17次魔導抗争を直に目にする腹積もりだ。



使い魔の爆雷鳥からの情報でこの世界独自の魔法も幾つか目にする事ができ、サテラの神眼のお陰で魔法の構築式は判明しておりカレンに依頼された珍しい魔法の蒐集も順調だった。


ただ問題が無い訳ではない。

それはこの店の経営方針だった。

コリンに紹介されてこの店を訪れて経営者のコリンの父はサテラの事情を聞くと詮索もせず2つ返事でサテラを雇い入れ週に銀貨2枚と3食と店の2階にある天井裏を貸し与えてくれたが、この主人が良くも悪くも悩みの種だった。


目利きも禄に無い癖に放浪しては明らかにガラクタのような魔道具を仕入れてくる、当然店の経営は苦しく魔道具店の癖に目下売れ筋はポーションだけだった。


サテラが勤めるようになって一週間後には店をサテラに任せ主人は放浪にでるようになり、無用心極まりない有様だ。

サテラにはポーションの作成と珍しい品が持ち込まれたら買い取るよう言い渡すと今もどこぞに放浪している。

商売など無縁のサテラでも思わず商売する気があるのか疑問を持つ主人だが人当たりはよく、近所の常連がよくポーションを買いに来る辺り主人の人の良さは窺い知れた。


サテラにとってポーションや薬草、香草の作成はお手の物なのでまずはこの店のポーションを調べると効果はお粗末な物だったのでサテラお手製の品を店で取り扱うようになると其の効き目から評判になり今ではご近所に限らず組合員や一部の高位魔法使いもいまや常連になっており売り上げも順調だった。


最もその売り上げも主人の浪費で大半は消えるがそれでも売り上げは日増しに増えていった。

其のお礼として主人からは自費で自身のほしい道具が持ち込まれたら自分で買い取っていいと言われたのは行幸だった。


サテラの知る由も無いが一部ではサテラの容姿に惚れ込み足しげく通う常連も日増しに増えていった。

今日もそこそこの人数の客をさばいていると始めて目にする1人の身なりのいい魔法使いが訪れた。


「いらっしゃいませ。どの様なご用件でしょうか?」


「魔道具の買取をしてほしいんだが、その・・・実は私もあまりどのような道具なのか判らないんだ」


そういって男は背負っている袋から1m程の見慣れない鉄の塊を取り出しサテラに手渡す


(これは・・・カレン様に聞いた試験世界にあったという銃とやらに似てますがこんなに大きかったかしら? それに魔力が感じられますね)


持ち込まれた鉄の塊に道具鑑定の魔法を行使して調べてみるとどうやら魔力を込めて遠方に魔力の塊を打ち出す道具と判明する


「どうやらこれは魔力を込めて遠方に魔法を飛ばす魔道具のようですね。ただ余程の魔力を込めないと距離は微々たるもので正直普通に攻撃魔法を行使したほうが効率がいいようですが珍しい物に変わりはありませんので買取は可能ですよ。ただ使用者が限られてるのであまり高額な値はつきませんが、金貨2枚と銀貨8枚でどうでしょうか?」


提示された値段に男は驚き交渉も無しにその値段で商談は成立し、ポーションを3本購入して店を後にする。


サテラは珍しい魔道具にこれは自分が買い取る事にした。

幸い手持ちの資金には余裕があった。

コリンの紹介で宝石商に幾つかの宝石を持ち込み売った事で当座の資金には問題なかった。


日も暮れ店を閉めるとサテラは早速転移魔法で町の外に赴き今日仕入れた魔道具を試してみる


(魔力次第で威力は変わるようですが取り合えず今の魔力で試して見ましょう)


道具を観察して見ると上部についてる拡大鏡のようなもので遠方の正確な位置を確認できそのまま魔力を込めて放ってみる

1kmは離れた岩に見事命中すると岩は爆散する。

次は魔力を更に込めて視力上昇も発動して更に先にある木に実った果実に放つ、距離にして2kmはあろうかという所だが見事命中して果実どころかその周りが爆散する。


以前カレンに試験世界でこの種の武器について説明を受けた時カレンはこう言った


あの世界では魔法や錬金術といった奇跡の一種が無い代わりに凡人同士の殺し合いに文明の効率化を突き詰めて弓より遥かに効率的な殺傷兵器が普及されているわ。低位魔法よりはよほど効率的だけど私達魔女にとってそれは詰まらない物で興味が湧かなかったわ


その点今回購入した魔道具は魔力で威力が左右されるという珍しい道具でカレンやサテラにとって使い道は無くとも珍品には変わりない


(魔力を更に込めればその先にも届きそうですが―――威力が低い分距離は申し分ないですね。これは良い買い物ですね、珍品ですしカレン様も喜んでくれるといいのですが)


結果は上々で転移で店に戻る。

明日の準備の支度をしているとコリンが尋ねてきた、コリンはなにかと自分によくしてくれ数日に一度は顔を出してくる。


「よう、仕事はどうだい?」


「コリンさん。お陰様で順調で、店主には良くしてもらっております」


「そうかそうか、あんたの人となりから心配はしてなかったが今やちょっとしたこの店の看板娘だからな。お陰でこの店の経営も日増しに上がってるようで本当に感謝してる。これで親父の放浪癖が直れば言う事無しなんだがな」


「こちらこそ、身寄りの無い私にこうして勤め先を紹介してくれて感謝しております。そうでした、少々お待ちください」


店の棚から3本のポーションを持ち出しコリンに手渡す


「それは先日私が開発したポーションで体力の回復と同時に魔力の回復も兼ねたポーションです。良かったら貰ってください」


サテラの何気ない台詞にコリンは驚く


「体力だけでなく魔力の回復だと?! そんなポーション聞いた事も無いぞ!」


「まだ試作品なので皆さんには内緒です」


そういって、口元に人差し指を刺しあどけない顔で振りまく笑顔に改めて可愛いと心打たれるコリン


「あ、ああ。そういうことなら有難く貰っておくよ」


しどろもどろに慌てふためきそれじゃまた顔を出すよ。なにかトラブルがあったら遠慮なく行ってくれと言い残し店を後にする

コリンが店に顔を出すのは様子を見るとう名目の他サテラを食事に誘うという目的もあったがどうも本人を目の前にすると緊張して上手く誘えないでいることにヤキモキしていたがこうして偶にサテラと何気ない会話をするだけで億手のコリンは満更でもなかった。




店を閉め天井裏で日課の情報の精査を始める。

まずこの世界は幾つかの信仰がありそれぞれが屋敷の書斎で目にしたことのある魔法を司る小神から大神を崇めている。

それ自体はサテラは興味がないが1つだけどうしても納得できない事があった。

それは、魔法の始祖カレンが大抵の国では邪神・混沌をもたらした悪神として認識されておりカレンを信仰する者は処断されるという事だった。


カレンの魔力が豊富なこの星でそれは主人に対する冒涜と苛立ちを隠せずにいた。

それはこの国でも敵対国のレザリンドでも同じだった。

そんな国に好意が沸く訳もなく、目下サテラの最近の目的はカレンを信仰しているという邪教に関心があったが、密教だけあってその情報はまったく掴めていなかった。


当然邪教扱いされてるその関係者を見つけるのもこの一ヶ月まったく進展が無かった。

爆雷鳥にもっと行動範囲を広げさせるかと考えていると丁度その爆雷鳥がまた魔法使いを発見し気分治しに視界を共有してその魔法使いを観察するも今までの魔法使いと違って魔力は微々たる者だが僅かに神威を纏っていた。


(これは・・・当たりと見るべきか離れたほうが無難・・・?)


サテラが思案しているとその魔法使い? は爆雷鳥を看破して話しかける


「こんばんわ。話をしたいのだけどあなたの主人は用心深いのかシャイなのか、どちらかしら?」


若い男性から発せられた言葉は女性の声だった。

神威を纏っている以上素直に挑発に乗る事にしたサテラは爆雷鳥を通して魔法使い? に最悪の事態を想定して言葉を吟味して話しかける


「名のある神様に声をかけられるとは光栄ですね、話とはなんでしょう? 此方としては揉め事は避けたい所ですが」


神というのはカマかけだが、これに乗ってくるかは一種の賭けだ。最悪交戦になれば爆雷鳥を犠牲に魔法使い? を巻き込んでの爆発させる事も視野にいれているがもし神なら無駄に終わるだろう。


「流石に魔神にはお見通しのようで、しかし名のある神というほどのものでも有りませんよ」


今の情報で魔神ということは看破されており、しかも神ということにも否定しないことで、交戦は悪手と判断し交渉に切り替える


「・・・どのような用向きでしょうか? 私としては事を荒立てたくないのでこのまま話し合いで終わらせたいと思っております」


「先日からよく見知った魔力を放つ存在が現れたのでその関係性とこの世界に訪れた目的の確認をと思いまして、私の想定通りの御方の関係者なら一波乱を起こしかねないので正直に答えてくれる事を期待してますよ」


丁寧な台詞とは裏腹に神威を開放しており返答次第では戦闘に陥るだろうと判断し、ここは素直にこの世界に訪れた目的を話すことにする


「お察しの通りの御方の関係者です。この世界に来た目的は頼まれて珍しい魔法の蒐集です。御方の命によりこの世界で事を荒げるつもりはありません、それは御方の名に誓います」


魔法使い? は爆雷鳥を暫く眺めると神威を霧散し今までの殺伐とした空気を払拭し笑顔で答える


「あの御方の名に誓う以上信じましょう。申し送れました、私はイシスと申します。最もこの人間には憑依してるだけですが、私も魔を司る以上あの御方には頭が上がらないのですが」


イシス

魔を司る神・玉座女王などあらゆる名があるが大神であり自分では勝負にならないのは先の神威で嫌というほど実感させられた。


「それで、差し支えなければ魔神さんはあの御方とはどのような関係なのかお聞きしてもいいでしょうか?」


正直言うべきか一瞬悩むが名のある大神にごまかしは悪手とここも素直に説明することにした


「カレン様の弟子にして名を継ぐ事を認められた使用人です。今はカレン様を信仰してるという密教に接触しようと模索してるところです」


今度はイシスが驚きの顔を見せ爆雷鳥を先ほどとは違いまじまじと観察する


「なるほど、なるほど。それでカレン様の魔力を宿してるわけですね。あの御方が弟子を取ったとは驚きですが余計な諍いは望まないので私の胸の内に留めておいた方がいいでしょうね。そういうことでしたらこの指輪をお使いください」


そう言って指から1つの指輪を外し爆雷鳥に投げる、それを咥えた爆雷鳥を介してサテラが疑問を口にする


「・・・神器のようですがどういう腹積もりでしょうか?」


「他意はありません。此処より南にある神殿廃墟にカレン様を崇拝する密教、魔女の集いがあるのでその指輪をみせると余計な手間を省けて交流をもてるでしょう。魔を司る神などと言われてますが起源はカレン様なのはあなたもご存知でしょう? これでも私もあの御方に尊敬の念があるのでその身内への心ばかりの恩返しです。お気になさらず」


爆雷鳥を介してイシスに憑依された魔法使いを観察する。


(・・・なにかしらの罠ということも無さそうですね。そもそも此方の素性を看破されてる以上罠などかけず直接こちらをどうにでもできるでしょうしここは素直に受け取りましょう)


「有難う御座います。この恩はカレン様にもお伝えいたします」


「それは重畳ですわ。それでは私は失礼します、どうぞこの世界を堪能してくださいまし」


それを最後に魔法使いからは神威を感じ取れずどうやら憑依から開放された魔法使いは意識を取り戻し辺りを見渡し首をかしげている。

そして爆雷鳥を自身の下へ帰還させる。


(色々な神がこの世界に目に掛けてるとは聞き及んでおりましたがまさかあの大神イシスまでいるとは。これはいよいよ迂闊な行為はできませんね)


当初の計画ではこの世界の国々を渡り歩きこの世界独自の魔法を行使出来る者を見つけ次第、多少強引でも引き出そうと練っていたがキルトで得たこの世界の情勢と女神の釘刺しにより完全に練り直すことにした。


この町を拠点にして今まで通り使い魔を通して魔法の蒐集を続ける、ただし数を増やし20羽ぐらいで蒐集に当たらせる

既にこの世界の神には露見されており、かつ、こちらの目的を説明している以上は被害が出ない限りは多少派手にやっても問題無いと踏んでの計算だ。


最も最大の理由はこのキルトは辺境の田舎町で各宗教の権威が余り届いてないからで、これが大都市などになるとカレン崇拝者を邪教と触れ回る輩と接触した場合、怒りで自分を抑えられそうに無いというのもある。


計画を練っていると窓を突く音が聞こえ天井裏の小窓を開け爆雷鳥がイシスから譲り受けた指輪を手に取る


(―――そういうことですか。確かにこれはカレン様はこの世界に訪れるのは問題になりますね)


指輪にはカレンの特徴とも言えるお気に入りの蝶の髪飾りからか銀の蝶の模様が刻印されており神威を放つ紛うことなき神器だ。

爆雷鳥からの視野ではイシスの神器かと思っていたが実際に手にすると解る、これはカレンの神器だ。

つまりこの世界で邪教とされている密教はカレンを偶像崇拝から神格化させたのだ、そんな所にカレンが来れば間違い無く神としてこの世界に縛られるだろう。


しかし、カレンの従者のサテラにはこれほどの吉報はない


(ああ!、カレン様の素晴らしさを理解してる者がちゃんといるのですね! 素晴らしいです。南の神殿廃墟に早く行って語り合いたい! 店主が戻ってきたら私が収集に赴くということでお暇を頂き早速いってみましょう)


この日の夜はこの世界に来てこれ以上無いほど上機嫌で気持ちよく眠りに付く事ができた。





翌朝

台所で適当に食事を済ませると店を開け、店前とついでに周辺も掃除する。

従者の癖か掃除は好きで言われずとも行う。当然店内も埃1つ無い程清掃済みだ。

店内の魔道具を一通り確認するとカウンターの奥に座り片手間に魔法薬を練成しポーションを200本創る

店主が居る間は一室を借り秘伝の術と隠して創るが今は人の目も無いのでさっさと創ってのんびりとカウンターでまったりしながら来客を待ちながら爆雷鳥の視野を時折確認する。


この世界のポーションには階級があり下級のポーションは銅貨5枚と子供の小遣い程度でも買える程安値だが中級のポーションとなると途端に値段が跳ね上がり銀貨3枚、上級は金貨2枚そして一般には流通してないが軍や一部の特権階級にだけ流通されてる最上級ポーションは金貨20枚が相場となる


効能はそれぞれ

下級は打ち身や擦り傷を癒す程度

中級は負傷してすぐなら一部裂傷を癒す

上級は経過に関係無く裂傷や軽度の病を癒す

最上級は一部体の部位の欠損を治し、不治の病以外は大抵癒せる


この店の店主は中級まで作成でき、下級と中級ポーションが主な売れ筋だ。

勤め初めた初日に主人が中級までポーションを作成できると説明を受け、サテラも適当に中級まで作成できる事にして主人に創ってみせるとこれで売り上げ倍増と大喜びされ数日後には店を駆け出しのサテラに預け放浪に出た。


サテラとしてはポーションの知識すら自分の知ってるものとは異なっていたので渡りに船と店主の保管してる書物を読み漁った。


サテラは屋敷では妙薬や霊薬の作成ばかりでポーションなど久しく作ってなかったので適当に魔力を抑えて作成したところそれでもこの世界では中級だった。

サテラの知識を持ってすれば死者蘇生の霊薬や不老不死の妙薬などお手の物だがこの世界に限らずその手の薬はどこの世界でも諍いの元なので作成は控えている。


先日コリンに贈ったポーションはせめてものお礼にと中級と上級の間を意識して創ったオリジナルのポーションだ。


何人かの客を通してポーションやたまに魔道具を販売しながら、偶にナンパ目的の男の長い話を適当に受け流してポーションを買わせて丁寧に追い出したりなどしている間に昼になり昼食を作ろうと席を立ったところでコリンが来店する。


「今日もサテラちゃんだけかい? 親父に文句言ってやろうとおもったんだが」


「まだ店主は戻ってきませんね。どのような品を仕入れてくるのか楽しみです」


サテラとしては嫌味ではなく本心だ。

店主の仕入れる魔道具は一言で言えば実用性の無い趣味に走った魔道具ばかりだがサテラにとっては珍品には違いないので店内の魔道具の幾つかはサテラが買い取ったほどだ。


「おとなしくポーションだけ売ってくれれば俺も出稼ぎなんてしないで済むんだがな」


「門兵も立派なお勤めですよ。これから昼食を作るのですが、お口に合うかわかりませんがコリンさんもよろしかったらいかがですか?」


「え、い、いいのか?」


コリンとしては思い切って昼食を誘いにきたのだがまさかのサテラからの誘いにドギマギし、しかも彼女のお手製など楽しみでない筈が無い




至福の一時を過ごしたコリンは上機嫌で仕事に戻る。

見た事の無い料理だったが絶品で美味い美味いと食べているとサテラからお昼のお弁当を詰め所まで時々届けてくれるという有難い申し出に飛びつきコリンはこの上ない春が来たと有頂天だった。


最も後に詰め所にサテラが弁当を届けると巷で評判の看板娘のお手製弁当などと周りから嫉妬の嵐だったがコリンは気にしなかった。

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